皆さんは「ジンリッキー」というカクテルを飲まれたことはありますか?
シンプルな材料と手順で作るすっきりとした味わいのジンリッキーは、ジン好きにはたまらないカクテルです。
甘みがないドライなカクテルなので、食事と一緒に飲んでも違和感はありません。
今回は、ジンリッキーの美味しい作り方から名前の由来、おすすめのジンまで詳しくご紹介します。
普段あまりお酒を家で作られない方であっても、Barで飲むようなジンリッキーをお家で飲めるようになりますよ。
ジンリッキーとは?
ジンリッキーは「ジン・ライム・ソーダ」を使って作る辛口なカクテルです。
ジンリッキーの「リッキー」が、「スピリッツ・ライム(レモン)の果肉・ソーダ」を用いて作るカクテルに使う言葉だと知っておくと、レシピを覚えやすいかもしれません。
ジントニックと使う材料や作り方はよく似ていますが、ジンリッキーではトニックウォーターの代わりにソーダを用います。トニックウォーター特有の甘苦さがないことから、「ジントニックは好きじゃないけどジンリッキーはよく飲む」という人も多いのだそう。
食中のカクテルとして飲む方や、ジンベースのさっぱりしたカクテルが好きな方にジンリッキーはおすすめです。
ジンリッキーの名前の由来
「ジンリッキー」というカクテル名の由来には、有名なものとして2つの説が存在します。
説1:シューメーカーの常連客「ジム・リッキー」
ジンリッキーは、ワシントンの「シューメーカー」というレストランで働くバーテンダーによって発明されたという説。
その後ジンリッキーは、シューメーカーの常連客であった「ジム・リッキー」という人物によって初めて飲まれたと言われています。初めてジンリッキーを飲んだジム・リッキー氏の名前にちなんでジンリッキーと名付けた、というのが1つ目の説です。
説2:米軍将校「ジョー・リッキー」
もう1つの説は、アメリカ軍の将校である「ジョー・リッキー」がジンリッキーをよく好んで飲んでいたことにちなんで名付けられた、というものです。
どちらの説も、正式な記録として残っているわけではないとはいえ、今も残っているカクテル名が人名に由来するというのは面白いですね。
ジントニック・ジンフィズ・ジンバックとの違い
ジンリッキーと似たカクテルとして、ジントニック・ジンフィズ・ジンバックなどがあります。これらのカクテルとジンリッキーでは、材料や作り方が異なります。
ジントニック
ジントニックとは「ジン・ライム・トニックウォーター」を使って作るカクテルです。
甘みもありながら比較的すっきりした万能な味わいです。
世界でもっとも飲まれているとされるカクテルであり、バーで飲むとお店の色がよく現れるカクテルでもあります。多くの人に愛されているジントニックですが、トニックウォーターの独特な甘苦さが苦手な人にとっては飲みづらく感じてしまうでしょう。
トニックウォーターの甘苦さが好きで、ジンベースの定番カクテルが飲みたいという人にはジントニックがおすすめです。
ジンフィズ
ジンフィズとは「ジン・レモンジュース・砂糖・ソーダ」を使って作るカクテルです。ビルドで作るジンリッキーやジントニックに対して、ジンフィズはシェイクで作ります。
シェイクで作るジンフィズは、ビルドで作るよりもアルコールの尖った感じが緩和されてすっきりと飲むことができるのが特徴。
また、ジンフィズは砂糖という甘みが加えられているため、砂糖の量を調整することで甘いカクテルしか飲めないといった方であっても美味しく飲むことができます。
