世界的に有名なカクテル。チェリーブロッサムが生まれた場所をご存知ですか?
なんとこのカクテルは日本の桜をイメージして、横浜で作られたものなんです。
今回は、チェリーブロッサムの歴史や作り方を徹底解説!様々なレシピがある中で、今回はブランデーを使ったレシピとジンを使用したレシピを紹介しています。
チェリーブロッサムとは?
チェリーブロッサムが考案されたのは大正時代。
日本発祥の、桜の花をイメージして作られたカクテルで、正式名称は「チェリー・ブロッサム・カクテル」です。
やや甘口で、チェリーのフルーティーな香りと、ブランデーのコクのある味わいが特徴のカクテルです。
チェリーブロッサムの味わい
カクテルの色は、日本の淡いピンクの桜というよりも、アメリカンチェリーのような鮮やかな色合いです。甘めのカクテルであるため、食後に楽しむのに適しています。
チェリーブロッサムはイギリスのバーテンダー、ハリー・クラドックによって編纂されたカクテルのレシピに関する書籍、「サヴォイ・カクテルブック」でも紹介されていることでも知られている世界的に有名な1杯。
この「サヴォイ・カクテルブック」は「カクテルブックの古典中の古典」と言われており、現在では日本語版も刊行されています。
この「サヴォイ・カクテルブック」に記載されたこともあり、チェリーブロッサムは横浜から世界へ広まり、世界中でも評価の高い、日本が誇るカクテルとなったのです。
なぜ横浜発祥なのか
横浜は江戸時代に開港されて以来、多くの外国人の住む、日本最大の貿易都市でした。そのため、国際交流が頻繁に行われ、横浜は海外文化をいち早く取り入れてきたとされています。BARもその当時、横浜に取り入れられた海外文化の中の1つ。
日本で1番最初に出来たBARは、横浜港近くの山下町と言われています。それ以来、街場のBARとホテルのBARが発展していきました。
考案者は横浜のバー「カフェ・ド・パリ」のオーナーの田尾多三郎さん。
「カフェ・ド・パリ」時代にチェリーブロッサムを発案し、その後田尾多三郎さんは伊勢崎町から常盤町へと店を移転し、店名を「パリ」に変更したのだそう。
横浜発祥の代表的なカクテル
横浜発祥の有名なカクテルはチェリーブロッサムだけではありません。港町には様々な西洋文化や人が行き交い、洋酒を使用するカクテル文化もいち早く浸透しました。
今でも横浜のオーセンティック(本格的な)バーでは、その街のバーテンダーの様々なオリジナルカクテルが楽しめることが多いです。
もしかすると、今後も横浜の街から新しいオリジナルカクテルが世界に向けて発信されるかもしれませんね。
ここでは3つの横浜発祥のカクテルを紹介します。
ミリオンダラー
横浜グランドホテルのバーテンダー、ルイスエッピンガー氏が1800年後半に考案した、ジンベースの景気の良い名前のカクテルです。
当時は、日本に輸入されて間もない「ボーズ・オールド・トム・ジン」が使用されていたと考えられています。味わいは、フルーティーで卵白の泡のなめらかな口当たりが特徴的。
「ミリオンダラー」という名前には「縁起の良い名前」「結婚を祝う」という意味があると言われています。
また、ミリオンダラーにはパイナップルのシロップが含まれているのですが、植民地時代のアメリカではパイナップルは高価な果物であったことから、このカクテルには「最高のおもてなし」という意味が含まれているようです。
作る機会があればぜひオールド・トム・ジンを使用して当時の情景を思い浮かべるのもいいですね。
バンブー
「ミリオンダラー」と同じくルイスエッピンガー氏が考案し、浜田昌吾さんが広めた黄金色のカクテルです。このカクテルは「竹のようにまっすぐで、クセがない」ことから「竹」を意味するバンブーと名付けられました。
ドライシェリー、ドライベルモット、オレンジビターズで作られる、辛口で日本酒に似た味わいが特徴です。
