毎年秋になると、ボージョレ・ヌーヴォー解禁の話題が出てきますよね。なんとなく、お祭り気分が味わえるためついつい購入したくなってしまいますよね!
しかし、意外に知られていないのが”ボージョレ・ヌーヴォーと普通のワインの違い”。普段から一般的に飲まれているワインとは、一体どこが違うのでしょう。
毎年購入している方も、今年は買ってみようかなと思っている方も、ぜひ違いを知っより一層ボージョレを楽しんじゃいましょう!
ボージョレ・ヌーヴォーってどんなワイン?
ボージョレ・ヌーヴォーとは
ボージョレ・ヌーヴォーとは、フランスのブルゴーニュ地方のボージョレ地区で収穫されたブドウから造られたワインのことをいいます。その年に収穫されたブドウを使って作られていることが、大きな特徴です。
「ヌーヴォー」とはフランス語で「新しい」という意味であるように、できたてほやほやの新酒というわけですね。
フランスの法律で、ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日は毎年11月の第3木曜日と定められています。この解禁日の午前0時を過ぎないと、飲食店や小売店などは一般消費者に対してボージョレ・ヌーヴォーを販売・提供できない決まりです。
普通のワインとどこが違う?
ボージョレ・ヌーヴォーが普通の赤ワインと大きく違う点は、収穫から出荷までのスピードです。
普通の赤ワインが出荷されるのは、早くても収穫の翌年。長期熟成させるようなワインであれば、収穫から何年も経ってから出荷されることもあります。
一方のボージョレ・ヌーヴォーは、私たち消費者のもとに届くのは収穫からおよそ2ヶ月後。
この差はどこから生じるのでしょうか?その鍵は、ボージョレ・ヌーヴォー独自の製法が握っています。
ボージョ・ヌーヴォーの独特の製法とは
ボージョレ・ヌーヴォーがブドウの収穫からたったの2ヶ月足らずで飲めるのは、その独自の製法に理由があります。
普通の赤ワインの製法とボージョレ・ヌーヴォーの製法を比べてみましょう。
普通の赤ワインの製法
一般的に、赤ワインを造るときには収穫したブドウを潰し、果汁に果皮や種子を漬け込んだ状態でアルコール発酵をさせます。
このときに果皮から果汁に色素が移るため、あの赤ワイン特有の色合いが生まれるわけですね。その後、数カ月から数年の熟成を経て、不純物を取り除いてから瓶詰めされています。
ボージョレ・ヌーヴォーの製法
ボージョレ・ヌーヴォーの主なブドウ品種は、赤ワイン用のガメイという品種。渋みが少なく、フルーティーな味わいが特徴です。
この特徴を活かすため、ボージョレ・ヌーヴォーの場合、ブドウを潰さずにタンクに密閉し、タンク内を炭酸ガスで充満させた状態で数日置くという製法がとられます。この製法を「マセラシオン・カルボニック」といいます。
マセラシオン・カルボニックの製法を行うと、ブドウ自体の重みで下の方のブドウから潰れて果汁が流れ出て、自然に発酵が始まります。
また炭酸ガスに浸かることで果皮の色素が出やすくなり、美しいルビー色のワインができあがります。
ボージョレ・ヌーヴォーの香りや味の特徴は
香りの特徴
ボージョレ・ヌーヴォーは上述したように、主にガメイというブドウ品種から造られています。ブドウ由来の香りとして、イチゴやスミレ、バラのような華やかな香りが挙げられます。
また、先述したマセラシオン・カルボニックによって、バナナやキャンディーのような甘い香りも現れます。
味わいの特徴
ボージョレ・ヌーヴォーの味わいの最大の特徴として、フレッシュな果実感が挙げられるのではないでしょうか。
軽やかで渋みも少ないため、赤ワイン特有の渋みが苦手という方でも飲みやすいことが特徴です。普段赤ワインは飲まないけれど、ボージョレ・ヌーヴォーだけは飲むという方もいらっしゃいます。
まとめ
ボージョレ・ヌーヴォーへの理解が深まれば深まるほど、解禁日がより一層待ち遠しくなるのではないでしょうか。
ぜひ皆さんも、ボージョレ・ヌーヴォー片手に、秋の夜長を思い思いに楽しんでくださいね。
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