緑色が美しい「グラスホッパー」は甘くて飲みやすいカクテルですが、アルコール度数が高いため飲み過ぎには気をつけなければなりません。
いったいどのようなカクテルなのか、味や飲み方、由来や歴史などを解説します。
また、レシピやグラスホッパーを作るときにおすすめの銘柄も解説しますので、自宅で作ってみたい方は必見です。
カクテル「グラスホッパー」とは
グラスホッパーは淡い緑色がとても美しいショートカクテルです。淡い緑色は、ミントリキュール由来のもので、生クリームと混ざることによって不透明で淡い緑色になります。
食後に飲む食後酒(アフター・ディナー・カクテル)に分類される甘めのカクテルです。
グラスホッパーの味の特徴
グラスホッパーでは、ミントリキュールの他に生クリーム・カカオリキュールが使われています。そのため、グラスホッパーにはミントリキュールのスーッとした清涼感とカカオリキュールのチョコレートのような風味があり、まるでチョコミントのような甘くてさっぱりとした味わいが楽しめるのです。
また、生クリームで口当たりがまろやかになっているため、非常に飲みやすいカクテルです。
グラスホッパーのアルコール度数は15度
グラスホッパーのアルコール度数は、一般的なレシピで約15度。
グラスホッパーに含まれている材料の2/3がリキュールなので、その分アルコール度数が高くなっています。飲みやすいからとついつい飲み過ぎてしまうと危険ですので、飲み過ぎないようにしましょう。
グラスホッパーのカロリーはおおよそ205kcal
グラスホッパーのカロリーは、おおよそ205kcalとなっています。生クリームを使用しているせいかカクテルの中でもかなりカロリーは高い部類に入ると言えるでしょう。
ダイエット中の場合、アルコールのカロリーは100~200kcalまでにとどめておくのが良いとされていますが、グラスホッパーはそれを上回るカロリー量となっています。
ダイエット中の方はよく考えて飲むことをおすすめします。
グラスホッパーの名前の由来
グラスホッパーは、直訳すると「芝を跳ねる者」という意味になり、海外では昆虫の「バッタ」や「キリギリス」といった跳ねる緑色の昆虫をグラスホッパーと呼びます。
グラスホッパーカクテルは、バッタやキリギリスのように淡い緑色のため、この名前がつけられました。
グラスホッパーの歴史について
グラスホッパーは誕生当時と今では作り方が異なります。
グラスホッパーが誕生した当時は、味ではなく見た目を重視するカクテルだったため、今のように全ての材料が混ざっているのではなく、生クリーム・カカオリキュール・ミントリキュールの3層に分かれていました。
しかし、次第にシェイカーで全ての材料を混ぜ合わせる作り方が定着してきたため、現在では淡い緑一色のカクテルとなっています。
もちろん、見た目が重視されなくなったわけではなく、今でもその美しい見た目は人々を惹きつけています。
また、グラスホッパーは作り方が変わるにつれカクテルタイプも変わってきました。
3層になっていた頃は時間をかけて楽しむロングカクテルでしたが、今ではシェイクの影響で早く飲みきる必要があるショートカクテルに変化しています。
以前と比べるとレシピも異なります。
3層にするには、それぞれの材料を同じ比率で加えなければなりませんでしたが、シェイクによってその必要がなくなったため、今ではレシピをアレンジできるようになりました。
グラスホッパーのカクテル言葉・意味
グラスホッパーのカクテル言葉は「喜び」ですが、ベースとなっている「ミントリキュール」のミントの花言葉「燃え上がる恋」「かけがえのない時間」にかけて、「あなたに会えて嬉しい」などのアプローチの意味も含まれています。
素敵な出会いを感じさせるカクテルですね。
グラスホッパーの美味しい飲み方を解説
グラスホッパーは、食後酒(アフター・ディナー・カクテル)の代表とも言えるカクテルですので、まずはデザート代わりに楽しむのがおすすめです。
食事の後であれば、アルコールが比較的回りにくいので酔わずに味わえますよ。
美味しいグラスホッパーの作り方・レシピ
グラスホッパーの作り方
材料
・ミントリキュール(グリーン) 20ml
・カカオリキュール(ホワイト) 20ml
・生クリーム 20ml
材料をシェイクし、グラスに注いで完成です。
基本的に分量は全て1:1:1ですが、生クリームの量を減らしてミントリキュールを増やしでも構いません。お好みの味になるよう色々試してみると良いでしょう。
グラスホッパーの材料
ミントリキュールの選び方・おすすめの銘柄
ミントリキュールは、およそ18世紀ごろにジェット兄弟がフランスで作り出したリキュールで、ミントの爽やかな香りが特徴です。
ミントリキュールには緑色に着色されたものと着色されていない白色のものがあります。
グラスホッパーを作る際は、緑色のミントリキュールを使用しましょう。
ミントリキュールの中でも、最も有名なのが代表格とされているバカルディの「ペパーミントジェット27」です。ジェット兄弟がフランスで作り出したミントリキュールで、元祖とも言える銘柄です。
カカオリキュールの選び方・おすすめの銘柄
カカオリキュールは、カカオ豆を焙煎してアルコールと一緒に蒸留させたリキュールです。
チョコレート色に着色したもと、着色せずにシロップを加えてバニラの香りをつけたホワイトカカオの2種類があります。
一般的に知られているのはチョコレート色のカカオリキュールですが、グラスホッパーを作る際は、無色のホワイトカカオリキュールを使います。
