秋が深まると、あちらこちらで「ボージョレ・ヌーヴォー解禁」という文字を見かけます。
毎年解禁日が近づくと、メディアや酒屋ではボージョレ・ヌーヴォーが大きく取り上げられ、大きな注目を集めますよね!
しかし、ボージョレ・ヌーヴォーにはなぜ解禁日があるのでしょうか?今回は、ボージョレ・ヌーヴォーが解禁日を制定した理由えお徹底解説していきます!
ボージョレ・ヌーヴォーとは
今年収穫されたブドウから造られた新酒
ボージョレ・ヌーヴォーとは、フランスのブルゴーニュ地方のボージョレ地区で今年収穫されたブドウで造られたワインのことをいいます。
「ヌーヴォー」という言葉はフランス語で「新しい」という意味があります。つまりボージョレ・ヌーヴォーとは文字通り、ボージョレ地区の新酒、というわけですね。
解禁日はいつ?
ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日は11月の第3木曜日。この日の午前0時をまわらないと、小売店や飲食店では、ボージョレ・ヌーヴォーを一般消費者へ販売することができません。
そのため、多くのワイン愛好家たちは、この日この時を心待ちにしているのです。
では、なぜこのような一律の解禁日が定められているのでしょうか?
なぜ解禁日があるの?
ヌーヴォー人気の背後で生じた問題とは
ボージョレ・ヌーヴォーは、もともとはボージョレ地区の収穫を祝うための新酒。ブドウの収穫からたったの2ヶ月前後で飲めるワインということで、 世界中のワイン愛好家達から注目されるようになりました。
しかし早く飲めるワインと人気がゆえに、ある問題が生じてしまいます。
ボージョレ・ヌーヴォーを早く出荷すればするほどよく売れるので、生産者達が我先にと争うように自分のところのワインを早く出荷しようとしたのです。その結果、未熟なワインや粗悪品が市場にたくさん出回ってしまいました。
質を保つために制定された解禁日
生産者達の早出し競争が激化した結果、ボージョレ・ヌーヴォーの品質の低下を招くことになってしまったのです。
そこで、ボージョレ・ヌーヴォーの品質と格を保つため、1967年にフランス政府はボージョレ・ヌーヴォーの解禁日を制定。全てのボージョレ・ヌーヴォーは、同時に販売されるのが厳密な決まりとなったのです。
こうして、生産者たちもより公正な競争ができるようになり、私たち消費者のもとにも一定の質が保たれたボージョレ・ヌーヴォーが届けられるようになったのです。
実は2回変わった!ボージョレの解禁日
ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日は、実はこれまでに2回変更されています。
初めて解禁日が制定されたときは、11月11日と定められていました。その後、縁起が良い「サン・マルタン」という聖人の日にちなんで、11月15日に変更されました。
しかし解禁日が日曜日に重なってしまうと、フランスではワインの生産者だけでなく小売店も飲食店も働きません。そうなると、解禁日当日にお祭り騒ぎができなくなってしまい、売り上げにも大きく影響してしまう不都合が生じます。
そこで、1984年に現行の11月の第3木曜日と変更されたのでした。
お国変われば文化も違う!
解禁日が日曜日に重なると働かないなんて、日本ではちょっと考えにくいですよね。日本だったらスタッフ総出で休日出勤してでも、お客さんに新酒を販売したり提供したり、イベントなどを催したりするのではないでしょうか。
しかしフランスはキリスト教の影響から、「日曜日は安息日」という考え方が根強くあり、たとえ解禁日であろうと日曜日は休んでしまうのが常なのです。
解禁日ひとつ取っても、このような文化の違いを垣間見ることができるなんて面白いですよね。
まとめ
ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日が定められているのには、ちゃんと理由があったわけですね。
解禁を機に仲間たちと集まって「ボージョレ・ヌーヴォー解禁パーティー」を開くという楽しみ方ができるのも、解禁日のあるボージョレ・ヌーヴォーならではの魅力なのではないかと思います。
今年のボージョレは、どんな出来になっているのでしょう??今から楽しみですね!
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