オールドヴィンテージのワインと聞くと、高級なワインをイメージする方も多いのではないでしょうか?
しかしヴィンテージの年数が古ければ古いほど、高級だったり美味しかったりするとは限らないのです。まずは、ワインのヴィンテージについて理解を深めながら、その理由を探っていきましょう。
そもそも「ヴィンテージ」とは?
「ヴィンテージ」はブドウが収穫された年のこと
ワインのラベルには、年号が書かれているものが多くあります。この年号を「ヴィンテージ」といい、ワインの原料となるブドウが収穫された年を表しています。
農作物であるブドウは、その年の天候などにより、出来の良し悪しがあります。
そのため、たとえ同じ土地やブドウ品種で同じ生産者によって造られたワインであっても、ヴィンテージによって味わいが大きく左右されるのです。
必ずしも表記されるとは限らない
ワインのラベルにはヴィンテージの表示義務はなく、すべてのワインに表記されているとは限りません。
特にスパークリングワインにはヴィンテージの表記の無い、「ノン・ヴィンテージ」のものがよく見受けられます。
このようなワインは、一般的に複数の年に収穫されたブドウを使用しています。そうすることで、その年の天候にあまり左右されずに、毎年安定した味わいのワインを供給することができるようになるのです。
ヴィンテージが古いほど高級ワインなの?
「古ければ高級」というイメージが生まれる背景
ヴィンテージの古いワインと聞くと、なんだか高級なイメージがありますよね。しかし、必ずしもヴィンテージは古ければ古いほど価値あるワインとは言えません。
確かに、ワインの中には長期熟成をした方が美味しくなるものがあります。
しかしそのようなワインは、フランスのボルドー地方などの名だたる銘柄のものなどで高価なものが多いです。このことから「オールド・ヴィンテージのものは高級」というイメージが浸透してしまったのではないでしょうか。
むしろ飲み頃や当たり年かどうかがポイント
一方、お手頃価格で買えるようなワインはあまり長期熟成には向きません。
リーズナブルなワインは、店頭に並んでいる時にはたいてい飲み頃を迎えています。
購入してから何年も自宅に置いておき、たとえそれがオールドヴィンテージになったところで、香りも味わいも劣化してしまい、魅力が半減してしまいます。
つまり、必ずしもヴィンテージは古ければ古いほど価値があるとは言い切れない、というわけですね。
むしろ、ワインを飲み頃でいただくことや「当たり年」かどうか、ということの方が重要です。
ヴィンテージチャートから見る当たり年
「当たり年」とは、気象条件に恵まれ、質の高いブドウが育った年のこと。そのため「当たり年」のワインは、質も価値も高くなります。
どのヴィンテージが当たり年に該当するかは、ヴィンテージチャートを見るとわかります。
ヴィンテージチャートとは
ヴィンテージチャートとは、国や地域ごとに各ヴィンテージの評価をまとめた表のことをいいます。
評価表記は星マークの数や点数方式など国ごとに様々ですが、特別な知識がなくても簡単に比較することができます。
ヴィンテージチャートは、ワインショップには必ず置いてあるほか、ネットでも見ることができるのでぜひワイン選びの参考にしてみてください。
ここ最近の当たり年は?
フランスワインの最近の当たり年は、ここ最近でいうと、2015年や2010年、2009年が特に秀逸な年とされています。
ワイン愛好家の方へ贈るなら、このような当たり年から選ぶのも良いかもしれません。
ただし当たり年ではないものにも、高品質で美味しいものは多々ありますので、あくまで当たり年は参考程度にしてワインを選ぶと良いでしょう。
まとめ
ワインのヴィンテージについて解説しました。ワインは古ければ古いほど良いとは限らないのです。
皆さんも機会があれば、ぜひ同じ銘柄の異なるヴィンテージのワインを飲み比べてみてください。その味わいの違いから、一層ワインの奥深さや魅力に触れることができるかもしれません。