今回は、宮城県の日本酒「伯楽星(はくらくせい)」の魅力を徹底解説!
こちら"食べることが好きな人"にオススメの日本酒。つまりは、ほぼ全員にオススメしたい日本酒なんです(笑)
というのも「伯楽星」は、究極の食中酒をうたっている日本酒。
日本酒は昔から、料理とともに楽しむ食中酒として親しまれてきました。その中で究極と銘打たれた「伯楽星」。
どんな人が、どんな想いを込めて醸したのか、、、気になりますね!
「伯楽星」とは?
「伯楽星」は、2002年(平成14年)に生まれた「新澤(にいざわ)醸造店」の日本酒ブランド。
"新澤 巖夫"氏が、宮城県最年少杜氏に就任したのと同時に誕生しました。
新澤氏は、東京農業大学在学中の20歳の時に、利き酒選手権で優勝するという類稀な才能の持ち主。そんな彼が、究極の食中酒を目指し醸したのが「伯楽星」です。
「伯楽星」は、開封時に味わいのピークを迎えるよう、出荷される地域や季節を考慮し、やや若い状態で出荷されるのだそう。きめ細かな管理体制で、理想とする酒質を維持しているんですね!
「伯楽星」の特徴は、インパクトを求めない、静かに食へと寄り添う飲み飽きしないバランス感。それ故に、料理の香味を邪魔せず引き立てる、食中酒として抜群のポテンシャルを発揮してくれるのです。
この特徴こそが、究極の食中酒と呼ばれる所以なんです。
そんな伯楽星、2009年には「伯楽星 純米大吟醸」が日本航空国際線のファーストクラスに採用されています。
また、2010年と2014年にはFIFAワールドカップ公認日本酒に選ばれ、2015年には雑誌「PEN」の日本酒ミシュラン特集で「伯楽星 特別純米」が三ツ星を獲得しています。
さらに「SAKE COMPETITION」では純米酒部門、純米吟醸部門でいずれも6位を獲得、2018年にも純米吟醸部門で6位に入賞するなど、数々の功績を持つ、実力派日本酒なのです。
「伯楽星」を醸す「新澤醸造店」とは?
「新澤醸造店」は、1873年(明治6年)創業以来、140年にわたり宮城県大崎市で続いていた老舗蔵です。
しかし2011年(平成23年)3月11日に発生した、東北地方太平洋沖地震の影響で蔵は全壊。美しい赤瓦をのせた歴史ある酒蔵は、取り壊しになってしまったそう。
しかし、ただでは終わらないのが「新澤醸造店」。被災している中、細心の注意を払いながら酒造りを敢行。東北酒応援ブームによる需要急増で、被災地各蔵の酒が欠品する中、一度たりとも品切れを起こさないという離れ業を成し遂げます。
その後、蔵の移転・再建を決断。震災から僅か8ヶ月余りで、山形県との県境にある蔵王山麓の村田郡川崎町で、新蔵への移転・製造再開を実現させました。
更に、2013年(平成25年)には、旧蔵のあった三本木に本社事務所兼店舗を再建。大震災から約2年半で完全復活を遂げたのです。
新澤社長は当時を振り返って「いくつかの選択肢があったなかで、一番パワーがいる決断をした気がします。非常に緊張したし、覚悟もしました」と語っています。 出典:宮城の酒
大きな決断をした新澤酒造は伝統を守るだけでなく、さらに進化した酒造りを築き上げていきます。
さらに進化した新澤酒造
移転後、新澤酒造が特に力を注いできたことが、設備の充実でした。
例えば、0.1℃刻みに温度調整可能ができるお釜の導入。
徹底した温度管理で蒸しあげたお米は、さらっとしているのに芯まで熱く、甘い香りを放ちます。
このようなお米で作る麹は驚くほど軽く、弾力のあるものに仕上がるんだとか。
今まで以上に高品質になった麹で造る伯楽星は、よりきれいな味わいになり、さらに芯の強さも生まれたといいます。
また、最新鋭の自社精米機によって精米技術も飛躍的に向上。
伯楽星をより品質の良いものにしただけでなく、精米歩合9%まで磨いた「残響 Super9」などの新たな商品の開発にも成功しています。
国内屈指の、近代的な酒蔵へと生まれ変わった「新澤醸造店」。
これまで以上に徹底した品質管理と出荷管理により、一層の酒質向上と新たな挑戦が成されているのです。
選ばれた酒屋しか「伯楽星」は販売できない
開封時に味わいのピークを迎えるよう、徹底的な品質管理を行い、ベストな状態で出荷される伯楽星。
酒屋での販売中に品質が落ちることがないよう、保存方法がしっかりとしていて冷蔵管理のできる契約店にしか卸していません。
また、コンディションのあまりよくないものや出荷して3か月経ってしまった伯楽星はすべて回収しているのだとか。
蔵を出た後も徹底した管理を怠らない新澤醸造店。
このような姿勢が伯楽星のおいしさと品質を支えているんですね。
「伯楽星」シリーズ
ストーリーを知ってから飲む日本酒は、きっと今までよりも深く味わうことができるはずです!!
ここからは代表的な伯楽星をご紹介していきます。
伯楽星 特別純米
山田錦の、ふくらみのある爽やかな旨味、キレのある酸が特長。旬の魚介類のお造りや、魚介系の鍋、茶碗蒸しなどとよく合います。
伯楽星 純米吟醸
宮城県産の酒造好適米、蔵の華のシャープな特徴を生かした、なめらかな口当たり、繊細ですっきりした味わいが広がった後にすぐ消える、疾走感溢れるお酒。
魚介類全般、出汁系、燻製もの、チーズ類、スモークサーモンや生ハムのサラダなど、幅広い料理と抜群の相性を見せてくれます。
伯楽星 純米大吟醸
精米歩合40%。岡山県産の雄町を使用した伯楽星の限定醸造酒です。雄町らしいふくよかさと、伯楽星らしいシャープさを備える、絶妙なバランスに仕上げられています。
旬の魚介類のお造り、スープ類、天ぷら、チーズ類などとマッチ。JAL国際線ファーストクラスにも採用されているお酒なんだそう。
伯楽星 純米大吟醸 特A地区東条秋津産山田錦29%
精米歩合29%。最高ランク、秋津地区の山田錦だけを使用した、伯楽星の最高峰です。上品な果実香、ふくよかで柔らかい甘みがパッと開いて、すっと消えます。
生牡蠣、白身魚のお造り、スモークチーズなどと特に好相性。また、食前酒として乾杯に使うのもオススメです。
まとめ
今回は、究極の食中酒「伯楽星」をご紹介しました。計算され尽くしたバランスは、幅広い料理と抜群の相性を見せてくれます。
美味しい料理、美味しいお酒、そしてその二つが互いを引き立てた時、食事はさらに素晴らしいものになるでしょう。
ぜひあなたも、食事の新しい次元に行ってみませんか?