カクテルの定番「カシスオレンジ」に使うカシスリキュールや、「ファジーネーブル」に使うピーチリキュールなど、カクテルで使用されることの多い「リキュール」。
最近ではカクテルの他、リキュールを使ったアレンジをするチューハイやサワーも増えてきていますよね。
メジャーなリキュールは知っているけれど、他にどんなリキュールがあるのか、どんなカクテルが作ることができるのか、詳しく知っている方は少ないかと思います。
そこで今回は、お酒のプロがオススメのリキュールをランキング形式で10本ご紹介。美味しいカクテルも一緒に解説していきます。
リキュールとは?
酒類は、大きく3つに大別されます。
ウィスキーやブランデー、ジン、ウォッカ、テキーラ、ラムなどの「蒸留酒」。ワイン、ビール、日本酒などの「醸造酒」。そして、蒸留酒や醸造酒をベースに果実やハーブを混合して糖分を加えた「混成酒」。リキュールはこの「混成酒」に分類され、様々な果物や草根木皮を使って、現在では多種多様のリキュールが造られています。
リキュールは、元々は中世ヨーロッパでハーブを原料に薬酒が造られていたのが発祥と言われています。そこから次第に果実やスパイス、砂糖などを混ぜて造るようになり、嗜好品として世界中に広まっていきました。
リキュールの楽しみ方
リキュールは、カクテルの材料になるのはもちろんですが、料理のソース作りにもお菓子作りにも使えるため、その用途は実に幅広いです。
例えば、カシスリキュールは鴨肉のメイン料理のソースに使ったり、紅茶リキュールはパウンドケーキやクッキーを焼くのに使うと風味が立ってよりおいしく仕上がります。
ストレート、ロック、炭酸割り...正解はない!
リキュールと一言で言っても、様々な原料で造られているため、リキュールによって飲み方が変わります。
例えば、ストレートはリキュール本来の味わいが楽しめる最もシンプルな飲み方です。ハーブ系のリキュールなどは、ストレートで製品そのものの味わいをしっかりと味わうのも1つのおすすめです。
その他、甘味が強いリキュールはソーダ割りで飲んでみたり、ロックスタイルで徐々に氷を溶かしながらゆっくり時間をかけて楽しんでみたりと、リキュールの飲み方に正解はありません。
そのリキュールの味わいや特徴に合わせて、飲み方を研究するのも、ひとつの楽しみなのです。
黄金の組み合わせ!?「モー二」スタイルとは
有名なカクテルの1つに「スプモーニ」というカクテルがあります。
スプモーニは、薬草やハーブで造られたイタリアのリキュール「カンパリ」をベースに、グレープフルーツジュースとトニックウォーターを1:1で割ったカクテルです。さっぱりした飲み口で非常に人気なのですが、この「グレープフルーツジュースとトニックウォーター」で作られるカクテルは「モー二」と呼ばれ、様々なヴァリエーションが楽しめるのです。
モーニスタイルのカクテル
・ディタ(ライチリキュール)+グレープフルーツジュースとトニックウォーター=ディタモーニ
・スーズ(リンドウの根を使ったハーブリキュール)+グレープフルーツジュースとトニックウォーター=スーズモーニ
・サザンカンフォート(フルーツリキュール)+グレープフルーツジュースとトニックウォーター=ソコモーニ
・パッソア(パッションフルーツリキュール)+グレープフルーツジュースとトニックウォーター=パッソアモーニ
・プルシア(プラムのリキュール)+グレープフルーツジュースとトニックウォーター=プルシアモーニ
このように、グレープフルーツジュースとトニックウォーターの相性はとても良く、様々なリキュールでアレンジが可能なので、覚えておくと便利ですよ!
