最近話題の「日本ワイン」。
実は今までその定義が曖昧でしたが、2018年10月末に新たな基準が設けられ、日本ワインの区別や表記の仕方がより明確になりました。
新しくなった日本ワインの基準とは一体どのようなものなのでしょうか?
新たな「日本ワイン」の基準とは?
定義が明確になった「日本ワイン」
従来は国内のワインのラベル表示に公的なルールが存在せず、たとえ外国から輸入したブドウやブドウ果汁を原料に使っても、日本国内で醸造や瓶詰めをしたものであれば、「国産ワイン」を名乗ることができました。しかし、それでは日本産のブドウを醸造したワインとなかなか区別がつきません。
そこで、国税庁告示の「果実酒等の製法品質表示基準」が2018年10月30日に施行され、国産ブドウのみを原料とし、国内で醸造されたもののみが「日本ワイン」と表示できるようになりました。
輸入原料を使ったものはどうなる?
これまでは輸入原料を使ったものも「国産ワイン」と名乗ることができましたが、新基準施行以降、そのようなワインは「濃縮果汁使用」や「輸入ワイン使用」などの表記が義務付けられるようになりました。
これにより、日本のメーカーのワインでも輸入原料を使用しているか否かがわかりやすくなります。
ラベルの表記にも厳格なルールが!
「日本ワイン」と表記できるのは、”国産ブドウのみを原料とし国内で醸造されたもの”ですが、日本ワインに限り、地名やブドウ品種、ヴィンテージ(ブドウの収穫年)をラベルに表記することができます。
ただし、これらを表記するにあたっても厳格なルールが定められています。
地名をラベルに記載するには
「××ワイン」というようにワインの産地名をラベルに記載する場合、その土地で収穫されたブドウを85%以上使用し、さらにその土地で醸造されていなければなりません。
そのため、その土地で収穫されたブドウを85%以上使用していても、別の場所で醸造している場合は「××産ぶどう使用」という表記ができるに留まります。
また、「××醸造ワイン」と、収穫地とは異なる醸造地名をラベルに記載することも可能ですが、この場合はその土地が収穫地ではないことをを明記しなければなりません。
ブドウ品種やヴィンテージをラベルに記載するには
ブドウ品種をラベルに記載する場合、単一品種であれば、その品種を85%以上使用した場合のみ表記することができます。
また、ニ品種の場合はニ品種合計して85%以上使用した場合のみ、使用量の多い方から順に表記できます。
三品種以上の場合、表示する品種を合計85%以上使用した場合のみ、それぞれの使用料の割合と合わせ、使用量の多い方から順に表記することになります。
なお、ヴィンテージについては同一の収穫年のブドウを85%以上使用した場合のみ、表記ができるようになります。
日本ワインの代表的なブドウ品種
ルールも厳格化され、ますます注目を浴びるようになった日本ワイン。
この機会に日本ワインを飲んでみたいという方のために、日本ワインの代表的な品種を2つご紹介します。
甲州
ヨーロッパをルーツに持つ、山梨県特有のブドウ品種。
白ワイン用の品種として使われ、そのワインは柑橘類を思わせる爽やかな香りに、穏やかな酸味のみずみずしい味わいに仕上がります。
日本酒的な要素も感じられ、魚介類をはじめとする和食には抜群の相性です。
マスカット・ベーリーA
1927年に新潟県の川上善兵衛氏の交配によって生まれた、日本ワインの赤ワイン用の品種。
イチゴやキャンディーなどのような甘い香りが特徴です。
フルーティーで渋みが少なく、軽やかな飲み口。甘辛い味付けの煮物や照り焼きなどにはピッタリです。
まとめ
日本ワインの新基準施行に伴い、国内の大手ワイナリー各社が海外にも販路を拡げるなど、より日本ワインの生産に注力するようになりました。今後ますます日本ワインの質の向上が期待できるのではないでしょうか。
皆さんも、この機会にさらなる日本ワインの躍進を応援してみませんか?