ウイスキー好きなら一度は耳にしたことがあるであろう、世界的に有名なウイスキー銘柄「ジャック・ダニエル」。バーだけでなく、居酒屋やレストランなどの飲食店でも多く取り扱われていることのあるウイスキーですよね。
ラベルがかっこいいからなんとなく注文してる!という方もいるのではないでしょうか?
今回はそんな、ジャック・ダニエルの製造方法やおすすめの飲み方などを解説して行きます!
厳密にはバーボンじゃない!?“テネシーウイスキー”のジャック・ダニエル
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ウイスキーに少し詳しい方であれば、バーボンやスコッチといった言葉を聞いたことがあるかと思います。これらはウイスキーの分類の一つで、主に産地による分け方によるものです。
スコッチはその名の通り、スコットランドのウイスキー。バーボンはアメリカン・ウイスキーの中のひとつのことで、アメリカで造られるウイスキーのほとんどはバーボンに該当します。
ジャック・ダニエルはアメリカのウイスキーなので、バーボンと思っている方も中にはいるかもしれません。
しかしジャック・ダニエルは、テネシー州で造られる”テネシーウイスキー”に該当します。バーボンの定義にさらに定義が追加された、ちょっと変わったアメリカン・ウイスキーが、テネシーウイスキーの「ジャック・ダニエル」なのです。
そんなジャック・ダニエルの特徴は、バーボンに比べて優しい口当たりと飲みやすい味わいであること。カラメルやバニラのような、なめらかな甘さと程よい香ばしさが感じられる、多くの人に愛されるウイスキーです。産地が違う以外にも、テネシーウイスキーにはバーボンとは違った製造工程があり、そのため味わいにも違いが生まれるのです。以下でその違いについてご説明します。
【チャコールメローイング製法】
テネシーウイスキーを名乗るのに欠かせない工程として、"蒸留後のウイスキーをサトウカエデの木炭でゆっくり濾過する”というものがあります。このことをチャコール・メローイングといいます。
サトウカエデはメープルシロップの元になる木。
テネシーウイスキーは、細かく砕いたサトウカエデの木炭を敷き詰めた高さ約3mもある濾過槽で、蒸留した原酒を一滴一滴垂らしながらゆっくり丁寧に濾過されていきます。木炭がお酒の雑味を取り除き、バニラやキャラメルのような風味を与え、なめらかな味わいを作り出すといわれています。
【高いトウモロコシの使用率による甘み】
バーボンウイスキーは特徴的な甘みがありますが、これは原料のトウモロコシに由来するもの。バーボンには、原材料となる穀物の51%以上にトウモロコシが使用されていなくてはなりません。
通常のバーボンの場合、トウモロコシの使用率は72~77%程度。ですがジャック・ダニエルの場合は、なんと80%もの割合でトウモロコシが使用されています。このトウモロコシの高い使用率によっても、ジャック・ダニエの優しい甘味は作られているのです。
また、サワー・マッシュという製法が取り入れられているのも、甘みに影響しています。仕込水に蒸溜の際に底に残った液の上澄み部分を加えることで、糖化の効率を上げ、より原酒の香味を豊かになるのです。
ジャック・ダニエルの穏やかで優しい口当たりと甘さは、時間とコストをかけたチャコールメローイング製法やトウモロコシの高い使用率、さらにサワー・マッシュといった工夫によって生み出されているのですね。
銘柄紹介
よく見る黒いラベルのジャック・ダニエルの他にも、たくさんの種類があるジャック・ダニエル。飲み比べてみたい方のために、いくつか銘柄をご紹介します。
◆ジャック・ダニエル ブラック
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言わずと知れた、ジャック・ダニエルの代表的銘柄です。木炭を積み重ねた巨大な濾過槽で12日間かけてゆっくりと濾過された味わいは、まろやかな独特の香りが特長として表れています。
スーパーなどでも手に入りやすく、価格も手ごろなのが嬉しいところ。最初の一本におすすめです。
◆ジャック・ダニエル テネシーハニー
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ジャック・ダニエルをベースに、ハニーの豊かな風味が加わったフレーバードウイスキー(酒税法上はリキュール)です。
