世界3大醸造酒の一つである「紹興酒」。中華料理屋さんや台湾料理屋さんでは置いてあることが多いですが、飲んだことがない人も少なくないと思います。
紹興酒はそのまま飲むのはもちろん、料理酒としても活用できるので意外にも活躍の場が多いお酒なんです。そこで今回は、紹興酒の種類や味わいの特徴を解説しつつ、オススメの紹興酒をランキング形式でご紹介していきます。
紹興酒とは?
紹興酒は中国で生まれた古くから歴史のあるお酒で、浙江省紹興市で生産されています。そしてその地元にある「鑑湖(かんこ)」という湖の水を使って仕込んだのが紹興酒のはじまりです。
現在日本では台湾産の紹興酒(広義の意味で)も多く出回っていますが、浙江省の紹興市が中国で最大の紹興酒の生産地になっています。
紹興酒の種類
紹興酒は「元紅酒・加飯酒・善醸酒・香雪酒」と4種類に大別されます。それぞれ製法が異なりますが、日本で一般的によく飲まれているのは加飯酒です。
元紅酒(げんこうしゅ)
もともとは朱紅色に塗ったカメに詰められていたことから、元紅酒とよばれるようになりました。元紅酒は最もスタンダードな製法で、熟成期間が1~2年、中国国内では広く流通している紹興酒です。糖類が少なく、ほろ苦くドライな辛口に仕上がっています。
現地では料理酒に使われることもあります。別名:攤飯酒(たんはんしゅ)とも呼ばれています。
加飯酒(かはんしゅ)
元紅酒より約10%ほど多く糯米、麦麹を使用し、糖化発酵期間も倍以上の時間をかけているので、元紅酒よりもさらに贅沢な造りになっています。
日本で広く流通しているのはこの加飯酒。3年以上熟成されてから出荷されます。アルコール度数は18~19度前後が一般的です。
善醸酒(ぜんじょうしゅ)
善醸酒は、水のかわりに2~3年物の元紅酒を使って造るのでより贅沢な紹興酒になります。アルコール度数は高めで、濃厚な甘みをしっかりと感じることができます。「重醸酒」や「醇酒」などとも呼ばれています。
香雪酒(こうせつしゅ)
香雪酒がもっとも甘みが強く、アルコール度数も20%前後あります。甘みが強くなるのは、元紅酒の製造工程で麹を追加するため、糖度が上がるからです。ロックスタイルで食後にゆっくりいただきたい、高貴な味わいがあります。
「老酒」「花彫」「陳年」って?
本格的な中華料理屋さんに行くと、紹興酒とは別に「老酒」「花彫」「陳年」などの表記もあり、なにがどう違うのがこんがらがってしまいますよね。もちろんそれぞれに意味があるので、以下で簡単に解説していきます。
老酒
老酒は、「長期間熟成した黄酒」のことをさします。ただ、厳密には老酒の中でも紹興市で作られたものだけが「紹興酒」と呼ばれるので、必ずしも老酒=紹興酒とは限らないので注意が必要です。
紹興酒以外の黄酒を熟成させたものも老酒と呼ぶことができ、上海老酒、蘇州老酒、福建老酒、台湾老酒あたりが有名です。
花彫
花彫は、本来は振る舞い酒のことを指す言葉。それは、女の子が生まれた際に紹興酒のカメを庭に埋め、女の子が結婚する際にそれを掘り出して宴の席で飲むという昔の習わしが元になっています。
今日では長期熟成した黄酒や、カメに入った黄酒のことを指し、また「中国本土で造られたお酒」という意味合いも持っています。
陳年
陳年は、台湾で長期熟成させた黄酒のことを指します。本来は紹興で造られたものだけを「紹興酒」と名乗ることができるのですが、広義で台湾の黄酒のことを呼ぶことも多く、日本の市場ではこの陳年も紹興酒として多く出回っています。
しかし、2000年に中国政府は原産地規定を制定しているので、厳密には紹興市で製造されたものしか紹興酒と名乗れないようになっています。まるでシャンパンとスパークリングのような関係性ですね。
オススメの紹興酒ランキングTOP10
10位:陳年女児紅紹興酒(金ラベル丸瓶)
独特の甘みとまろやかさが引き立つ紹興酒「陳年女児紅紹興酒」。「女児紅」は、女の子が生まれたときに仕込んだ紹興酒を、嫁ぐまで寝かしておいて結婚の際にお祝い用として楽しむというのが習わしでした。
現在では縁起のよいお酒として日本にも流通しています。冷やして飲んでも常温で飲んでも美味しくいただける上品な甘みが特徴です。
9位:紹興酒 塔牌 花彫 陳五年
「塔牌」は中国政府が認めた高品質を誇る紹興酒です。良質なもち米と麦麹をベースに、伝統的な手造りによる甕仕込み甕貯蔵をしています。