ホワイトカカオリキュールの銘柄はいくつもありますが、中でも有名な銘柄の1つに、大手リキュールメーカー・ボルスの「クレーム・ド・カカオホワイト」があります。
クレーム・ド・カカオとは、糖分が1リットルあたり250g以上含まれているカカオリキュールのことを指しており、この条件をクリアしていないとクレーム・ド・カカオとは呼べません。
ボルスの「クレーム・ド・カカオホワイト」は、もちろんその条件を超えたものとなっており、甘みが強く、グラスホッパーを作る際にぴったりです。
グラスホッパー以外のミントリキュールを使ったカクテル5選
◯ミント・フラッペ
材料
・ミントリキュール(グリーン) 30ml
・クラシュ ド アイス 適量
作り方
クラシュ ド アイスを詰めたグラスにミントリキュールを注ぎ、ストローとミントの葉を飾って完成です。
ミントフラッペは、カキ氷のようなミントリキュールのカクテルです。
見た目が爽やかで美しく、真夏の夕暮れにぴったりですね。
◯ミント・ビア
材料
・ビール 105ml
・ミントリキュール(グリーン) 15ml
作り方
氷の入ったグラスにビールを注ぎ、ミントリキュールを加えて軽く混ぜれば完成です。
ミントビアはミントの爽やかさとビールの苦味が絶妙なカクテルです。食前・食中・食後に関係なく楽しめるオール・デイ・カクテルなので、好きなタイミングで飲むことができます。
◯モッキンバード
材料
テキーラ 30ml
ミントリキュール(グリーン) 15ml
ライムジュース 15ml
作り方
材料をシェイクし、グラスに注いで完成です。
モッキンバードは、北米大陸南部に生息している他の鳥の鳴き声を真似する「ものまね鳥」の名前がついたカクテルです。ものまね鳥が生息しているメキシコのお酒・テキーラがベースとなっていることからこの名前がついたと言われています。
◯アレキサンダーズ・シスター
材料
・ジン 30ml
・ミントリキュール(グリーン) 15ml
・生クリーム 15ml
作り方
材料を入れシェイクしてグラスに注げば完成です。
アレキサンダーズシスターは、ブランデーベースのカクテル・アレキサンダーのバリエーションの1です。クリーミーな味とミントの爽やかな香りが特徴で、女性からの人気が高いカクテルです。
◯青い珊瑚礁
材料
・ジン 40ml
・ミントリキュール(グリーン) 20ml
・マラスキーノチェリー 1個
・砂糖 適量
作り方
ジンとミントリキュール、砂糖をシェイクし、グラスに注ぎます。
最後にマラスキーノチェリーを沈めて完成です。
青い珊瑚礁は、ミントとジンの風味が感じられる甘口のカクテルです。
1950年に行われた「第2回オール・ジャパン・ドリンクス・コンクール」で優勝したカクテルで、珊瑚礁の美しさが表現されています。
■カカオリキュールを使ったカクテル5選
◯ムーングロー
材料
・カカオリキュール(ホワイト) 20ml
・ドランブイ 20ml
・生クリーム 20ml
作り方
材料をシェイクし、グラスに注いで完成です。
ムーングローは甘口のカクテルですが、アルコール度数が25度とかなり度数のあるお酒です。飲み過ぎには注意しましょう。
ムーングローでは、ハーブ系のリキュール・ドランブイを使用しています。甘さの中に、ほのかにハーブの香りを楽しめるでしょう。
◯ゴールデンキャデラック
材料
・カカオリキュール(ホワイト) 20ml
・ガリアーノリキュール 20ml
・生クリーム 20ml
作り方
材料をシェイクしたらカクテルグラスに注いで完成です。
ゴールデンキャデラックは、アメリカの高級車「キャデラック」をイメージしたカクテルで、食後におすすめの甘めのカクテルです。
イタリアの薬草系リキュール「ガリアーノ」をしているので、美しい黄金色になっています。
◯バーバリー・コースト
材料
・スコッチウィスキー 15ml
・ラム 10ml
・ジン 10ml
・カカオリキュール(ホワイト) 15ml
・生クリーム 10ml
作り方
材料をシェイクし、グラスに注いで完成です。
バーバリー・コーストでは、スコッチウィスキーやラム、ジンなどを使用していますが、クリームやカカオリキュールのおかけがで非常に口当たりがまろやかになっています。
今回のレシピとは別に、ラムを加えずスコッチウィスキー・ジン・カカオリキュール・生クリームを均等の分量でシェイクするレシピもあります。
◯アレキサンダー
材料
・ブランデー 30ml
・カカオリキュール(ブラウン) 15ml
・生クリーム 15ml
作り方
ブランデー・カカオリキュール・生クリームをシェイクし、グラスに注ぎます。
あらかじめすりおろしておいたナツメグをふりかけて完成です。
アレキサンダーは、イギリス国王エドワード7世が王妃アレクサンドラに捧げたカクテルと言われています。食後向きのカクテルとして親しまれています。
◯キング・アルフォンソ
材料
・カカオリキュール(ブラウン) 45ml
・生クリーム 15ml
作り方
グラスにカカオリキュールを注ぎ、生クリームを浮かせて完成です。
キング・アルフォンソは、カカオリキュールと生クリームが2層になったカクテルで、このように層になっているカクテルをプース・カフェ・スタイルと呼びます、
キング・アルフォンソとは、スペインの国王アルフォンソ13世のことをさしています。
■まとめ
カクテル・グラスホッパーは淡い緑色が美しい甘いカクテルです。
チョコミントのようで飲みやすいですが、度数が高くアルコールに弱い場合は飲みすぎないように注意しましょう。
ミントリキュール・カカオリキュール・生クリームの3種類を用意するだけで、簡単に作れますので、ぜひ自宅でも作ってみてください。