全国に知られている銘柄から、小さくともこだわりの酒を造る酒屋まで、それぞれの蔵が、古くから伝承されてきた技法と特色を活かしながら、積極的に近代技術を導入して個性のある酒造りを目指している高知県。
現在18あると言われている酒蔵でも、その個性は様々。今回は、そんな高知県の日本酒について徹底解説。
ランキング形式で紹介するおすすめの10本のほか、味の特徴や歴史、人気の酒蔵までご紹介していきます。
高知県の日本酒の特徴
飲み飽きしないキレの良い辛口
酒質タイプは"綺麗な酸があり、雑味は少なく、キレの良い辛口"。単なる辛口ではなく、甘みが少ないながらも輪郭のハッキリした鮮度感や膨らみ、旨みがあり、かつ後口のキレが良い、何杯でも飲み飽きせずに楽しめるのが特徴です。
この特徴は、土佐の時代より受け継がれる、淡麗辛口の地酒を豪快に飲み干す伝統に由来するもの。必然的にその伝統的な味わいは、土佐料理のような、新鮮な山川海の幸が豊富に盛られる和食などに最適です。
料理を引き立てる日本酒
また、高知県酒造組合は、高知県工業技術センターに依頼し、各蔵の麹やモロミ等を採取。それらをデータ化し、全蔵に全データをフィードバックしています。これは、全蔵で造りのデータを共有することで、全体のレベルアップに繋げようとするものです。県単位でここまでやっているところは他にはなく、業界では"高知方式"とも呼ばれている手法になります。
結論、"飲み続けられ、料理を引き立て、レベルが高い"ということが高知県の日本酒の特徴です。
高知県の日本酒ランキングtop10
高知県日本酒ランキング10位:酔鯨 純米吟醸 吟麗
「酔鯨 純米吟醸 吟麗」は、控えめな香り、米の旨味、心地良いキレが特徴。飲み飽きのしないタイプの、酔鯨を代表する純米吟醸酒です。
和食全般、特に醤油系の料理と相性抜群。料理の良さを引き出す食中酒です。
高知県日本酒ランキング9位:美丈夫 舞 うすにごり
出典:美丈夫 純米大吟醸 舞 うすにごり 720ml 2020年度産
「美丈夫 舞 うすにごり」は、華やかでありながら心地良い酸味とキレが特徴。お米でできたシャンパンを思わせる日本酒です。
発泡性の純米大吟醸であり生酒。瓶内2次発酵による、生きた酵母が生み出す泡は爽快できめ細やか。シャンパンのように乾杯に使ったり、料理と合わせたりするのにピッタリです!
高知県日本酒ランキング8位:麗香司牡丹
出典:司牡丹酒造 吟醸酒「麗香」 [ 日本酒 720ml ]
「麗香司牡丹」は、上品でエレガントな吟醸香、軽快で爽やかな味わい、後口のキレの良さが特徴。その名の通りの麗しい香りを持った吟醸酒です。
普段あまり日本酒を飲まない方や、女性にオススメしたい一本。心地良い飲みやすさ、分かりやすい美味しさを楽しめる日本酒になります。
高知県日本酒ランキング7位:吟醸酒 吟麗千寿土佐鶴
出典:土佐鶴酒造 吟醸酒 吟麗千寿土佐鶴 [ 日本酒 高知県 500ml ]
「吟醸酒 吟麗千寿土佐鶴」は、爽やかな口当たりと柔らかな余韻が特徴。吟醸ならではの香りを楽しめる「土佐鶴」です。
料理とのバランスを特に重視した一本。サッパリとした和食と共に、冷酒で軽快に味わうのがオススメです!
高知県日本酒ランキング6位:南 特別純米
「南 特別純米」は、辛口でありながら芳醇な味わいが特徴。喉越しの良い、飲み飽きないタイプの日本酒です。
「南」は、"家名に恥じない酒を造る"という想いで、平成十年に立ち上げられた新銘柄。全量箱麹を使用し丁寧に醸されており、同商品からもその"丁寧な酒造り"を感じることができます。
高知県日本酒ランキング5位:美丈夫 舞
「美丈夫 舞」は、ほのかな甘味と柑橘系の酸味、バランスの良い切れ味、飲み飽きしない味わいが特徴。"飲む人を楽しませ、心を自由に舞い立たせて、柔らかな心地に導きますように。"という想いが込められた日本酒です。
上品で旨味のある仕上がりは食中酒に最適。料理と合わせることで双方が引き立つような、絶妙なバランスの一本になります。
高知県日本酒ランキング4位:司牡丹・船中八策
「司牡丹・船中八策」は、上品でナチュラルな香り、なめらかに膨らむ味わい、抜群にキレの良い後口が特徴。超辛口のスッキリタイプな日本酒です。
香味のバランスが良く、どんな料理も引き立てるので食中酒として楽しむのがオススメ。強いて言うなら和食、中でも新鮮魚介との相性が抜群です。
冷酒でも冷やでも燗でも美味しい万能な一本。「司牡丹」を代表する人気No.1銘柄になります。
高知県日本酒ランキング3位:桂月 CEL24 純米大吟醸 50
出典:桂月 CEL24 純米大吟醸50 [ 日本酒 土佐酒造 高知県 1800ml ]
「桂月 CEL24 純米大吟醸 50」は、高知県嶺北地方産の酒造好適米"吟の夢"を使用した純米大吟醸酒です。
精米歩合は50%。酵母には高知県酵母CEL24を使用した、高知ならではの味わいを楽しめる一本になります。
"IWC2019 純米大吟醸部門"でゴールドメダル受賞、"Kura Master 2019 純米大吟醸部門"でプラチナ賞受賞。その確かな酒質は、冷酒で堪能するのがオススメです。
高知県日本酒ランキング2位:酔鯨 特別純米酒
「酔鯨 特別純米酒」は、ほど良い香りと「酔鯨」特有の酸味が特徴。幅があるのにキレがある純米酒です。
毎日の晩酌で楽しめる食中酒を目指して醸された一本。精米歩合55%まで磨くことで実現した、"引き出された素材の良さ"を堪能できます。
温度帯は冷やがオススメ。是非、様々な料理と合わせてお楽しみください!
