みなさんこんにちは。
みなさんは日本酒のラベルを見たときに「麹米」や「掛米」などという表記をみたことがありませんか?
見かけたことはたくさんあっても、その意味の違いまで分かる方はきっと少ないと思います。
そこで今回は元蔵人でもある筆者が、日本酒造りに使用されるお米の使われ方をご紹介します!
麹米
麹米は、その名の通り「米麹」を造るときに使用する米のことです。
お米を蒸して「蒸米」にしたところに、麹菌を繁殖させたものが「米麹」。
そんな「米麹」は日本酒造りで重要な「糖化」の役割を担っています。
「糖化」とはお米が持つデンプンを糖に変換すること。
というのも、酒造りの工程では麹菌が分泌する酵素がでんぷんをブドウ糖などに分解し、ブドウ糖は酵母菌によってアルコールへと変わっていくのです。
つまり、アルコール生成のためには、この「糖化」が非常に重要というわけ。
掛米
掛米とは、「醪」を造るときに使われるお米のことです。
蒸した後、放冷され、直接醪に仕込まれます。
この際、一度に大量の米を投入すると醪内の酸度の薄まり、雑菌繁殖の原因になるので、何回かに分けて投入されるのが一般的です。
ちなみに分けて入れるこの行為を「段仕込み」といいます。
よく耳にする「三段仕込み」は、掛け米を3回に分けて投入することを指しています。
一般的に段仕込みは3回ですが、中には四段仕込みから十段仕込みをしているところもあります。
酒母米
基本的に酒造りに使用される米は、「麹米」と「掛米」の2種類ですが、その他にも「酒母米」という米が存在します。
これは、酒造りの際の酒母に使用される米で酒造り全体から見れば大体7~10%ほどになります。
そもそも酒母とは「日本酒の醸造のために、蒸した米・麹・水を用いて優良な酵母を培養したもの」です。
酒母は、麹と水を加え混ぜ合わせたものに、酒造りに使用する少量の酵母と乳酸を加え、更に蒸した米を加えて造ります。
この時に加える蒸し米が「酒母米」というわけです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は日本酒に使用される米を用途別にご紹介しました。
日本酒には様々な工程があり、それぞれの工程でお米に大きな力を借りているのです。
ぜひ、次に日本酒を購入する際は掛米や麹米にも注目してみてくださいね。新しい発見があるかもしれませんよ!