オススメカクテルレシピも一緒にご紹介!美味しいリキュールランキング
10位:コカレロ
まずは、南米からやってきた「コカレロ」をご紹介。コカインの原料となる「コカの葉」をベースに造られたリキュールです。コカインと聞くと不安に思う方もいるかもしれませんが、もちろん合法なのでご心配なく。
ほんのりと苦味を感じますが、甘くて飲みやすいリキュールです。キンキンに冷やしてストレートで飲むのがシンプルで美味しいですが、度数は29%あるので飲み過ぎには注意が必要です。
おすすめカクテル:コカレロトニック
コカレロ 1:トニックウォーター4の割合で割るだけで完成。カットライムを搾ると爽やかな味わいになります。
9位:イエガーマイスター
ドイツで生まれたハーブリキュール「イエガーマイスター」も、定番のおすすめリキュール。サフランやシナモンの皮、ジンジャーなど56酒類の薬草やハーブをブレンドしたリキュールです。度数は35%と高め。
冷やしてストレートで飲むのが現地流ですが、ロックスタイルでちびちび飲むのも◎。レモンを搾るだけで味わいが一気に爽やかになるので、柑橘系の果実との相性はとても良いです。
おすすめカクテル:イエガーマイスターソーダ
イエガーマイスター1:ソーダ4の割合で割るだけで完成。
カットレモンを搾って爽やかに。
8位:パルフェタムール
お次は、キレイな紫の色調が目を引く「パルフェタムール」をご紹介。柑橘系の果実をベースに、すみれとバラの花びらで香り付けされたリキュールです。そのエレガントな香りと上品な紫の色合いから「飲む香水」と呼ばれています。
パルフェタムールはフランス語で、英語に訳すと「Perfect Love」。つまり「完璧な愛」という意味があります。炭酸で割ってレモンを搾ると「ヴァイオレットフィズ」という昔から愛されているカクテルになります。
おすすめカクテル:ブルームーン
ジン30ml、パルフェタムール15ml、レモン汁15mlをシェイカーに入れてシェイク。カクテルグラスに注げば完成。
ジンの香りとパルフェタムールの香りが感じられる、とても美味しいカクテルです。
7位:スーズ
フランスで生まれたゲンチアナというリンドウ科の植物の根っこを使ったリキュール、「スーズ」。
このリキュールには消化を促進する効果があり、フランスでは食前酒として親しまれています。あの世界的芸術家であるピカソが愛したリキュールとしても知られています。
おすすめカクテル:スーズギムレット
スーズ45ml、ライムジュース15mlをシェイカーに入れてシェイク。カクテルグラスに入れれば完成です。
スーズのほろ苦さと、ライムの爽やかな香りがたまりません。
6位:ミスティア
「ミスティア」は、南フランス原産のマスカットを主原料に、オレンジフラワーを使用した爽やかなリキュール。マスカットの香りがとても良く、度数も15%と控えめなので、女性にも人気のお酒です。
ミスティアは、やはりロックスタイルで飲むのがオススメ。マスカットのアロマを存分に楽しんでください。
おすすめカクテル:ミスティアモーニ
ミスティア2:グレープフルーツジュース1:トニックウォーター:1の割合で割るだけで完成。
爽やかな風味と、グレープフルーツ、トニックのほのかな苦味が癖になる人気のカクテルです。
5位:ディサローノアマレット
「アマレット」はアンズの種の核からつくられるリキュールです。香りはまるで杏仁豆腐。
いろんな組み合わせができますが、ジンジャエールとカットライムで仕上げる「アマレットジンジャー」は定番で美味しいカクテル。食後酒としてロックスタイルで飲むのもオススメです。
おすすめカクテル:ホワイトスワン
アマレット1:牛乳を2の割合でシェイク。ここに少しだけ生クリームを入れると、よりクリーミーな味わいになって美味しいです。
仕上げにシナモンパウダーをかけると更に至高な味わいに。
4位:サザンカンフォート
アメリカのニューオーリンズで生まれた「サザンカンフォート」は、オレンジやピーチ、レモンやスパイス、ハーブを数十種類ミックスされたリキュールです。
「Southen Comfort」の頭文字をとって「SOCO」の相性で世界中で飲まれている人気のお酒。コーラで割ってもトニックウォーターで割っても美味しいです。
おすすめカクテル:スカーレット・オハラ
サザンカンフォート30ml、クランベリージュース20ml、レモン汁10mlをシェイカーに入れてシェイク。さっぱりとした飲み口で度数も控えめです。
3位:パッソア
パッションフルーツの果実味を存分に感じられるフランス生まれのリキュール「パッソア」。パッションフルーツ由来のトロピカルなフレーバーが人気です。
オレンジジュースやパイナップルジュースと合わせて、その場にあるフルーツをカットして飾れば、家にいても南国気分が味わえます。
おすすめカクテル:パッソア・ハイビスカス
パッソア1:ハイビスカスティー2:グレープフルーツジュース1の割合で混ぜ合わせれば完成お好みのフルーツをグラスに飾ってください。
2位:カンパリ
世界中で愛されている王道のリキュール「カンパリ」。イタリア生まれのハーブリキュールです。
食前、食中どちらでもおいしく飲めるさっぱりとした飲み口とほろ苦い味わいが幅広い世代に人気。シンプルにソーダ割りでレモンをきゅっと搾るのが美味しいです。
おすすめカクテル:スプモーニ
カンパリ1:グレープフルーツジュース2:トニックウォーター2の割合で混ぜ合わせる、定番中の定番カクテル。
さっぱりした飲み口で幅広い世代に人気のカクテルです。
1位:ディタ
1位に選出したのは、ライチリキュールの「ディタ」。ライチの高貴な甘い香りが特徴で、ディタをベースに作るカクテルは多種多様でどれもおいしく仕上がります。
グレープフルーツジュースやオレンジジュースと割ると好相性。
おすすめカクテル:チャイナ・ブルー
ディタ30ml、ブルーキュラソー15ml:グレープフルーツジュース45mlを混ぜ合わせてシェイク。これにトニックウォーターを加えると、より爽やかな味わいに仕上がります。
いろんなリキュールを揃えてカクテルを楽しもう
リキュールの良いところは楽しみ方にバリエーションがあること。レシピ通りに作るのが飽きてきたら、材料をいろいろ使ってオリジナルレシピを開発するのも楽しみの1つ。是非ご家庭でも試してみてください。