北アルプスの天然水を使って仕込んだ信州のお酒、その名も「大信州」。
長野県松本市で、主に県産の酒造好適米"ひとごこち"と"金紋錦"を使って作られています。
四方に山々がそびえ立ち、稲作に適した気候を持つの信州の地で醸されるお酒は、どんな味わいでしょうか。
酒造のこだわりとともに、その魅力をご紹介します。
大信州ってどんなお酒?
「大信州」は長野県の大信州酒造が醸すお酒です。
酒造の表現を借りるなら、大信州の味わいは「洗練・軽快・デリシャスリンゴ」。
手間を惜しまない丁寧な手造りから、洗練された味わいが生み出されました。
旨みがありつつも軽快な味わいは、熟練した技によるもの。
そして華やかなリンゴのような、芳醇な果実味が感じられるのが特徴です。
口当たりが上品で飲み飽きせず、ふくよかな米の旨みと切れ味、そして口内に広がる吟醸香。
「軽くて幅がある」ところが、大信州の持ち味です。
大信州のこだわりポイント
では「洗練・軽快・デリシャスリンゴ」な大信州の味わいは、どのように作られるのでしょう。
その秘密は、信州の気候や風土の恩恵をうけた原料を使うこと、そして酒蔵のこだわりにあります。
◆北アルプスの天然水を仕込み水に使用
大信州の仕込み水に使われているのは、北アルプス連峰の天然水。
雄大な北アルプスの山々に降り積もった雪が解け、長い年月をかけて地中を巡り、再び地上に現れた自然水です。
この水の特長は柔らかい口当たりと、きめの細やかな舌触りにあります。
大信州の上品な口当たりの秘訣は、この水にあるともいえるでしょう。
◆信州の自然が育てた極上の酒米
四方に山々がそびえ立つ信州の気候は、低い湿度と昼夜の寒暖差に特徴づけられ、稲作を初めとする農業に最適な気候です。
さらに、力のある土と北アルプス連峰の雪解け水、信州の自然が極上の酒米を育てます。
大信州は、そんな長野県で生まれた酒造好適米「ひとごこち」と「金紋錦」を主な原料米としています。
契約農家と一緒になって育てた、「大信州」になるための極上の酒米を使うことで、大信州の米の旨みが生み出されます。
◆大信州の手造り
酒造りの基本は原料と原料処理だと、大信州酒造は言います。
大信州の造りの基本は「一に蒸し、二に蒸し、三に蒸し」。
自家精米によって精米の精度まで自分たちで目を配り、その米を丁寧に手洗いします。
そうしたお米を、上手に蒸し上げます。良い蒸米から良い麹が、良い麹から良い醪が出来あがり、その結果、美味しいお酒が出来上がるわけです。
良い原料を使って工程を守るだけでは、良い酒はできません。
酒は人が醸すものなので、作り手が自然と対話し、人と対話し、そして酒と対話することで、良い日本酒が仕上がるのです。
「手間暇かけた人の手による丁寧な酒造り」を身上とする大信州だからこそ、この格別の切れ味を創りだしています。
◆無濾過で冷蔵瓶貯蔵
大信州のほとんどは、無濾過のお酒です。
そして通常はタンクで貯蔵される日本酒ですが、大信州は無濾過の特徴を最大限発揮するために、瓶詰め状態で冷蔵貯蔵しています。
このため大信州のお酒には、山吹がかった酒本来の「色」があります。
濾過をすることで、色を透明にしたり雑味を除いたりすることはできます。
しかしその際、芳醇な香りや米の旨みも失われるとともに、何より酒の持つ個性や輝き、手造りの感動も減じてしまいます。
大信州は”酒が持って生まれた無垢な姿”を、出来る限り手を加えずに保つため、無濾過で瓶詰めされます。
もちろん手間暇と丁寧な作業が必要となりますが、その苦労によって「大信州らしさ」が保たれたお酒になるのです。
大信州酒造株式会社について
”私たち大信州酒造は、信州の大自然の中に薫る水を醸し続けます。”
信州の大自然の中、自然と対話し、酒と対話し、そして人と対話し、決して逆らわず、静かに調和をとることをすべてとしているこの酒造は、全国新酒鑑評会やインターナショナルワインチャレンジにおいて、最高賞を獲得し続けている実力派です。
創業は明治21年。戦後に、近隣に合った小さな複数の蔵が合併し、現在の大信州酒造になりました。
信州北アルプスの伏流水、長野県産の良質な酒米、大信州伝承の技と知恵を駆使し、まさに気候や風土が一体となった酒を醸し続けています。
信州の文化や、酒の文化、そして日本の文化を醸しているとも言えますね。
しかし、始めから順風満帆な蔵だったというわけではありません。
先代社長の二男である田中勝巳氏(常務取締役製造部長)は、兄がいたため家業に入る気はなく、大学卒業後大手ワインメーカーに就職し営業の仕事についていましたが、32歳のとき、帰省した帰りに兄が持たせた『大信州』の味に感動したのだそうです。
その後、この酒を売りたいという想いをもって家業に入ったそう。
しかし、あの時に感動した『大信州』は、当時生産されていた日本酒の中でも特別なもので、多く生産されていたのは普通酒と呼ばれる安いお酒でした。
時代のニーズに合わせ、安い商品が大信州の主流となっていたのです。
そのため、得意先もほとんどなく、“大信州=安い酒”というイメージもあってなかなか取り合ってもらえいことも多くあったようです。
勝巳氏はそれでも“自分が感動した酒”を信じ続け、北海道から九州まで駆け回わり、少しずつ取引先を増やしていったんだそう。
奮闘が続いていた6年目、蔵の方が人手不足となり、勝巳氏は38歳にして蔵人になりました。
蔵人としては遅いスタートでしたが、朝4時ごろから夜8時、9時ごろまで酒に付き添い、酒造りに打ち込んできました。
勝己氏はそれから普通酒から特定名称酒に切り替え、品質の向上や流通形態の改革を行うことで少しずつ得意先やファンを増やし、20年がかりで大信州を人気の銘柄へと押し上げたのです。
様々なコンクールで金賞を獲得する大信州。近頃では人気すぎて入手困難なものまで出てきているそうです。
門前払いを食らうなど大変な時代もあった大信州。
ここまで有名になり、多くの人々に愛されているなったのは勝巳氏をはじめとする蔵元の並々ならぬ努力の賜物といえますね。
おすすめの大信州
「大信州」にも様々ありますが、インターネットでも購入できる、おすすめのお酒をご紹介します。
●大信州 以和為貴 純米大吟醸
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●大信州 手いっぱい
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●大信州 別囲い純米大吟醸
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●大信州 みぞれりんごの梅酒
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まとめ
長野の自然が目に浮かんでくるような日本酒「大信州」。
読んでいるだけで飲みたくなったのでは?
ワインメーカーの営業から転身した蔵人が醸すお酒は、今や世界からも高い評価を受けるまでになっています。
皆さんも、ぜひこの味わいを楽しんでみてくださいね!