九州といえば、焼酎のイメージを持っている人も多いですが日本酒づくりも盛んに行われているって知っていましたか?
今回ピックアップするのは、熊本県。
馬肉料理なども有名なグルメな街ですが、ここで造られている日本酒とのペアリングも実に美味!今回は、筆者オススメの日本酒をランキング形式で10本ご紹介すると共に、熊本県の日本酒の特徴や人気の酒蔵に関しても詳しく解説していきます。
熊本県の日本酒の特徴
熊本県の日本酒は、平安時代から続く"赤酒(あかざけ)"がルーツとされています。
赤酒とは、醪に木灰を混ぜて造る"灰持酒(あくもちざけ)"の一種。腐敗を防いで保存性を高めていることが特徴で、お酒が腐敗しやすい温暖な気候の熊本県ならではのお酒として、地元の人々に親しまれてきました。
現在も、熊本県の特産品として御神酒やお屠蘇(とそ)、料理酒などに用いられています。
熊本県の酒がこの赤酒から清酒に転換したのは明治期です。
明治十二年(1879年)に"熊本県酒造人組合"が設立。明治四十一年(1908年)には"熊本県酒造研究所"が発足し、以来、熊本県の雄大な自然を活かした酒造りが展開されています。
例えば、熊本県内には、世界でも最大級のカルデラ(火山活動でできた凹地)を持つ阿蘇山を中心に、千を超える湧水群があります。この数は、生活用水の約八割を天然の地下水でまかなえるほどなんだそうです。
当然、これだけ多くの湧水群を持つと、地域によって軟水から硬水まで、様々な水質の湧水が得られます。熊本県では、各地でバラエティ豊かな個性的な地酒が造られているのですが、それらの酒質には、この様々な湧水が大きな影響を与えているのです。
また、良質な水は良質な米を育むことにも大きく貢献しています。
県内では、山田錦や神力(しんりき)などの酒造好適米の栽培が盛んに行われているだけでなく、熊本県は平成二十六年(2014年)にオリジナルの酒造好適米"華錦"を開発。これからの収穫量の増加も期待できるため、華錦を使用した熊本県ならではの日本酒は今後、増えていくと思われます。
付け加えると、熊本県オリジナルの酵母"熊本酵母"を使用した酒も、熊本県ならではの日本酒と言えます。
熊本酵母は、熊本県酒造研究所が昭和二十八年(1953年)に分離・培養に成功した酵母。酸味が少なく、華やかな香りを引き出せることが特徴で、日本醸造協会に"きょうかい9号酵母"として採用されています。
熊本県内はもちろん、全国の酒蔵で活躍している熊本酵母や華錦、熊本県の良質な水を活かした日本酒を、是非、堪能してみてください。
熊本県の日本酒ランキングtop10
熊本県日本酒ランキング10位:大吟醸 れいざん
「大吟醸 れいざん」は、精米歩合40%まで磨き上げた山田錦と、熊本酵母KA-4を使用した大吟醸酒です。
華やかな吟醸香と豊かな味わいが特徴。冷やでも良いのですが、冷酒で楽しむとより美味しく味わえます。
酒米と酵母が織り成す、芸術的な仕上がりをお楽しみください。
熊本県日本酒ランキング9位:純米大吟醸 七歩蛇
出典:純米大吟醸 七歩蛇(しちほだ) [ 日本酒 熊本県 720ml ]
「純米大吟醸 七歩蛇」は、小国の契約農家米の一本〆を精米歩合35%まで磨き上げた純米大吟醸酒です。
繊細な香りと味を楽しめる甘口の味わいが特徴。涼冷えで飲むと、その絶妙な香味を余すことなく楽しめます。
"2020年 春季 全国酒類コンクール 第一位最高賞 受賞"の成績を誇る名酒です。
熊本県日本酒ランキング8位:大吟醸 鬼切丸
「大吟醸 鬼切丸」は、全量槽ふくろ搾りで仕上げた大吟醸酒です。
豊かな果実の香りと濃厚な味わいが特徴。スッキリと心地良く楽しめる冷酒で飲むのがオススメです。
阿蘇天然湧水仕込のこだわりの一本を、楽しんでみるのはいかがでしょうか?
