ジントニックは、蒸留酒である「ジン」と、炭酸水に香草や柑橘の皮のエキスを加えた清涼飲料水である「トニックウォーター」によって作られている、定番のカクテルです。
定番のカクテルではありながら、その詳細についてあまり知らない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、ジントニックの歴史から、度数や風味、作り方のコツまでご紹介します。
ジントニックの基本情報
誕生のきっかけ
ジントニックの原型となるカクテルは、18世紀頃にはすでに飲まれていたと言われています。
インドなどの熱帯の植民地で働いていたイギリス人が、マラリア対策として飲んでいたトニックウォーターに、薬用酒的に飲まれていたジンを混ぜたことがきっかけなんだそう。
第二次世界大戦後には世界中に広まり、今では定番のカクテルの1つとなりました。
度数や風味・味わいについて
ジン自体のアルコール度数は、約40%です。そこへトニックウォーターを加えることで、ジントニックのアルコール度数はおおよそ5%ほどになります。
ジンの持つ独特な香りに、ライムの酸味やトニックウォーターの甘み・苦みが合わさったジントニックは、さっぱりとしたドライな味わいが特徴。
甘いお酒が好きな人はもちろん、さっぱりとしたお酒が好きな人でも気兼ねなく飲める万能なカクテルとして、幅広い層の人に人気の1杯です。
バーで一杯目にたのむべきカクテル?
程よい甘さがありつつ、爽やかな香りを誇り誰でも飲みやすいカクテルとして知られているジントニック。男女問わず人気のこの1杯ですが、実はバーで最初に頼むカクテルとしても定番だと言われています。
というのも、ジントニックはカクテルの基本中の基本となる1杯。スタンダードゆえに、バーテンダーの力量が試されるともいえるのです。
そのため、何気なしにバーで「ジントニックをください」と1杯目に頼むと、バーテンダー側も「このお客さんは、自分の力量を試しているのではないか」と緊張したりするものなのだそう。
ジントニックの作り方
基本のレシピ
*ドライジン、トニックウォーター、ライムかレモンを用意してください。
※ドライジンとは、ロンドンが主産地のジンのこと。
1:ライム(もしくはレモン)をグラスに搾り入れ、グラスいっぱいに氷を入れます。
2:グラスの1/4ほど、ドライジンをを注ぎます。(300mlグラスで約30ml)
3:グラスの3/4にあたる量のトニックウォーターをゆっくりと注ぎ、軽くかき混ぜます。(300mlグラスで120ml前後)
美味しく作るコツ
ジン・ライム・トニック。それぞれ良い材料を使う
ジントニックはとてもシンプルな材料でできています。シンプルだからこそ、1つ1つの材料の持つポテンシャルによって、味が変わってきます。
何のジンを使うかは、個人の好みによりますが、バーなどでよく使われている銘柄を選ぶと間違いないでしょう。
トニックウォーターは、炭酸が抜けにくい銘柄が大前提。その他、プレミアムなトニックウォーターで作るとより一層美味しく仕上がります。
ライムやレモンは、できる限り新鮮な物。とりわけノンワックスの国産品を使うと良いでしょう。
材料とグラスはよく冷やす
ジンはアルコール度数が高いため、冷凍庫に入れても凍りません。より美味しいジントニックを作りたい場合は、ジンを冷凍庫に保管しておくことで、氷が溶けるのを防ぐことができます。
その他、グラスやトニックウォーターも冷蔵庫に入れて、しっかり冷やしておくことでキンキンに冷えた美味しいジントニックが楽しめます。
トニックウォーターをゆっくりと注ぐ
最後に、トニックウォーターを注ぎ入れる時には、勢いをつけずに、グラスを傾けて、炭酸が抜けないようにそっと注ぎましょう。
混ぜすぎ注意
トニックウォーターの炭酸の影響で自然とジンが混ざるので、そこまでかき混ぜる必要がありません。かき混ぜれば混ぜるほど氷が溶けて、炭酸も抜けていってしまいますので1回~2回ほどを目安にしましょう。
ジントニックにおすすめのジン
ボンベイ・サファイア
サファイア色のボトルが美しい、世界中で愛されているドライジンです。柑橘系のトニックウォーターとの相性が良く、バランスによって、爽やかなジントニックにも、甘めのジントニックにもできます。
そのまま飲んでも美味しい、プレミアムジンとしてご自宅に1本置いておくと大変重宝するジンです。
ビーフィーター ジン
1820年創業の歴史のあるドライジン「ビーフィーター」。現在でも創業当時の秘伝のレシピを守りながら、蒸留されているロンドンドライジンの代表銘柄ですアルコール度数が40%と47%の2種類ありますが、ジントニックにする時には47%のものを使うのがおすすめ。
キリッとして爽やかな口当たりで、柑橘感を強く感じられるのが特徴です。
ゴードン ロンドン ドライジン 37.5度
1769年創業、ジントニックを世界で初めて生んだと言われているブランド「ゴードン」のドライジンです。受け継がれている創業時からの秘伝のレシピを知る人は、世界で12人しかいないのだそう
ジンの香りを司るジュニパーベリーが高品質であることがポイント。重みのある深い味わいが人気です。
ジントニックの他、ロックとしてブラックペッパーをトッピングしながら味わうのも美味しいですよ!
タンカレー ナンバーテン
1960年代に造られた、ブランド独自の蒸留器「タイニーテン」によって生まれた原酒をベースにしたプレミアムジン「タンカレー ナンバーテン」。2000年から3年連続で、「サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション」のベストスピリッツ賞に選ばれ、殿堂入りしている世界が認めるジンです。
深みがありながら、決して荒くない。ほのかな甘さも感じられる、高級感のあるジンです。
まとめ
シンプルだけれど奥の深いジントニック。
そのシンプルさにより、バーテンダーの技術が試されるため、バーで注文されると緊張するカクテルなのだとか。
バーに足を運んでプロの味に酔いしれるもよし。自宅で自分好みのジントニックを作るのもよし。
思い思いにジントニックを味わってみてはいかがでしょうか。