バンブーのベースとなったカクテルは諸説ありますが、「アドニス」と「マティーニ」の説が有力です。
ジャック・ター
横浜中華街のバー「ウィンドジャマー」のオリジナルカクテルです。
ラム酒をベースとしてサザンカンフォートとライムジュースを加え、フルーティーでなめらかな味わいのため、飲みやすいのですが、オリジナルレシピには度数が高いラム酒が使用されているため、意外にもアルコール度数は30~40度近くあります。
ベースにはロンリコ151というラム酒が使われているのですが、ロンリコ151のアルコール度数は75.5度あるため、アルコール度数を調節したい場合には通常のアルコール度数が40度ほどのラム種を使うのが良いでしょう。
ジャック・ターには「水夫」という意味があり、お酒好きの多い水夫のために作られたカクテルです。
チェリーブロッサム基本のレシピ
チェリーブロッサムは世界的に有名で、考案されてから時間が経っているということもあり、様々なレシピが存在しています。
しかし、日本で作られるチェリーブロッサムはブランデーを使用したものが一般的です。
ブランデーベースだけでなく、リキュールベースで作るチェリーブロッサムも有名なので、お好きな方をお選びください。お持ちのカクテルグラスのサイズによって、分量を変えてみるのもいいですね。
<材料>
チェリーブランデー・・・30ml
ブランデーまたはリキュール・・・30ml
オレンジキュラソー・・・2dash(約1ml / 1dash)
レモンジュース・・・2dash
グレナデンシロップ・・・2dash
これらの材料をシェーカーに入れ、シェイクしたら完成です。より甘口のカクテルにしたい場合はチェリーブランデーを増量してみてください。
お気に入りのカクテルグラスでお楽しみください。
ジンを使ったチェリーブロッサムのレシピ
欧米のチェリーブロッサムは日本とは少し異なり、ブランデーの代わりにジンを使用しています。
こちらのレシピの方が、卵白が使用されているので日本のレシピよりもマイルドな味わいのチェリーブロッサムが出来上がります。
<材料>
ドライ・ジン・・・30ml
ラズベリーシロップ・・・2dash(約1m l/ 1dash)
オレンジ・ビターズ・・・2dash
卵白・・・1個
これらの材料をシェーカーに入れ、強めにシェイクしたら完成です。卵白が入っているため、しっかり混ぜる(シェイクする)ことが美味しく作るポイントとなっています。
こちらのレシピは卵白の影響があり、カクテルの色合いが淡いピンクになるのが特徴。日本のレシピで作るチェリーブロッサムよりも日本の桜に近い色合いです。
チェリーブロッサムにおすすめブランデー
チェリーブロッサムには様々なお酒が入るため、高級なブランデーを必ずしも購入する必要はありません。以下では、ネットなどでも比較的購入しやすい、チェリーブロッサムにおすすめのブランデーをご紹介します。
アイビス XO
原産国はフランス。
コニャックをブレンドしており、バランスの良い味わいです。
値段も比較的安価であるため、多くのバーテンダーにも使用されています。
サントリーV.O
原産国は日本。
マスカット原酒を使用しているため、フルーティーな味わいと香りが楽しめます。
そのため、チェリーブロッサムのベースに適したブランデーと言えます。
ブラー グラン ソラージュ カルヴァドス
リンゴのブランデー「カルヴァドス」を使用してみるのもおすすめです。
2~5年熟成の原酒を使用しており、リンゴのフルーティーなアロマとオーク樽の熟成香が特徴。流通量が多く、比較的安価で手に入れることができます。
まとめ
日本発祥ということもあり、日本人の好みに合った味わいのカクテルとなっているチェリーブロッサム。鮮やかな色合いが特徴のカクテルなので、味覚だけでなく、視覚でも楽しむことができるでしょう。
材料さえあれば、自宅でも簡単に作ることができますので気になった方はぜひ作ってみてくださいね。