5年間じっくり熟成させているので、絶妙にバランスがとれたコクのある味わいが特徴です。口当たりも優しく、ロックスタイルで飲むのがオススメです。
1800mlの大容量なので、料理酒としても気兼ねなくガンガン使えるのが嬉しいところ。
8位:特撰紹興酒 塔牌 陳十年
伝統的な製法で10年間熟成した高級感のある紹興酒「特撰紹興酒 塔牌 陳十年」。長期貯蔵由来の液体色で、透明感のある色調が魅力的。甘さは控えめで、味わいはスムーズで非常にまろやかです。
アルコール度数は15度なので、比較的飲みやすいタイプです。ざらめや角砂糖を入れる日本式の飲み方もいいですが、甘い干し梅を砂糖の代わりに入れるスタイルの飲み方もオススメです。
7位:陳年八年紹興花彫酒
1743年創業の「会稽山紹興酒股份有限公司」で8年以上熟成した原酒を厳選して、工場元詰めで輸入している紹興酒「陳年八年紹興花彫酒」。会稽山紹興酒股份有限公司は、2000年の4月から「原産地域産品保護規定」が施行され、正宗な紹興酒の蔵元としての認定を受けています。
さらにこの陳年八年紹興花彫酒は、人民大会堂等の国宴酒として提供されているので非常に高品質の紹興酒です。
6位:紹興加飯酒
「紹興加飯酒」は加飯製法で造られており、タンクから充填した後加熱処理を施していないので、生詰に近い味わいが楽しめます。加飯酒独特の香りが忠実に再現されていて、口当りは非常になめらか。
高級感のあるシルエットのボトルも魅力的なので、インテリアとして棚に置いてあっても◎。プレゼントにも最適な一本です。
5位:特撰紹興酒 塔牌 陳十五年 壷
「特撰紹興酒 塔牌 陳十五年」は、15年貯蔵した原酒をベースに造られている紹興酒。さらに厳選された長期貯蔵熟成酒を絶妙にブレンドしているので、長期貯蔵由来の芳醇な香りとコクのある味わいが楽しめます。
また、ボトルも陶磁器の産地として有名な浙江省龍泉製のオリジナル磁器をつかっているので、高級感があります。しっかりとした木箱に入っているので、紹興酒が好きな方へのプレゼントとして送るのにも最適です。
4位:永昌源 陳年紹興貴酒15年 壺 箱入り
永昌源の陳年紹興貴酒15年は、長期熟成由来の芳醇な香りと深いコク、まろやかな味が忠実に再現された1本。喉ごしはすっきりとしているので飲みやすさは抜群!高級感あふれる壺にも注目です。
オススメは冷蔵庫でしっかり冷やして、ワイングラスに注いで飲むこと!グラスを回して香りをかぐとアロマがより鮮明に分かります。シェリー酒のようなまろやかさがあるので、食後にゆっくりいただきたい紹興酒です。
3位:永昌源 古越龍山 金龍
中国NO.1紹興酒ブランド「古越龍山」がリリースする「永昌源 古越龍山 金龍」 は高品質にもかかわらず価格がリーズナブルで、手軽に飲めるのが最大の魅力。
糖酸バランスを見直して、原酒本来の甘さを引き出すことで、芳醇な味わいとやわらかな口当たりを再現しています。常温で飲むのも良いですが、氷をたくさん入れて炭酸で割ったら立派な紹興酒サワーに。
料理の味を邪魔しないので、食中酒としてすいすい飲めちゃいます。レモンを絞るとより爽やかな印象に仕上がりますよ。
2位:紹興酒 古越龍山 善醸仕込み 瓶
中国NO.1紹興酒ブランド「古越龍山」の善醸仕込み。古越龍山は1954年に紹興市醸酒総公司と沈永和酒場が統合して誕生した中国紹興黄酒集団会社がリリースする代表的なブランドの紹興酒です。
欧米諸国をはじめ、東南アジアや日本など、世界16ヶ国に輸出されています。契約農家から厳選したもち米のみを使った丁寧な製造が持ち味。濃厚で上質な甘みがしっかりと感じられ、まるでポートワインのような味わいが魅力。
ロックもいいですが、ソーダ割りにしてちょろっとレモンを絞るスタイルもオススメ。
1位:紹興酒 古越龍山 15年 景徳鎮ボトル
こちらも中国NO.1紹興酒ブランド「古越龍山」シリーズ。15年の熟成を経ているので、なめらかで味わい深いのが特徴です。
中国の代表的な陶磁器名産品の「景徳鎮ボトル」が木箱に入れてある高級感のある紹興酒。プレゼントとしても喜ばれる一本です。常温でも美味しく飲めますが、冷やしてロックスタイルがオススメ。
炭酸割りで食中に楽しむこともできますが、食後にゆっくりいただきたいプレミアムな一本です。
ロックでも、ソーダ割りでも!
ロックやソーダ割りでカジュアルに楽しめる紹興酒。高級感のある紹興酒はよく冷やしてからワイングラスに入れてゆっくり飲むのがオススメです。
中華料理をつくった日にはぜひ、紹興酒をあけてみてくださいね!