アメリカの中でも圧倒的な生産量を誇るカリフォルニア。世界的にも高く評価されていることから、年々価格が高騰している右肩上がりの生産地です。
今回はそんなカリフォルニアワインにフォーカスをあて、ソムリエの私がおすすめのワインをランキング形式で10本ご紹介します。さらに、カリフォルニアワインを含めたアメリカワインの現状や豆知識などもあわせて解説していきます。
今世界が注目する!アメリカワイン
アメリカで造られるワインのほとんどは、カリフォルニア産です。カリフォルニアの他にはオレゴン州、ワシントン州、ニューヨーク州などで造られています。
カリフォルニア州の面積は日本の国土よりも大きく、南はサンタバーバラ、北はナパやソノマといったワインの銘醸地がたくさんあることで知られています。世界的にも有名なのは、高級ワインがたくさん造られているナパ・バレーやソノマといった場所。
最近では「カルトワイン」と呼ばれる、ナパバレーを中心につくられる高価なワインが、世界中のワインラバーから注目されています。
カルトワインと呼ばれる超高価なワインは生産量が少なく、希少性が高いことと、ブランド化に成功したこともあり、年々価格が上昇しています。
世界がカリフォルニアワインに注目した理由
前時代では「ワインと言えばフランス!」という常識が流布していましたが、そんな常識を覆した一つの事件があります。
それが「パリ・ティスティング事件」。1976年にパリで開催されたブラインドテイスティング大会で、ナパのスタッグスリープのカベルネ・ソーヴィニョンとシャトー・モンテレーナのシャルドネが、フランスの名だたるワインをさしおいて1位に輝いたのです。
この事件をきっかけにカリフォルニアワインが国際的に評価されるようになりました。
カリフォルニアワインの特徴
カリフォルニアワインは、シャルドネなら樽熟成由来のバニラ香がするリッチな飲み口、カベルネなら迫力のあるフルボディタイプの赤ワインのイメージがありました。
もちろんそういった「カリフォルニアワインらしい」味わいも人気で、世界中にファンがいますが、近年、注目されているのはカリフォルニア産の「ピノ・ノワール」です。
ピノ・ノワールは、フランスのブルゴーニュをはじめとして世界中で栽培されているぶどう品種ですが、なかなかデリケートな性格で、土壌や天候に味わいが左右される難しいぶどう。しかし、カリフォルニアの中でも冷涼な気候のモントレーやソノマではピノ・ノワールの栽培に成功し、余韻の長いエレガントな作りのピノノワールが造られているのです。
2017年度には、ピノ・ノワールが1位のカベルネ・ソーヴィニョンに次いでカリフォルニアにおける黒ぶどうの栽培面積2位にまで上がりました。
カリフォルニアワインで使用されるぶどう品種
カリフォルニアワインで使用される主なぶどう品種は、白ならシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン。赤ならカベルネ・ソーヴィニョン、ピノ・ノワール、シラー、メルローと幅広く造られています。
中でも注目なのは、カリフォルニアの地ぶどうである「ジンファンデル」。ベリー系のジャムのように甘く、黒胡椒のようなスパイシーなアロマが特徴で、現地のみならず、世界中にファンがいます。
ステーキやポークチョップといったお肉料理との相性は抜群で、「肉を食うならジンファンデル!」という名言も現地にあります。
日本の市場にも多く出回っているので、ぜひ一度試してみてください。飲んでみたら「たしかにお肉と合いそうだ」と納得していただけるかと思います。
プロも注目する!おすすめのカリフォルニアワイン人気ランキングTOP10
10位:ナーリー・ヘッド オールド・ヴァイン ジンファンデル
まずは、お手頃な値段で本格的な味わいを楽しめる「ナーリー・ヘッド オールド・ヴァイン ジンファンデル」をご紹介。樹齢が50~80年のオールドヴァイン(古樹)からとれたジンファンデルを使用しています。
ジンファンデルらしい甘くてスパイシーな特徴がよく表れており、ジューシーなステーキなどにあわせるのがおすすめです。
9位:ナパハイランズ カベルネソーヴィニヨン
リッチでふくよか。存在感のある味わいでタンニンのアタックも強めな1本「ナパハイランズ カベルネソーヴィニヨン」。濃厚なソースのパスタやリゾット、炭火焼きのお肉料理と合わせたいワインです。
重量感のあるフルボディですが、厚みのある味わいと複雑なアロマのおかげで、不思議と飲み疲れしません。
8位:ベリンジャー ナパ・ヴァレー メルロー
130年続く老舗のワイナリー・ベリンジャーが発売する「ベリンジャー ナパ・ヴァレー メルロー」。リーズナブルなタイプから高価なものまで多様なラインナップを提供しています。
こちらのワインは、ナパで育ったメルローをフレンチオーク樽で14ヶ月熟成。プラムやブラックベリーといった完熟したフルーツのアロマを感じます。
バニラやナッツといった樽由来の香ばしいアロマがとても良いです。特に舌触りのなめらかさが素晴らしいです。
7位:アイアンストーン ジンファンデル
アイアンストーンがリリースする、カリフォルニアの地ぶどうを使ったフルボディのワイン「アイアンストーン ジンファンデル」。渋みはおさえられているフルボディですが、ジンファンデル特有の甘みが飲み込んだときにしっかりと感じます。
「ジンファンデル=お肉」といわれるように、こちらはポークチョップやビステッカと合わせて楽しんでみては?
