高級クラブやホストクラブのイメージが強く、一般人では手が出せないような高い価格のお酒という印象があるドンペリ。
高級シャンパンの代名詞でもあるドンペリの種類や価格帯、そしてなぜこんなにも高いのか、誕生秘話も含めてその理由に迫ります。
お手頃価格で手に入るドンペリも紹介しますので、ぜひチェックしてみてください!
ドンペリは価格の高い「高級シャンパン」
ドンペリは、世界的にも有名な高級シャンパン「ドン・ペリニヨン」のことを指します。
「発泡性のワイン=シャンパン」だと思っている方も多いかと思いますが、実はこれは間違い!!
シャンパンは“フランスのシャンパーニュ地方で造られている、かつブドウの種類や醸造方法など定められた規定をクリアしたもの”が名乗ることのできる名称なんです。
さらに、ドンペリは、シャンパンの中でも特に品質の良いブドウが採れた年のみに作られ、長期熟成が必要であるというとても特別なシャンパンです。
そのため、希少価値が高く、あまり市場にも出回らないことから価格が高くなり、高級シャンパンの代名詞としてドンペリが有名となっていったのです。
種類別ドンペリの価格まとめ
さて、高級シャンパンの代名詞ともなっているドンペリですが、実は頑張れば手の届くドンペリもあることをご存知でしょうか?
今回はお手頃価格なドンペリから、ドンペリらしい高価格なもの、さらに最も価格が高いドンペリまでまるっとご紹介します!!
【お手頃価格】ドンペリニヨン 白
1番お手軽価格なドンペリは、白のドンペリニヨンです。
14000円~22000円ぐらいの価格帯で、平均価格はだいたい2万円ほどです。
熟成期間は7年、生産量も比較的多く入手しやすいため、お手軽価格で取引されています。
味わいとしては酸味が強く、意外にも辛口。
しかしドンペリの凄さは酸素に触れ、時間をかけて飲むことで味や風味が驚くほど変わるところなんです。
ドンペリ本来の良さを味わいたいのなら冷蔵庫で冷やしすぎず、少人数でじっくりと楽しんでみてくださいね。
【光るドンペリでお馴染み】ドンペリニヨン ルミナス
ルミナスは「光るドンペリ」としてお馴染みで、パーティーやイベントの会場を華やかに飾ることができるドンペリです。
瓶の底にライトがついており、そのスイッチを入れて点灯することでドンペリが光る仕組みです。
中身は比較的手にしやすい価格のドンペリ白やロゼと同じであることが多く、価格も2万円~6万円ほどで取引されています。
パーティーだけでなく、お部屋のインテリアとして飾ることもできますので、気になる方は一度手にとってみてはいかがでしょうか?
【中価格帯】ドンペリニヨン ロゼ 2005
ドンペリニヨン ロゼ は「ピンドン」という愛称で人気となっている可愛らしい桃色のシャンパンです。
だいたい35000円ぐらいの価格のものが多いですが、高いものだと6万円するものもあります。
シャルドネだけでなく黒ブドウも使用しているため、通常のドンペリが熟成期間が8年なのに対し、ロゼは10年もの熟成期間をかけて出荷されます。
オレンジのような爽やかな苦味と、スパイシーで刺激的な味わいを楽しめるんだそう。
しかしドンペリシリーズらしく、全体的なバランスが良く、長い余韻を楽しめる1本に仕上がっています。
【高価格帯】ドンペリニヨン P2
ドンペリニヨン P2は、黒のラベルが貼られていることから「ドンペリ黒」あるいは「ブラックドンペリ」とも呼ばれており、お手頃価格のドンペリと比べると少し価格が高いドンペリです。
価格は3万円から10万円のものが多く、平均小売価格は9万円ほどと言われています。
「思春期の若さと熟成を持つ」と表現されるほど、フレッシュさと熟成感が混ざった複雑な味わいが特徴で、人気なドンペリの1つでもあります。
ちなみに、「P2」の「P」は「熟成(Plenitudes)」を意味し、「2」は「2度目の熟成のピーク」のことを表しています。
ドンペリには熟成のピークが3度あると言われており、1度目は8年、2度目は15年、3度目は25年とされているんですよ。
【ヴィンテージものは超高価格!?】ドンペリ エノテーク
エノテークは「ドンペリ プラチナ」とも呼ばれる、P2よりも少し価格が高いドンペリです。
1998年以降、エノテークは後継品の「ドンペリニヨン P2」として販売されるようになっため、現在流通しているエノテークはどれも古く価格が高いものも多いのです。
現在公式では取り扱いされていないので定価などはありませんが、5万円~10万円ほどで取引されていることが多いようです。
中には、30年以上熟成された数十万円を超えるヴィンテージものもあるそうですよ!
