ウイスキーの本場、スコットランド。
そこで造られるウイスキーはスコッチウイスキーと呼ばれ、世界の五大ウイスキーの一つに数えられるだけではなく、その代表格として世界中に知れ渡っています。
さて、今回はそんなスコッチウイスキーの中から、「ローランドモルト」をピックアップ。その特徴と、オススメの商品を紹介します!
そもそも「ローランドモルト」とは?
「ローランドモルト」とは、スコットランドのローランド地方で造られているウイスキーです。この産地の違いによる区別は他にもあり、スペイサイド、ハイランド、アイラなどと言った代表的なウイスキー産地は、多くの人が聞いたことがあるかと思います。
現在はほとんどの蒸留所が閉鎖
ローランド地方はかつて220以上の蒸留所が稼働し、スコッチウイスキーの90%はローランドで造られている、とまで言われるほど勢いのある地方でした。しかし現在は数えるほどの蒸留所しか稼働しておらず、ウイスキー造りは衰退してしまったと言わざるを得ない状況です。
衰退の理由は諸説ありますが、経済的に恵まれた地域であるが故に、技術革新の中で伝統技術が廃れてしまったことや、ウイスキーの課税が跳ね上がった時代に大都市を持つローランド地方は、他の地方のように密造ができなかったこと、などが原因とされています。
しかし現在でも、ブレンデッドスコッチに必要不可欠な、グレーンウイスキーを造る工場を多く抱えており、ローランド地方がウイスキー作りにおける重要な産地であることには変わりありません。
それだけでなく、ローランド地方で造られる「ローランドモルト」には他の産地とは違う特徴があるので、しっかり住み分けされていてウイスキーファンに愛されているのです。
「ローランドモルト」の特徴
次は、「ローランドモルト」の味わいに迫っていきましょう!
軽さが最大の特徴
「ローランドモルト」の特徴は抜群の軽さです。もちろん軽いからといって無個性ではなく、穀物のフレーバーや若草や花の香りなど、心地良い香りが詰まっています。
これはアイリッシュウイスキーの影響を受け、スコッチでは珍しい*3回蒸留"を行なっている蒸留所があることが起因とされています。
変に着飾らず、麦本来の味わいを感じられるドライな仕上がり。「ローランドモルト」はスコッチウイスキーの主要な産地の中で、最も飲みやすいウイスキーと言っても過言ではないでしょう。
ウイスキーライト層や、繊細で良い香りのものが多いので女性にオススメ。クセが強いウイスキーは賛否両論分かれやすいので、プレゼントの際にも「ローランドモルト」は適切でしょう。
*一般的には2回蒸留。3回蒸留すると、より澄んだまろやかな仕上がりになる。
オススメの「ローランドモルト」
軽さが特徴の「ローランドモルト」。近年は蒸留所が減っていることから希少な銘柄が増えたり、価格が高騰していたりするものもあります。
次は、そんな「ローランドモルト」のオススメ商品を紹介します!
オーヘントッシャン 12年
創業は1800年頃。スコットランド随一の大都市であるグラスゴーから北西16キロほどに位置し、クライド湾を見下ろす斜面上に蒸留所を構えているのがオーヘントッシャンです。
前述した3回蒸留の伝統を守りづづける、「ローランドモルト」の代表格。「オーヘントッシャン 12年」は、そんな同ブランドの定番です。
繊細で複雑な香り、ドライな味わいが特徴。心地良い甘さ、スッキリとした飲みやすさを感じることができる一本です。
グレンキンチー12年
1837年創業。スコットランドの庭園と称される、のどかな穀倉地帯でウイスキーを生産するグレンキンチー。あまり有名ではありませんが、あのジョニーウォーカーのキーモルトとしても利用されています。
代表銘柄「グレンキンチー12年」は、軽くドライな味わいが特徴的。どこか田舎を感じさせる香りと上品な香りが融合した、優しく綺麗な仕上がりが素晴らしいです。
食中酒の他、食前酒として楽しむのもオススメで、いずれにしても食事との場にもってこいの一本。個性が強すぎないので、どんな料理もカバーしますよ!
まとめ
かつてのスコッチウイスキーの代表的な産地。そして、今でもウイスキー造りにおいて重要な地域として知られているローランド地方の「ローランドモルト」を今回は紹介しました。
現在も稼働している蒸留所の数は少ないものの、その味わい、クオリティーは高く評価されています。ぜひ「ローランドモルト」を楽しむ機会があれば、積極的に飲んでみてくださいね!
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