ラム酒は、サトウキビの廃糖蜜や絞り汁を原料として造られる蒸留酒です。
そんなラム酒に、沖縄のサトウキビを使用した国産のブランドがあることをご存知ですか?
今回は、日本が世界に誇るこだわりのラム酒「コルコル」の特徴や同ブランドの代表商品を紹介します。
「コルコル」とは?
コルコルは、沖縄・南大東島で造られる、原材料が全て国産の日本初のラム酒。2004年3月に"金城祐子"氏が、沖縄電力の社内ベンチャー制度(MOVE2000プログラム)を活用して設立した会社グレイスラムから販売されるブランドです。
醸造は、旧南大東空港の建物を利用して実施。同空港の看板などがそのまま残った建物を本社としても利用している、ちょっと珍しい会社が造る商品となっています。
コルコルについて
コルコル「COR COR」という銘柄は、「CORAL CORONA(珊瑚の冠)」が由来で、その頭部分の文字を取ってつけられたもの。世界的にも珍しい隆起サンゴの島である、南大東島産の商品らしいネーミングと言えるでしょう。
「既存のラム酒と同じものを造るのではなく、せっかく良質なサトウキビがあるのだから、素材を活かし、技術と心で勝負する。」
という思いのもと造られるコルコルは、原料のサトウキビに島のものを使用。豊かな自然が育てた、このサトウキビ本来の良さを活かすため、砂糖、香料、色素は一切添加されていません。
無添加・無着色によるホワイトラムで、その透明で美しい液色がコルコルの特徴の一つです。
一本一本手づくりしているからこその少数生産
こだわりのラム酒であるコルコルは、そのこだわり故に生産数は月産5000本になります。
なぜ少数生産なのかと言うと、ボトル詰、キャップ付け、ラベル貼りに至るまで、人の手を介して一本一本丁寧に行われているから。
ちなみにラベルは南大東島の形に切り抜かれているのですが、特殊な形状なのでそもそも機械で貼ることができません。これも少数生産の理由の一つです。
「コルコル」シリーズ
それでは、コルコルの代表商品を紹介していきます。
コルコル・アンデュストリエル(赤ラベル)
工業生産ラムを意味するアンデュストリエル。製糖工場で砂糖(ざらめ)を精製する際の副産物であり、ラムの原料である糖蜜を発酵させて造られた、無添加・無着色のコルコルのオリジナリティーが全面に出ている一本です。
今までのラム酒とはひと味違う個性的な仕上がり、そして見た目からは想像できないパンチのある味わいが特徴。
料理と合わせるなら独自性のあるエスニック系のものがオススメで、特にスパイシーな肉料理が合います。
また、生チョコやビターチョコとの相性も抜群なので、がっつり料理と一緒に楽しむだけではなく、ちょっと飲みたい時にも使いやすい一本と言えるでしょう。
飲み方は、まずストレートやオン・ザ・ロックで味わうのがオススメ。コルコル本来のこだわりの味わいを堪能できます。
カクテルベースとして利用するのもオススメで、定番のモヒートやキューバリブレはもちろん、モスコミュールのベースをコルコルにしたりしても美味しいです。
どれもコルコルの個性的な味わいが主張してくれるので、一味違った深みのある一杯ができあがります。
コルコル・アグリコール(緑ラベル)
農業生産ラムを意味するアグリコール。糖蜜を発酵させた「コルコル・アンデュストリエル」に対して、「コルコル・アグリコール」は、サトウキビ汁を発酵させたラムです。
ラムアグリコールを製造している国やメーカーは非常に少なく、主にマルティニーク、レユニオンに代表されるフランス海外圏ぐらいであり、故に希少性の高い商品として知られています。
その中でも、世界に誇れる自然を有する南大東島のラムアグリコールである同商品は、無添加・無着色仕上げなので、さらに希少性が高い代物と言えるでしょう。
また、サトウキビの収穫時期に合わせて一年に一度しか造れないということも、その希少性を高めている一因です。
「コルコル・アグリコール」も既存のラムとは一味違う、個性的でパンチのある味わいが特徴。しかしその味わいのニュアンスは、ワインのように製造年度ごとの微妙な違いがあり、一言や二言では語れない奥深いものとなっています。
多くの台風が押し寄せる沖縄の、厳しくも美しい環境を生き残ったサトウキビ。ストレートやオン・ザ・ロックで楽しめば、その力強さを直に感じることができるでしょう。
カクテルで楽しむなら、フレッシュライムジュース・ガムシロップと合わせた「ダイキリ」や、アプリコットブランデー・スロージンリキュール・フレッシュライム・グラナデンシロップと合わせた「ミリオネア」がオススメです。
コルコル25
「コルコル・アンデュストリエル」「コルコル・アグリコール」との一番の違いはアルコール度数。前述した2つや一般的なラムが40度なのに対し、「コルコル25」は商品名からも分かる通り25度に仕上げられています。
これは世界的にみても珍しいこと。故に同商品は、普通のラムがキツいと感じている人にオススメできる、ラム酒の入門として人気の気軽に飲める一本です。
「コルコル・アンデュストリエル」と同じように、原料に糖蜜を使用し、それを発酵させて造った無添加・無着色のホワイトラム。
しかし味わいはやはり度数の影響もあり、個性的でパンチがあるというよりは、飲む人を選ばないような優しいものとなっています。
サトウキビのほんのりとした甘さ、爽やかな飲み口と柔かな口当たりはシーンを選ばず、幅広い料理と合うような万能タイプです。
ストレートやオン・ザ・ロックで本来の味わいを楽しむ他、食中酒の定番である焼酎のように、水割りなどで楽しむと美味しくさっぱりと飲めます。
ちなみにアルコール度数だけでなく、価格も抑えられているのも嬉しいポイント。
まとめ
他のお酒と比べると、日本人でラム酒をよく飲むという方はそこまで多くないかもしれません。
しかし、同商品のような世界に誇れる国産ラム酒が存在しているのです。これまで知らなかったという方も、この記事をきっかけにぜひ味わってみてください。
きっとあなたのお酒ライフが、より一層豊かになるはずです。