【さらに豪華な高価格】ドンペリニヨン レゼルヴ ド ラベイ
「ドンペリニヨン レゼルヴ ド ラベイ」は金色のラベルが貼られていることから「ドンペリゴールド」とも呼ばれているドンペリです。
安いボトルで8万円、高いボトルではなんと20万円を超えるドンペリもあるようです。
約20年間、特別なセラーで最高の熟成を経て世に出るため、その高い品質と希少性から人気の高いドンペリでもあります。
P2やエノテークと比べるとさらに熟成期間が長いため、より深い熟成感や繊細な泡の感触を楽しむことができるんだそう。
【これぞドンペリ価格!】ドンペリニヨン P3 ヴィンテージ
「ドン・ペリニヨン P3 ヴィンテージ」は、3度あるドンペリ熟成ピークのうち最長の25年以上の熟成期間を経て出荷された最高価格帯のドンペリです。
P3の価格はブドウの品質や製造年によって変動するため年によって価格が変わります。
ブドウが高品質であるほど、製造年が古いほど高価格になっていきますよ。
安くても30万円以上するものが多く、これぞドンペリ価格!と思わず言ってしまいそうなドンペリですね。
【入手不可能?】ドンペリニヨン ホワイトゴールド
世界限定100本しか生産されていない最高価格のドンペリです。
価格はなんと170万円以上。
最高の当たり年と言われる1995のヴィンテージボトルで、ボトルにはホワイトゴールドが使用されています。
見つけることすら難しい、幻のドンペリです。
実は世界最高価格のシャンパンではドンペリではない…?
とっても価格が高いイメージのあるドンペリですが、実は世界最高価格のシャンパンはドンペリではないことをご存知でしょうか。
世界で最も高いと言われるシャンパンはグー・ド・ディアモンのテイスト・オブ・ダイヤモンズというシャンパンで、なんと、日本円で2億5000万円にも相当する超高級価格のシャンパンです。
もちろん中身も高品質ですが、グー・ド・ディアモンは特にボトルの装飾が美しく、有名なデザイナーがデザインしたボトルに19カラットのダイヤモンドが埋め込まれているんです。
ボトルで2億5000万円ですから、グラスで飲んだとしても1杯3500万円もしてしまいます。
とても高くてグラスですら手が出ない一品ですが、機会があれば1度くらい飲んでみたいですね…!!
ドンペリの価格はなぜ高い?
ここまで様々な種類のドンペリを見てきましたが、どれも気軽に飲もうとするには高いものばかりです。
なぜ、ドンペリはこんなにも高いのでしょうか?
