ウイスキーのアルコール度数というのは、銘柄によって異なりますが、だいたい40度~60度前後と言われています。
実は、高アルコール度数として知られるウォッカやテキーラと同じ度数なんです!
なぜウイスキーはこれほどまでに度数が高いのでしょうか?
「ウイスキー」の度数はどのくらい?
一般的なウイスキーのアルコール度数は、大体40~43度程度。日本の国酒である日本酒の平均的な度数が大体15~16度ほどなので、我々日本人にはかなり高アルコールなお酒と言えるでしょう。
それ故、日本ではウイスキーを楽しむ際に、オン・ザ・ロックや水割り、ハイボールでいただくことが多いと思いますが、外国ではストレートで楽しまれることも多いです。また、"ウイスキーの水割り"は日本独自のスタイルであり、外国人観光客は驚くことも多いそうですよ。
「ウイスキー」の度数は世界でもトップクラス
ウイスキーを、一般的なお酒とアルコール度数を比べるとこのようになります。
ビール | 4度~8度 |
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白ワイン | 7度~15度 |
赤ワイン | 11度~15度 |
日本酒 | 15度~16度 |
焼酎 | 20度~25度 |
ウォッカ・テキーラ | 40度 |
ウイスキー | 40度~60度 |
こうしてみると、ウイスキーのアルコール度数は焼酎の倍くらいであり、ウォッカやテキーラと同程度ということが分かりますね。
上記の表は実は日本酒と焼酎を境にお酒としての違いがあります。それは、ビール・ワイン・日本酒が醸造酒なのに対し、焼酎・ウォッカ・テキーラ・ウイスキーが蒸留酒という点です。
そしてこの違いこそが、度数の違いを生んでいます。ということで次は、蒸留酒とは何かということを説明していきましょう!
「蒸留酒」とは?
蒸留酒を説明するためには、まずは醸造酒を説明する必要があります。
醸造酒と蒸留酒の製法
ビールや日本酒、ワインの醸造酒は、原料のぶどうやお米が含む糖をアルコール発酵させて出来上がるお酒です。
それに対し蒸留酒は、これらの醸造酒を蒸留してアルコール度数を高めたお酒。日本酒の原液が通常20度前後なのに対し、蒸溜前のウイスキーの原液は10度にもならないほどですが、蒸留をすることにより最終的には40度を超える度数に到達するのです。
このように、お酒は蒸留することで意図的にアルコール度数を上げることができます。
実際、ウイスキーと同じ蒸留酒であるウォッカの中で世界最高度数のお酒として知られる「スピリタス」は、70回以上という耳を疑うほどの蒸留をすることにより、アルコール度数が96度に達しています。
「ウイスキー」の蒸留方法
ウイスキーの蒸留は、簡単にいうとアルコールを高めるために行うもの。発酵を終えてできたウォッシュ(もろみ)がアルコール濃度7%ほどしかないので、蒸留を行い、これを一気に65~70%に濃縮する必要があります。
この蒸留の仕組みは、水の沸点が100度、アルコールの沸点が約80度という、沸点の違いを利用したものになります。水より先に気化するアルコールを冷却し液体化することで、アルコールや香気成分といった揮発成分だけを抽出するというものです。
また、ウイスキーは大別すると「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」の2種類に分類できますが、これらはそれぞれ蒸留方式が異なります。モルトウイスキーが、単式蒸留器という蒸留器によって蒸留されるのに対し、グレーンウイスキーは、連続式蒸留機で蒸留されるのです。
単式蒸留器は、形や大きさでウイスキーの個性を出すことができることから、個性が強いウイスキーを造れるのが特徴。よく聞くシングルモルト・ウイスキーが人気な理由の一つに、造られた蒸留所の個性がよく分かるということが挙げられます。
一方、連続蒸溜器は、アルコール度数を95%近くまで上げることができ、さらに短期間で大量の蒸留ができることが特徴。一気にアルコール度数を上げられるので、原料の風味があまり残らない、クリアな味わいのウイスキーが完成します。
特徴的な度数の「ウイスキー」
最後にアルコール度数30度と65~68度前後のウイスキー 2つを紹介します!
モナコ スペシャルウイスキー
「モナコ スペシャルウイスキー」のアルコール度数は30度と、ウイスキーにしては低アルコールになります。
ちなみに、2009年には韓国生まれのウイスキーメーカー"ゴールデンブルー"が36.5度のウイスキーを発売したり、2016年には日本のロッテ酒類が25度の"ブラックジョーカー"を発売したりと、低アルコールウイスキーが発表されています。
しかし、20度台のウイスキーを認めない"類似ウイスキー"という言葉も存在しており、低ければ良いという訳ではなさそうです。
ブラントン ストレート フロム ザ バレル
バーボンウイスキーには、男性的なイメージを持っている方も多いと思いますが、その中でも男性的な強さを感じさせる一本が「ブラントン ストレート フロム ザ バレル」です。
そのアルコール度数は、樽により違いますが約65~68度。度数だけじゃなく、樽による微妙な味わいの違いも同商品の魅力です。
芳醇でパワフル、そして熟成による華やかな香りと、まろやかで深い味わいを感じることができます。
高アルコールというインパクトと確かな味わい、馬が乗ったキャップ、全体的に丸っこいボトルデザインと見た目も印象的な同商品は、ウイスキー好きへのギフトとしてもオススメ。
まとめ
ウイスキーはアルコール度数を高めることができる蒸留を駆使し、最終的には大体40~43度に仕上げられる蒸留酒。
もちろん、紹介した30度のウイスキーや、65度以上のウイスキーなども存在します。度数は飲み口にも影響を及ぼしますので、今後ウイスキーを楽しむ際は、度数にも着目してみても面白いと思いますよ!!