シェイクのカクテルを作りたいという方や、ジンベースだけど甘めで飲みやすいカクテルがいい、といった方にはジンフィズがおすすめです。
ジンバック
ジンバックは「ジン・レモンジュース・ジンジャーエール」を使って作るカクテルです。他のジンベースのカクテル(ジンリッキーなど)で組み合わせることの多いライムではなく、レモンジュースを使うことに注意してください。
また、ジンジャーエールは甘口と辛口があるので好みで使い分けるのがポイント。ジンとジンジャーエールの組み合わせによって、甘みと酸味のバランスがちょうどよく調整された味わいとなっています。
ジンジャーエールがお好きな方や、清涼感のあるカクテルが飲みたいといった方にはジンバックがおすすめです。
ジンリッキーの基本のレシピ
<材料>
ジン 45ml
ライム 1/2個
ソーダ 適量
基本的な作り方
①グラスの上でライムを絞り、そのままグラスの中に落とします。
②グラスに適量の氷とジン45mlを入れます。
③ソーダを適量注ぎ入れます。
④マドラー(ライムを押しつぶして果汁を出すため)を添えて終了です。
基本的な作り方はシンプルで、難しい技法を用いることはないです。
唯一、必要なライムがジントニックなどと比べて大きいことだけは注意しましょう。
ここでご紹介したのはあくまで基本的なレシピなので、グラスの大きさや、自身の好みに合わせてジンとソーダの量を調整してみてください。
美味しいジンリッキーを作るコツ
美味しいジンリッキーを作るためには、注意すべきことがあります。
それは「なるべく氷を溶かさないようにする・炭酸が抜けないようにする・ジンとソーダの比率を意識する」の3つです。
ここから、注意すべき3点について詳しくご説明します。
なるべく氷を溶かさないようするためには?
氷を溶けづらくするためには、製氷機で作った氷ではなく「純氷」を使うのがポイント。
不純物が少なく結晶の大きい純氷は、製氷機の氷よりも透明で溶けづらいものとなります。氷が溶けやすいと、せっかく作ってもすぐに水っぽくなってしまうため、溶けづらい純氷を使うほうが美味しいカクテルに仕上がります。
とはいえ、「スーパーやコンビニで純氷を買うと、お金がかかってもったいない」と思われる方もいらっしゃると思います。
そんな方は、自宅でなるべく溶けづらい氷を作って使うことをおすすめします。
溶けにくい氷を自宅で作るために
自宅で溶けにくい氷を作るためには、以下の3つのことを行ってください。
①凍らせる前に水を一度沸騰させる
溶けにくい氷を作るには「不純物を少なくすること」が非常に重要です。
そのため沸騰することによって、氷を作るための水に入った不純物を可能な限り飛ばします。
②常温にしてからゆっくり冷やす
沸騰させた水がまだ暖かい段階で冷やし始めることは控えてください。
必ず一度常温まで冷ました上で冷やし始めるようにしましょう。
その理由は、なるべくゆっくりと凍らせるためです。
常温になるまでしっかり待つことで、急速に水の温度が下がってしまうことを防ぐことができます。
③途中で水を一回捨てる
水の原理として「純粋な水から凍り始める」というものがあります。
そのため、半分凍った段階で残っている水は比較的純度が低く、不純物を多く含んでいると考えられます。
純度の高い氷を作るために、水の半分ほどが凍ったら一回残りの水を捨ててしまってください。
自宅で溶けづらい氷を作るには上記のような手間がかかってしまいます。「どうしてもお金をかけたくない」といった方でない場合は、市販の氷を買ってしまった方が簡単です。
炭酸を抜けないようにするためには?