もちろん圧倒的なブランド力を誇っていることに間違いはありませんが、実は他にも理由があるのです。
かなり手間のかかる製法
ドンペリは全てヴィンテージシャンパンと呼ばれるもので、1番お手頃な「ドン・ペリニヨン ヴィンテージ」であっても7年も熟成されます。
さらに価格が上がるごとに年月をかけて熟成が行われます。
そもそもシャンパンは、製造工程にも相当な手間がかかっています。
しかも、ドンペリの場合はそれに加えて熟成に多くの時間をかけているため、その分値段が高くなるのです。
また熟成期間が長ければ長いほど生産量が少なくなり希少性が高くなるため、1本数十万もの高値で取り引きされるなんてこともあるんです。
途中でドンペリの熟成期間に触れましたが、ドンペリには3度の熟成ピークがあり、1度目は8年、2度目は15年、3度目は25年に熟成のピークが来ると言われています。
そのため、熟成期間について、お手頃価格のドンペリは8年間、P2は15年、P3は25年と長くなるほど、その分価格が高まっていくことが見てとれるのではないでしょうか。
ブドウの収穫年が限られている
一般的なシャンパンは品質を安定させるために、様々な年に収穫されたブドウで造られたワインを混ぜています。
しかしドンペリは1年間で収穫されたブドウしか使用しません。
そのため、その年のブドウの出来によって生産量も左右されるのです。
なんとブドウの出来を見て生産しない年もあるんだとか。
だからこそ通常のシャンパンよりも手間や労力がかかり、値段が上がる傾向があります。
ドンペリは、ホストクラブや高級なバーで飲まれるために高いのでは?と考えてしまいがちですが、実は製法や原料にもとてもこだわった高品質なシャンパンなのです。
クセが少なく万人受けする味わいのため、日本では国賓を招く宮中晩餐会の乾杯酒にも採用されています。
ブランド力だけではなく、実力も認められているからこそ、ここまでの人気を誇っているんですね。
価格の高いドンペリの誕生秘話
さて、お手頃価格のドンペリやドンペリの価格が高い理由まで紹介したところで、今まで雲の上の存在だったドンペリが少し身近に感じられるようになってきたのではないでしょうか。
ここでは、もっとドンペリを知っていただくために、ドンペリの誕生秘話をご紹介します。
ドンペリの誕生にはシャンパンの発展が深く関わっていますので、ドンペリを詳しくご説明する前に、まずはシャンパンの誕生について少し解説していきましょう。
●シャンパンの生みの親「ドン・ピエール・ペリニヨン」
シャンパンの誕生に大きく貢献した人物がベネディクト会の修道士「ドン・ピエール・ペリニヨン」です。
17世紀のフランスシャンパーニュ地方は、赤ワインの産地として知られていました。
しかし、寒冷なシャンパーニュ地方では、樽で保管しているワインが秋に発酵が止まり、春に再発酵する「2次発酵」という現象による泡の発生が悩みの種だったそう。
そこで立ち上がったのがドン・ピエール・ペリニヨン。
彼はこのワインの2次発酵を抑えるために尽力、また、恵まれた気候のブルゴーニュ地方の赤ワインには、シャンパーニュ地方に赤ワインでは対抗できないと判断し、良質な白ワインの生産に邁進したそうです。
第一に、彼は再発酵しにくい黒ブドウから白ワインを作り出す圧搾機を開発し、白ワインでも泡の発生が起きにくくする技術を確立することに成功。
さらに、ガラス瓶やスペイン産の“コルク栓”を使用することで空気に触れにくくしたり、気候条件によってワインの味が左右されないように異なる畑や品種、年に造られたワインを調合して毎年同じ味のワインにする研究も実施。
石灰岩の地盤に地下倉設備を作らせ、1年中一定の温度でワインの熟成ができるような環境作りにも貢献したのです。
このような彼の努力のおかげで、シャンパーニュ地方はフランスで1番の白ワイン産地へと成長したのでした。
しかし、彼の並々ならぬ努力をもってしても約10%ほどの確率で泡のある白ワインが生産されてしまいました。
●発泡性の白ワインがシャンパンの原形に!
ですが、この発泡性の白ワインこそが現在のシャンパンの原形だと言われているのです。
発泡しない白ワインの生産を目指したドン・ピエール・ペリニヨンの思いとは裏腹に、発泡性の白ワインが輸出先のイギリスの貴族たちの間で話題になります。
というのも、当時貴重だった白ワインの中で10%しかない発泡性の白ワインは、逆に超貴重なものと捉えられたそうなんです。
彼が発泡性の白ワインを目指したわけではありませんが、彼が非発泡性の白ワインの開発をしたからこそ生まれたシャンパン。
その功績を称え、フランスの有名シャンパンメーカー「モエ・エ・シャンドン(Moët et Chandon)」が最高級シャンパンに「ドン・ペリニヨン」と名付けました。
このような歴史があって、最高級シャンパン「ドンペリ」が世の中に出回るようになったのです。
特別な日に憧れのドンペリを飲んでみてはいかが?
なんだか遠い存在だったドンペリも歴史や高価格な理由を知るだけで少し身近な存在になったのではないでしょうか。
もちろん、簡単に買える価格帯のものではありませんが、プレゼントや自分へのご褒美に贈ってみるのはアリかも…!?
一度は飲んでみたい憧れのお酒、ぜひ特別な1日に味わってみてはいかがでしょうか。