6位:NV ロデレール・エステート カルテット ブリュット
世界的にも有名なシャンパーニュ「クリスタル」を手掛ける、ルイ・ロデレールがカリフォルニアで造った極上スパークリングワイン「NV ロデレール・エステート カルテット ブリュット」。
レモンや青りんごのニュアンスに、ヘーゼルナッツを感じる厚みのあるアロマ。綺麗にまとまったエレガントな仕上がりで、泡持ちも申し分ありません。
前菜から主菜まで通しで楽しめる一本です。
5位:シックス・エイト・ナイン ナパ・ヴァレー レッド
世界各国のステーキハウスがオンリストしている“THE お肉に合わせたいワイン”「シックス・エイト・ナイン ナパ・ヴァレー レッド」。5種類のぶどうをたくみにブレンドして作り上げた689は、ふくよかな飲み口でフィニッシュに甘みを感じるフルボディ。
ラムチョップや豪快なシュラスコとの相性は抜群です。ご自宅でステーキを焼く際には、ぜひこの1本を。
4位:ウェンテ ベイヤー・ランチ ジンファンデル
家族経営で5代続いている老舗のワイナリーが作る「ウェンテ ベイヤー・ランチ ジンファンデル」。自社畑で豊かに育ったジンファンデルは、スパイシーなアタックとジャミーな味わいでバランスが良く取れています。ミディアムボディで飲みやすさも◎。
ラズベリーのようなアロマが特徴的です。グリルしたお肉料理とペアリングして楽しんでみてください。
3位:ブレッド&バターシャルドネ
「ブレッド&バターシャルドネ」というユニークな名前の白ワイン。その名の通り、焼きたてのパンのような香ばしい酵母の香りと、バターやバニラエッセンスを感じるリッチなアロマが特徴です。
一言でいうならば「クレームブリュレ」の匂い!
樽の香りと焦がしたバターのようなニュアンスにハマるひと続出です。カルボナーラやドリア、かぼちゃを使ったクリーミーな料理と相性は抜群!!
2位:ダックホーン デコイ・メルロー
ワインスペクテーター誌の年間トップ100ワインで1位に輝いたことのある、ダックホーンが手掛けるセカンドライン「ダックホーン デコイ・メルロー」。現在はひとつのブランドとして確立していて、安定した品質で高評価を受けています。
口当たりのまろやかさと芳醇な香りは価格以上のクオリティ。リッチな夜を過ごしたいときに、セレクトして欲しい1本です。
1位:シャトーモンテレーナ ナパヴァレー シャルドネ
今回1位に選出したのは「シャトーモンテレーナ ナパヴァレー シャルドネ」。カリフォルニアワインを世界に広めるきっかけにもなった、伝説のワイン。
カリフォルニアのシャルドネらしい黄金色の色調と芳醇なアロマ。これを飲まずしてカリフォルニアワインは語れません!ワインファンにはぜひ1度飲んで欲しい1本です。
泡も白も赤も!特級レベルに美味しいカリフォルニアワインに注目
カリフォルニアワインは、評価が非常に高いことから年々相場が上がってきています。今後より値段があがっていくワイナリーも少なくないでしょう。
エレガントなピノ・ノワール、迫力のあるカベルネ・ソーヴィニョン、余韻の長いシャルドネ、甘くてスパイシーなジンファンデル…と紹介したいワインは山程あります。
どのワインコーナーにもカリフォルニアワインはおいてあると思うので、ぜひこのランキングを参考にいろいろと飲んでみてください。