焼酎と日本酒って何が違うのかご存知でしょうか?
お酒は種類も造り方も様々で、普段美味しくいただいている米焼酎や日本酒についても、意外と知らないことは多いと思います。
そこで今回は知っているようで知らない「米焼酎と日本酒の違い」についてご説明します。
焼酎とは?日本酒とは?
まず、米焼酎を含む焼酎と日本酒で決定的な違いは種類にあります。焼酎は「蒸留酒」で日本酒は「醸造酒」に分類されます。
では、蒸留酒と醸造酒の違いは何でしょうか。
醸造酒とは
醸造酒とは、穀物や果実を酵母の力でアルコール発酵させたお酒のこと。
例えばワインなどの果実酒は、原料に糖分が含まれているため、原料に酵母を加えるだけでアルコールに発酵させることができます。
原料が米や麦のデンプン質で糖分が含まれていない日本酒やビールは、デンプンを糖に分解させること(糖化)で酵母によって発酵させます。
蒸留酒とは
「蒸留」とは、液体を熱することで蒸気となって蒸発した気体を再び液体に戻す作業。蒸発する温度の違いを利用することで純度の高い液体を取り出すことができるのです。蒸留することがアルコール度数を高めるための工程であると言えます。
代表的な蒸留酒には焼酎、ブランデー、ウォッカ、ジンなどがあります。
※ちなみに、醸造酒と蒸留酒以外に、「混成酒」と呼ばれ、醸造酒や蒸留酒に香料や糖を加えてつくるお酒もあります。代表的な混成酒には梅酒やリキュールがあります。
蒸留するとなぜアルコール度数が高くなるの?
水とアルコールを沸騰させたとき、沸騰する温度(沸点)はそれぞれ異なります。水の沸点は100℃ですが、アルコールの沸点は水よりも低く78℃です。
水よりアルコールの方が先に蒸発する、この沸点の差を利用することで純度の高いアルコールが取り出せるのです。
米焼酎と日本酒の違いは何?
米焼酎と日本酒はどちらも米を原料としたお酒です。その違いは「蒸留するか」「蒸留しないか」で、蒸留させれば米焼酎、蒸留しなければ日本酒になります。
さらに、原料である米を精米するときの割合にも違いがあります。
米焼酎と日本酒の違い:精米の割合
米の外側には脂質やタンパク質などの栄養が多く含まれていますが、日本酒を造る上ではこの栄養素は雑味となり、日本酒の味や質を下げてしまう原因となります。そのため、日本酒を造るときは米の外側を削り落とし、不要な部分を取り除きます。この過程を「精米」といいます。
日本酒造りにおいてこの「精米」を行うとき、米の外側を30~40%も削ります。大吟醸などの高級日本酒においては米の外側を50%以上も削るのです。
一方、米焼酎の場合でも同様に「精米」を行いますが、その割合は10~15%程度であれば問題がないと言われています。日本酒では雑味であった外側の栄養素ですが、米焼酎では旨みを引き出す成分として必要な部分とされています。
米焼酎と日本酒の違い:熟成の違い
絞り立ての新酒から飲まれる日本酒の消費期限は12ヶ月以内が目安とされています。酒類にはそもそも賞味期限はなく、熟成された方が5年や10年と熟成されたお酒を飲むこともできます。
ですが、日本酒はとても繊細で保存が難しいお酒と言われていて、経年劣化によって日本酒のもつ本来の味わいを損ねてしまう場合もあるため、保管方法に注意しながら出来るだけ製造年月日から12ヶ月以内に飲むことをおすすめします。
一方で米焼酎などの焼酎は、貯蔵すればするほど熟成が進み、旨みが増していくという特徴があります。
米焼酎と日本酒の違い:アルコール度数
蒸留酒は醸造酒を蒸留させるため、蒸留酒である米焼酎の方が日本酒よりもアルコール度数は高いです。
日本酒はアルコール度数22度以下ではならないのに対し、米焼酎は45度以下であればOKとされています。一般的な日本酒で多いのは15度前後、米焼酎は25度前後ですが、それでも10度前後の度数差があります。
米焼酎と日本酒の違い:味わい
アルコール度数は米焼酎の方が高いにも関わらず、米焼酎の方が日本酒に比べ、ややスッキリした味わいで香りも高く、またほのかな米の甘みがあるため、焼酎は和食との相性がよいお酒と言われています。
また、炭酸割りや各種サワーなど、さまざまな飲み方で楽しむことができますね。
それに対し日本酒は、米焼酎よりさらに米の風味や旨みが強く、コクや香りも高いお酒です。
日本酒の飲み方としては冷やして飲んだり燗にして飲んだり、もちろん常温でも日本酒の味わいを楽しんでいただけます。好みの温度で楽しめるのも魅力ですね。
最後に
今回は米焼酎と日本酒の違いについてご紹介しました。同じお酒といえど、種類も違えば工程も違う米焼酎と日本酒。
今まで何となく飲んでいたお酒について詳しく知ると、これからお酒を飲むのが楽しくなりますね。