澄み切った空のような美しい色合いが魅力のカクテル「スカイダイビング」。スカイダイビングをヒントに日本人バーテンダー渡辺義之さんが考案したもので、全日本バーテンダー協会のカクテル・コンペティションで優勝したカクテルです。
今回は名作カクテルと称されるスカイダイビングの魅力を余すことなくご紹介いたします。
「スカイダイビング」とは
スカイダイビングとは、鮮やかな青色が目を引くカクテルです。涼しげな見た目なので、夏のシーズンにオーダーする人が多いですね。
スカイダイビングってどんなお酒?
スカイダイビングは南国のイメージがありますが、考案したのは当時、日本の大阪に住んでいたバーテンダーの渡辺義之さん。
なんと、1967年に開催された「全日本バーテンダー協会カクテルコンペティション」優勝作品なのです。
アルコール度数が15~25%以上と高いカクテルですが、ハッカのようなさわやかさと、ほどよい甘さが人気を集めています。
スカイダイビングの味の特徴
爽やかな青い色が印象的なスカイダイビングですが、味は柑橘系でスーッとする清涼感があります。これは、ライムジュースとオレンジリキュールを青く着色したブルーキュラソーを使用しているからです。
ブルーキュラソーは甘いようで苦みのある香りが特徴で、ライムのつんとした風味をバランスよく引き立ててくれます。ベースとなっているのは無色透明なホワイトラム。活性炭でろ過されたラム酒は、素材そのままの味を楽しめます。
スカイダイビングの名前の由来
スカイダイビングの名前の由来は、考案された当時に流行し始めたスポーツのスカイダイビングから来ています。カクテルグラスの中に、青い大空をイメージしてつくられたカクテルなのだそう。
ブルーキュラソーを使ったカクテルは、パラソルを飾って華やかに演出するものもありますが、スカイダイビングは何も飾らないシンプルな見た目が特徴です。
ただお店によってはカットライムをグラスのふちに挟んだり、切込みを入れたチェリーをグラスのふちに挟んだりするようですね!
スカイダイビングのカクテル言葉
スカイダイビングのカクテル言葉は「尊敬」や「崇高」といった意味。尊敬している先輩や知人と一緒に飲む時におすすめですよ。
スカイダイビングのカロリーとは
スカイダイビングのカロリーは正式に公表されていないため、材料ごとのカロリーで判断しましょう。
まずラム酒は100mlで約240kcal前後。スカイダイビングには30ml使いますので、スカイブルーに使うラム酒のカロリーは、だいたい80kcalくらいです。
ブルーキュラソーは100mlで約338kcal、ライムジュースは100mlで約27kcalなので、1杯で150kcal前後だと推測できます。
専門家の一言メモ
意外なことに、スカイダイビングのようなショートカクテルは1杯で200kcalを超えるものも珍しくありません。そう考えると、スカイダイビングはショートカクテルとしてはカロリーが低い部類に入ると言えるかもしれませんね。
美味しいスカイダイビングの作り方・レシピ
スカイダイビングのレシピ・作り方
レシピ
・ホワイトラム 30ml
・ブラーキュラソー 20ml
・ライムジュース 10ml
・氷 適量
材料をすべてシェイカーに入れ、最後に氷を満タンまで入れてシェイクして混ぜましょう。
スカイダイビングは、材料をしっかり混ぜると美味しく仕上がります。シェイクする時は、シェイカーを水平に持ってしっかり振りましょう。
一方で、グラスの中でで混ぜても作ることができますが、グラスのふちをなぞるように静かに混ぜるのではなく、ブルーキュラソーの色が均一になるように、ていねいに混ぜてください。
氷はシェイカーを使う場合でも、使わない場合でも小さいものを使用しましょう。カクテルとして仕上がった時に氷が目立たない方が本格的な仕上がりになります。注ぐのはカクテルグラスでも、細めのストレートグラスでも問題ありません。
更に美味しくスカイダイビングを作るためには
スカイダイビングはライムジュースの酸味がすっきりとした飲み心地ですが、甘さがあった方が飲みやすいという場合は、ガムシロップを注いでください。また加糖のライムジュースを使っても、程よい甘さのスカイダイビングになります。
スカイダイビングのベースとなっているラム酒は、サトウキビの廃糖蜜が原料です。廃糖蜜とは、サトウキビから砂糖の結晶を繰り返し抽出したあとに残る蜜のこと。これを蒸留してスピリッツにしたのがラム酒です。
ラム酒は種類によっては常温で香りを楽しみながら飲むのが美味しい飲み方ですが、ホワイトラムは瓶ごと冷やして飲むのがおすすめ。ホワイトラムのさわやかな風味が引き立ち、まとまりのある味のカクテルができます。
専門家の一言メモ
スカイダイビングのベースとなっているラムはホワイトラムですが、他にも金色をしたゴールドラム、濃い褐色色のダークラムがあります。
スカイダイビングに適したお酒の選び方
スカイダイビングに使うお酒はどのようなものが合うのでしょうか?ここでは、スカイダイビングにおすすめのお酒を紹介します。
スカイダイビングにおすすめのお酒
・初心者におすすめの「バカルディ ホワイト」
・沖縄県産の「グレイスラム コルコルアグリコール」
・サトウキビ原料の「トロワ リビエール ブラン」
・オレンジの風味が豊かなブルーキュラソー「ボルスブルー」
・サントリースピリッツのブルーキュラソー「ザ・ブルー」
スカイダイビングに適したお酒は様々ありますが、上記の5つのお酒が特におすすめ。
ちなみに、スカイダイビングに使うライムジュースは、果汁を使うよりもほとんど果汁のような味わいのオーガニックライムジュースを使うのがおすすめです。