その名の通り、蜂蜜やローストナッツのような香りが特徴的。上品な蜂蜜の甘みや、かすかなナッツのような香ばしさ、なめらかな余韻を感じることができます。
◆ジャック・ダニエル ジェントルマン・ジャック
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このジェントルマンジャックでは、なんと2度のチャコール・メローイングが行われています。その味わいは極めてスムースかつなめらか。やや甘さを感じさせる、豊かな味わいのウイスキーです。
生産量が限られるため、とてもレアなテネシーウイスキーとして知られています。
◆ジャック・ダニエル シングルバレル
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ジャック・ダニエルのスムースさに、シングルバレルウイスキーが持つコクと芳醇さが加わった逸品。
樽から最大限に引き出されたバニラ、キャラメルの香りと口いっぱいにひろがる熟成由来の甘さ、芯のある力強いコクが特長です。
お値段もはりますが、ウイスキー通に贈ったら間違いなく喜ばれることでしょう。
◆ジャック・ダニエル ゴールド
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このジャック・ダニエル ゴールドは、リッチでスムーズな味わいと、卓越したバランスが備わった魅力あふれる一本。
マスターディスティラーが特に熟成された樽を厳選し、2度目のチャコールメローイングと2度目の樽熟成(メイプルウッドフィニッシュ)を経ただけあって、その味わいはまさに「ゴールド」。一度は味わってみたい銘柄です。
◆ジャック・ダニエル シナトラセレクト
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数量限定の特別なジャック・ダニエルがこちら。
葬儀の際、棺にジャックダニエルを入れるほどジャック・ダニエルを愛していた、フランク・シナトラの生誕100年を記念して作られた最高級品です。
シナトラバレルと呼ばれる専用の熟成樽で熟成されており、濃厚で芳醇な味わいが特徴です。
おすすめの飲み方
おいしくて飲みやすいジャック・ダニエル。その飲み方はまさに多様です。
ここでは定番の飲み方からちょっと変わった飲み方までいくつかご紹介します。
◆定番の飲み方
●ロック
いわずと知れたロックスタイル。グラスの中でカランと鳴る氷がおしゃれな印象ですね。
本場のテネシー州では、ロックが最もポピュラーな飲み方のようです。
●ストレート
ジャック・ダニエル本来の甘みやほろ苦さ、余韻を味わえる大人な飲み方です。お酒に飲みなれている人にオススメ。
●トワイスアップ
氷は入れずに、常温のウイスキーと水を1:1の割合で割る飲み方。立ち上る香りを最も楽しむことが出来ます。
●ハイボール
居酒屋でもおなじみの飲み方ですね。
ソーダで割っても消えてしまうことのない、バナナのような果実感のある香りと、ソーダの喉越しが爽やかな飲みやすい一杯です。
●コーラ(ジンジャー)割り
甘くて飲みやすいのが、コーラやジンジャーエールで割る飲み方。
あっさり飲みたい方はカロリーゼロのコーラや、辛口のジンジャーエールで割ると◎。
◆ちょっと変わった飲み方
●梅ジャック
ジャック・ダニエルに和のテイストが加わった、新しい味わいです。
ジャック・ダニエル:梅酒:ソーダ=1:1:3の割合がベストです。
●ミルク割り
女性におすすめの柔らかい甘さのミルク割り。温かくすれば、寝る前のほっとする一杯になることでしょう。
●カルピス割り
ミルク割り以上に意外な組み合わせですが、驚くことにジャック・ダニエルとカルピスは好相性。
薄めのカルピスで割るのがコツで、ジャム等をトッピングしてもおいしそうです。
まとめ
身近に売られているウイスキーでありながら、実はよく知らなかったジャック・ダニエル。知れば知るほど飲んでみたくなるウイスキーでしたね。
バーで注文するときも、同伴者にジャック・ダニエルについてのちょっとした豆知識を披露すると、一目置かれるかもしれませんよ。飲み方や銘柄も実に多様なので、皆さんも色々な角度から、ジャック・ダニエルを楽しんでみてください。