熊本県日本酒ランキング7位:純米大吟醸 花の香 桜花
出典:花の香(はなのか) 純米大吟醸 桜花(おうか) 720ml
「純米大吟醸 花の香 桜花」は、山田錦を50%まで磨き手造りで丁寧に仕込んだ純米大吟醸酒です。
花のような香り高さとキレのある味わいが特徴。広がる米の旨味、綺麗な透明感、スッキリとした後味を楽しめます。
"KURA MASTER"を始め様々なコンテストで受賞している、確かな実力を誇る名酒です。
熊本県日本酒ランキング6位:純米酒 神田
出典:【日本酒】 熊本県 花の香酒造 16度 神田(じんでん) 720ml
「純米酒 神田」は、山田錦と熊本発祥の9号酵母を使用した純米酒です。
9号酵母らしい、スッキリとしたキレがある、やや辛口の味わいが特徴。ただ辛いだけでなく、爽やかな吟醸香も楽しめる"熊本純米酒"です。
創業当時、神社の土地から湧き出る岩清水と、神社所有の田んぼ"神田"で収穫された米と水で始めた、花の香酒造の酒造りの想いを名にした特別な一本になります。
熊本県日本酒ランキング5位:吟醸 香露
「吟醸 香露」は、酒米の王様"山田錦"と熊本酵母で醸した吟醸酒です。
穏やかな香りとコク、吟醸独特の余韻のある風味が特徴。軽くスッキリとした味わいを楽しめる飲みやすい一本です。
和食全般と合う食中酒タイプ。特に、少し酸味や塩味が効いたさっぱりとした味付けの料理とは相性抜群です。
熊本県日本酒ランキング4位:美少年 大吟醸 菊池
出典:美少年 菊池 大吟醸(720ml)[日本酒 山田錦 熊本県]
「美少年 大吟醸 菊池」は、山田錦を精米歩合40%まで磨き上げ、清らかな仕込み水と共に低温発酵で丁寧に醸した大吟醸酒です。
豊かな香りと甘み、キレの良さが調和しているのが特徴。口当たりはまろやかで軽快、飲み進めていくとふくよかな米の旨味が広がっていきます。
温度は冷酒か冷やで楽しむのがオススメです。
熊本県日本酒ランキング3位:美少年 純米酒 清夜
「美少年 純米酒 清夜」は、菊池産米"ひのひかり"を主に使用した純米酒です。
口の中にふくよかに広がる甘みと濃醇な味わいが特徴。それでいてしっかりとした酸味もあり、喉越しはスッキリとしていて心地良いです。
"Kura master 2019 プラチナ賞受賞"、"2015年日本全国美酒鑑評会 純米酒部門 準大賞"といった素晴らしい受賞歴を誇る一本。冷酒か冷や、またはぬる燗でその実力をお確かめください。
熊本県日本酒ランキング2位:芳醇純米酒 瑞鷹
「芳醇純米酒 瑞鷹」は、華錦(はなにしき)などの酒米を精米歩合65%まで磨いた純米酒です。
伝統の熊本酵母で醸して仕上げた、深みのある芳醇な味わいが特徴。旨味の調和が取れているため、冷酒~熱燗のどの温度でも良さを楽しめます。
濃醇辛口で香り穏やかな、香味のバランスに優れた一本。爽快に飲みたい時にはオン・ザ・ロックで楽しむのも良い、万能な日本酒です。
熊本県日本酒ランキング1位:美少年 純米吟醸 劍門
出典:美少年 剣門 純米吟醸酒(720mL)熊本県【やや辛口】
「美少年 純米吟醸 劍門」は、食中酒として活躍すること間違いなしの純米吟醸酒です。
爽やかな吟醸香と、絶妙に調和した酸味と甘みとキレが特徴。ほんのりフルーティな飲み口と、広がる米の甘みと旨味を楽しめます。
後口はスッキリとした辛口タイプで、冷酒や冷や、ぬる燗でも美味しい一本。温度の変化で味わいの変化も楽しめる、香味のバランスが素晴らしい名酒です。
熊本県の酒蔵ランキングtop5
熊本県酒蔵ランキング5位:河津酒造
河津酒造は、昭和七年(1932年)に創業した阿蘇郡の酒蔵です。
手仕込みによる少量生産ならではの、繊細でエッジの効いた酒造りが特徴。涌蓋山の裾野の湧水と、この地で栽培される米を使い名酒を造り上げています。
代表銘柄は「七歩蛇」です。
熊本県酒蔵ランキング4位:花の香酒造
花の香酒造は、明治三十五年(1902年)に創業した玉名郡の酒蔵です。
"全量ドメーヌ和水町"と表現できる、仕込み水と同水域の酒米で醸す酒造りが特徴。岩盤より滲みだす岩清水に、熊本在来種の米"穂増"、熊本9号酵母を活かして名酒を造り上げています。
代表銘柄は「花の香」です。
熊本県酒蔵ランキング3位:熊本県酒造研究所
熊本県酒造研究所は、明治四十二年(1909年)に創業した熊本市の酒蔵です。
きょうかい9号酵母の元株でもある熊本酵母を維持・管理する研究機関でもあり、技術を伝え、酵母の価値を守るための酒造りをしているのが特徴。熊本酵母と阿蘇伏流水、華錦などの酒米を使用して名酒を造り上げています。
代表銘柄は「香露」です。
熊本県酒蔵ランキング2位: 瑞鷹
瑞鷹は、慶応三年(1867年)に創業した熊本市の酒蔵です。
米そのものの魅力を大切にした酒造りを目指しているのが特徴。華錦や無農薬・無肥料の自然農法栽培による酒米"吟のさと"に注目しつつ、阿蘇を源とした地下水、熊本酵母を活かして名酒を造り上げています。
代表銘柄は「瑞鷹」です。
熊本県酒蔵ランキング1位:美少年
美少年は、宝暦二年(1752年)に創業した菊池市の酒蔵です。
菊池の山上で酒造りを実施しているのが特徴。緑と棚田に囲まれた自然豊かな環境の中、菊池の米と、日本名水百選に選ばれている菊池渓谷の伏流水を使用し名酒を造り上げています。
代表銘柄は「美少年」です。
良質な水で醸された!熊本の日本酒を楽しもう
平安時代から続く"赤酒(あかざけ)"がルーツとなっている熊本県の日本酒造り。焼酎のイメージが一転、熊本の日本酒を味わってみたいと感じた方も多いのでは??
今回ご紹介した日本酒以外にも、様々な日本酒が造られています。ランキングを参考に、ご自身のお気に入りの1本を見つけてみてくださいね。