スカイダイビングのアレンジレシピ
スカイダイビングには、アレンジレシピがありますので紹介します。
スカイブルー
材料
・麦焼酎 45ml
・ブルーキュラソー 20ml
・トニックウォーター 適量
・氷 適量
作り方
氷を入れたグラスにスカイブルーの材料を全て注ぎ、マドラーで軽く混ぜて完成です。
カットしたレモンやチェリーをカクテルグラスの縁に添えると華やかになります。
スカイブルーは、ベースにラムの代わりに焼酎を使用したスカイダイビングのアレンジカクテル。焼酎の風味を感じますが、そこまで強くないので焼酎が苦手な方でも楽しめるカクテルでしょう。
焼酎の代わりに日本酒を使用するレシピも存在しており、また違った味わいを楽しむことができます。
スカイダイビング以外のラムを使ったカクテル3選
スカイダイビング以外にもラムベースのカクテルはあります。ここからはラムベースのおすすすめのカクテルを材料・作り方と一緒に紹介していきます。
〇ブルーハワイ
材料
・ホワイト ラム 30ml
・ブルー キュラソー 15ml
・パイナップルジュース 30ml
・レモンジュース 15ml
作り方
シェイカーにホワイト ラム・ブルー キュラソー・パイナップルジュース・レモンジュースを入れシェイク。十分にシェークできたら、クラッシュドアイスを入れた大きめのグラスに注ぎ、最後にパイナップルやチェリーを飾り、ストローをさせば完成です。
ブルーハワイは、南国リゾートやプールサイドによく似合うトロピカル・カクテルの代名詞とも言えるカクテルです。カクテルの青く澄んだ色は南国の海、クラッシュドアイスは打ち寄せる波を想像させます。爽やかな味わいで、程よいアルコール度数なので飲みやすいカクテルといえます。レモンジュースをココナッツミルクにすると、ブルーハワイアンにアレンジですることも可能です。
〇モヒート
材料
・ラム 50ml
・ミントの葉 10枚程度
・ライム 1/2個
・ソーダ 適量
・ブラウンシュガー 適量
作り方
ライムをマッシャーやすりこぎで潰し、絞った果汁をグラスに注いでブラウンシュガーを混ぜます。その後、ミントを入れて優しく潰していきます。ミントが潰れたら氷・ラム・ソーダを順に入れてかき混ぜれば完成です。
モヒートはキューバのハバナ発祥のカクテルです。海賊によってもたらされた飲み物と言われています。ミントやライムを使用しているので、少し酸味のある爽やかな味わいが特徴。さっぱりしつつも、どこかラムの甘みが感じられる、暑い夏におすすめのカクテルです
〇XYZ
材料
・ホワイト ラム 40ml
・ホワイト キュラソー 10ml
・レモンジュース 10ml
作り方
シェイカーにホワイトラムとホワイトキュラソー、レモンジュースを入れて、よくシェイクします。氷を入れたグラスに注げば完成です。
XYZは、ブランデーベースのカクテル「サイドカー」から派生したカクテルです。XYZがアルファベッドの最後の3文字であることから、「これ以上ない・これで終わり」といった意味があります。アルコールが強い場合は、配合を1:1:1にする、ホワイトキュラソーを少し多くすると飲みやすくなります。
また、材料の比率を変えると、マイアミというカクテルに変わります。
■スカイダイビング以外のブルーキュラソーを使ったカクテル
スカイダイビングのブルーキュラソーは鮮やかな色が特徴です。ここからはスカイダイビング以外のブルーキュラソー・カクテルを紹介します。
〇ガルフ ストリーム
材料
・ウォッカ 15ml
・ブルーキュラソー 15ml
・ピーチリキュール 15ml
・グレープフルーツジュース 30ml
・パイナップルジュース 10ml
作り方
シェイカーにウォッカとブルーキュラソー、ピーチリキュール、グレープフルーツジュース、パイナップルジュースを入れてシェークします。大きめの氷を入れたグラスに注いで、ヨットに見立てたレモンピールを飾って完成です。
ガルフストリームは、フルーティで爽やかな味わいが特徴のカクテルです。爽やかな青色と白色が波しぶきがあがった美しい海を連想させます。カクテルの名前となっているガルフストリームは、黒潮と並ぶ、世界最大の海流・メキシコ湾流を指しています。
〇チャイナブルー
材料
・ライチリキュール 30ml
・ブルーキュラソー 10ml
・グレープフルーツジュース 45ml
作り方
シェイカーに氷とライチリキュール、ブルーキュラソー、グレープフルーツジュース入れてシェイクして、グラスに注ぎます。オレンジを添えればより華やかになります。
チャイナブルーは、鮮やかな青色とライチ風味の味わいが特徴のカクテルです。性に人気の定番カクテルの1つです。
チャイナブルーにはいくつかレシピが存在しており、作り手やバーによってブルーキュラソーやグレープフルーツジュースの分量が異なることがあります。色々と試して自分好みの1杯を見つけてみるのもオススメです。
専門家の一言メモ
ブルーキュラソーを使ったカクテルは、カラフルな花やフルーツを飾ったロングカクテルが多いです。爽快感のある見た目ですが、アルコール度数が高いものもあるので気を付けましょう。
まとめ
スカイダイビングをはじめとする最近できたカクテルは、クラシカルなカクテルよりも色鮮で親しみやすいのが特徴です。
しかしながら、カクテルはそのお店によってレシピもアレンジも様々なのが面白いところ。お店によってアルコール度数が高い場合もあるので、注文の際はバーテンダーさんに確認してみるのがいいかもしれませんね。
また、今回ご紹介したレシピをも用いれば自宅でも簡単にスカイダイビングを作ることができます。カクテル好きの方は、ぜひ試してみてくださいね。