高知県日本酒ランキング1位:土佐鶴 純米酒
「土佐鶴 純米酒」は、純米ならではのしっかりとしたコク、爽やかな酸味が特徴。「土佐鶴」ならではの"旨辛"な純米酒です。
やや濃醇、やや辛口といった具合のバランスの良い一本。冷酒や冷やで美味しいですが、ぬる燗、熱燗にするのが特にオススメです。
料理と合わせるなら、魚の煮つけや焼き魚、中華料理がベストマッチ。しっかりとしたコクと、キリッとした味わいが、料理の良さを引き立てること間違いなしです!
高知県の酒蔵ランキングtop5
高知県酒蔵ランキング5位:濵川商店
「濵川商店」は、明治三十七年(1904年)に創業した安芸郡の酒蔵です。
ベースとなる仕込み水には奈半利川の伏流水を使用。酒米には最高峰である兵庫県産山田錦、中でも東条の特A地区指定の田んぼで収穫された酒米や、"日本酒のテロワール"といった視点から、地元高知県で契約栽培される吟の夢、愛媛県の松山三井などを使用。
国内屈指の超軟水、そして、それぞれの酒米の特性を活かしながら「美丈夫」を醸しています。
高知県酒蔵ランキング4位:司牡丹酒造
「司牡丹酒造」は、慶長八年(1603年)に創業した高岡郡の酒蔵です。
多くの特定名称酒の麹米と酒母米に山田錦を使用。仕込み水には、日本一水の綺麗な川とも言われる仁淀川水系の湧水(軟水)を使用しています。
広島流軟水醸造法の伝統を引き継ぎ、新たに司牡丹流とでも言うべき段階に至ったと言える技により、上記の素材を活かした酒造りを実施。この技は、かつて、高知の軟水による酒造りに適任である、軟水醸造法の広島杜氏を招いたことをきっかけに、現在まで受け継がれているものです。
高知県酒蔵ランキング3位:土佐酒造
「土佐酒造」は、明治十年(1877年)に創業した土佐郡の酒蔵です。
地元の棚田で育った酒米100%による酒造りを実施。生酛・山廃に代表される伝統的技法にも積極的に取り組み、Sake du Terroir "土地の酒"としての「桂月」の酒造り、を心掛けているのが特徴です。
四国の中央部を流れる吉野川の源、四国の水瓶と言われる早明浦湖畔の自然環境。これらを活かし、豊かな水と澄んだ空気の中だからこそ造り出せる、高品質な日本酒を世に送り出しています。
高知県酒蔵ランキング2位:酔鯨酒造
「酔鯨酒造」は、昭和四十七年(1972年)に創業(酔鯨酒造株式会社への改組)した高知市の酒蔵です。
仕込み水には、高知市の北部、土佐山地区の湧水を使用。新鮮な水を使用することで、味のキレと品質の劣化が少ない仕上がりを実現しています。
米は、全国各地より取り寄せた酒米を、"一つの商品では同一品種、同一精米歩合の米しか使用しない"というこだわりを持って使用。
また、精米歩合にもこだわりを持っており、自社基準による商品分けでは、大吟醸酒は精米歩合40%以下(規格は50%以下)、吟醸酒は50%以下(規格は60%以下)、純米酒は60%以下(規格は基準なし)としています。
目標にしているのは"旨みが有りながらもキレが良く"、"香り穏やか"なお酒。食中酒として磨きをかけ続けている日本酒「酔鯨」を醸しています。
高知県酒蔵ランキング1位:土佐鶴酒造
「土佐鶴酒造」は、安永二年(1773年)に創業した安芸郡の酒蔵です。
酒造井戸から汲み上げる軟水の仕込み水を使用。原料米は、淡麗な酒を醸す高知県産米から、吟醸に最適な酒造好適米である兵庫産山田錦まで、目的に応じて幅広く使用しています。
酵母も柔軟に使い分け、醸造協会酵母だけでなく、吟醸熊本酵母や独自に育種した土佐鶴淡麗酵母まで、米や目的の酒質に応じて最適な酵母を使用。淡麗にして旨い辛口の酒「土佐鶴」を造り上げています。
食事のお供にぴったり!高知の日本酒を楽しもう!
"飲み続けられ、料理を引き立て、レベルが高い"
まさにそんな言葉がぴったりな、高知の日本酒。日本酒ファンが好きな、キレの良い辛口の商品も多いことから、今後も要チェックの県だと言っていいでしょう。
今回ピックアップしたものは、数ある銘酒の中のほんの一部です。ランキングを参考に、ご自身のお気に入りの1本をぜひ見つけてみてくださいね!