炭酸が抜ける主な原因は「温度差」と「衝撃」です。そのため、以下の3つを心がけるようにしてください。
①冷えたグラスを使う
冷えたソーダとの温度差を少なくするために、冷えたグラスを使うようにしてください。
もともとグラスを冷やしておいてもいいですし、グラスに入れた氷を使って冷やしても問題ないです。
氷を使って冷やす場合は、グラスに氷を入れた後、バースプーンやマドラーを使って氷がグラスの縁をなぞるように回してください。
グラスに傷をつけることのないよう、なるべく音を立てずに回しましょう。
②ジンを冷やす
ソーダとの温度差を少なくするには、ジンリッキーで用いる「ジン」を冷やすことも重要です。
「ジンそのものを冷やしておく」「常温のジンをグラスに入れた後で冷やす」のどちらかを行ってください。
ジンをもとから冷やしておく場合は、冷凍庫で保存しておくのがおすすめです。
アルコール度数が40%以上あるジンは、冷凍庫で保存しても凍らず、カクテルに利用するとキリッとした味わいを出すことができます。
常温のジンをグラスに入れた後で冷やす場合は、ジンをグラスに入れ、氷と一緒にマドラーで回してください。
ジンを冷やす前に「グラスを冷やしたときに出た水を一回捨てる」ということは忘れずに行うようにしてください。
③ゆっくり氷にあてないようにソーダを注ぐ
ソーダを注ぐときの衝撃を少なくするため、氷に当たらないように丁寧に注いでください。
グラス下のお酒に直接ソーダを注ぎ入れるイメージです。
あまりにゆっくりすぎると逆効果なので、ほどよい速さで注ぐことが重要です。
温度差と衝撃を減らすことを意識することで、炭酸が抜けるのを防ぎ、爽快感のあるジンリッキーを作ることができます。
理想的なジンとソーダの比率は?
ジン:ソーダ=1 : 2から1 : 2.5の割合が理想的です。ジン45ml に対してソーダは90ml~120ml ほどで作ると、適度な濃さのジンリッキーが作れます。
あくまで目安なので、好みやその時の気分によってアレンジしてみてください。
ジンリッキーにおすすめのジン5選
ジン・ライム・ソーダというシンプルな材料で作られるジンリッキーは、ジンそのもののテイストをダイレクトに味わうことができます。
ジンリッキーを家で作る際には、複数のジンを使って飲み比べてみると面白いのではないでしょうか?
ここでは「ジンリッキーを作るときのおすすめなジン」をいくつかご紹介します。
Jinx
ジンクス(Jinx) オールドトム・ジンは、控えめな甘さと強烈なオレンジフレーバーが特徴のジンです。ロンドンで蒸留された正統派なジンで、爽やかで優しい味わいが楽しめます。
ボトルには雄猫(トムキャット)が描かれている、可愛らしい見た目のお酒なので、プレゼントなどにもおすすめです。
Herno Gin
ヘルノ(Henro)オールドトム ジンは、スウェーデンで初のジン専門蒸留所「ヘルノ・ディスティラリー」が作り出したジンです。
ジン作りに使用するすべてのボタニカルにオーガニック素材を用いています。
「World Gin Awards」において世界最高賞を2年連続で受賞している、非常に世界的な評価の高いジンです。
程よい甘みと花のような風味、ジュニパーベリーの強烈な香りを楽しむことができます。
No.3 LONDON DRY GIN
No.3 LONDON DRY GIN(ナンバースリー)は、世界中に愛飲者がいる高品質なジンとして知られています。
伝統的なロンドン・ドライ・ジンを忠実に表現していて、常温でも冷やした状態でも美味しく飲むことができます。
花とスパイスの香りの中に、カルダモンの味わいを感じることができる商品です。
プリマス ジン
プリマスジンは、現在イギリスで稼働している蒸留所の中でも、最古の蒸留所で作られているジンです。
ジュニパーベリー豊かな香りやほのかな甘み、なめらかで重厚な味わいを感じられます。
今回ご紹介するジンの中ではもっとも安く、手軽に購入することができるのも嬉しいところです。
KYRO GIN
KYRO GIN(キュロ ジン)は、2014年に蒸留を始めた新しい蒸留所で作られているジンです。
この蒸留所ではライ麦100%のライウイスキーを生産していることもあって、ここで作られるKYRO GINはライ麦由来の味わいです。
ほどよい甘さと強めなハーブ感を兼ね備えていて、「一般的なジンの常識を覆す」とも評されています。
まとめ
ジンそのもののテイストを楽しむことができるジンリッキーは、ジン好きな方から根強い人気のあるカクテルです。
食前・食中・食後どの場面でも飲むことのできることも大きな魅力です。
また、シンプルな作り方で簡単に作ることができる一方、工夫を加えることで美味しさが大きく変わるカクテルでもあります。
使うジンの種類や作り方を変えてみることで、あなたに合ったジンリッキーを探してみてください。