ワインの説明書きなどを読んでいると、必ずどこかで「テロワール」という言葉に遭遇するでしょう。
実はこのテロワール、ワインの味を大きく左右するんです!
今回はワインの「テロワール」について解説します。
「テロワール」とは?
「テロワール」の意味
「テロワール」とは、フランス語で「土地」を意味します。
ワイン用語における「テロワール」とは、その「土地の個性」とも言うべき、ワインの味わいに影響を与える自然環境要素を総称したもの。
具体的にはワインのブドウが育まれる畑の地理的条件や土壌といった要素が挙げられます。
ワインの味は「テロワール」で決まる?
ワインの味わいというのは、実はこの「テロワール」によって大きく左右されています。
確かにワインの味わいを決定づける要素には、ブドウ品種や醸造方法、生産者などがあります。特にブドウ品種というのは、ワインの味わいに大きく影響するといっても過言ではありません。
しかしこのブドウ品種の前提となっているのが、「テロワール」なのです。
というのも、「テロワール」によって育ちやすいブドウ品種とそうでないブドウ品種があるため、結局のところは「テロワール」ありきのブドウ品種、というわけなのです。
ワインの特徴はブドウ品種ももちろんですが、その前提となる「テロワール」によって決まる、と言っても良さそうですね。
「テロワール」の要素①:「気候」
テロワールの要素についてさらに詳しく解説していきます。
どの気候区分に属するか
「テロワール」における地理的条件としては、まず第一に「大陸性気候」や「地中海性気候」といった、その土地の気候区分が重要な要素として挙げられるでしょう。
ワインの一大銘醸地、フランスのブルゴーニュ地方は大陸性気候に属し、一日の中、年間を通しての気温差が大きく、良質なブドウが育ちやすい気候です。
また、イタリアやフランス南部、スペイン南部、カリフォルニアなどが属する地中海性気候の地域は、年間を通して温暖かつ日射量も多いため、ブドウが病気になるリスクが低いとされています。つまりブドウ栽培に適しているため、ワインの生産が盛んに行われているのです。
天候もワインの味を左右する
気候だけでなく気温や降水量といった天候の特性というのも、ワインの味わいに大いに影響を及ぼします。
一般に、冷涼で晴天が少ない地域のブドウから造られたワインは、酸味が際立つすっきりとした味わいになります。
逆に、温暖で晴天の多い地域のブドウから造られたワインは、パワフルかつ濃厚な味わいになります。
「テロワール」の要素②:「立地」と「土壌」
ブドウ畑の立地条件は?
畑の標高、傾斜の有無、そして所在地などもブドウの育ち方やワインの味わいに影響を及ぼします。
標高が高くなれば気温が低くなったり、傾斜があれば日当たりが変わったりするからです。
また、畑の所在地も重要。例えば、海に近い畑で育ったワインからは海藻や貝殻といった香りやほのかな塩味が感じられるなど、海由来の風味が感じられることもあるほど。
畑の土壌も肝心
畑の土壌や地質というのも、実はワインの味わいと深い因果関係があります。
良質なブドウが育つのは、水はけの良い、痩せた土地だと言われています。
そのような土地の中でも、一般的に粘土質の土地では濃厚でタンニンが豊富なワインに、石灰質の土地では爽やかな酸味のエレガントなワインになるなど、土壌によっても味わいが変化します。
まとめ
ここで解説したように、ワインの味わいにはその土地の「テロワール」が反映されています。
つまり、ワインを味わうとは「テロワール」を味わうということになるのですね。
ブドウが生まれ、育ち、そしてワインになるまで熟成された土地に想いを馳せてワインを飲めば、一層美味しく感じられるのではないでしょうか。