最近アメリカを中心に急増しているクラフトビール、「バレルエイジドビール」をご存知でしょうか?
まだまだポピュラーとは言えないけれど、知っている人は知っているビール好き御用達のビールなんです!
バレルエイジドビールってどんなビール?
バレルエイジドビールは英語でBarrel aged beerと書きます。
つまり”木樽”(Barrel)で”熟成した”(aged)”ビール”(beer)。樽熟成ビールのことなのです。
樽で熟成するので、一般的なビールとはかなり違います。それこそ、【樽熟成麦酒】と漢字で書いた方が理解しやすいかもしれませんね。
高級ビール!?
バレルエイジドビールは独特な製造方法がゆえ、製造コストが一般的なビールに比べて高く、大量生産が難しいとされています。そのため高値で販売されることが多く、中には通常製品の数倍以上の値がつくビールも少なくはないのです。
また、バレルエイジドビールは品質が落ちにくいことや、長期保存ができるためヴィンテージ品としての価値も高いとされているのも高値で販売される理由の一つです。
ビールとは思えないようなバレルエイジドビールのテイストに魅了され、虜になるファンも多いようです。
とはいえ、その生産量の少なさからまだまだ国内では見かけることが稀有。
ブルワリーは発表時にイベントを開催して売り出すことも多いので、どうしても飲んでみたい方はそちらをチェックしておくと購入できるかもしれません!
どんな味?どんな製法?
バレルエイジドビールは「ビール」と名前にはつきますが、ビールとはまったく異なる方法で製造されています。
その独特な製造方法がゆえ、味も非常に特徴的です。
製造方法
熟成する木樽は、ウイスキーやバーボンを寝かせていた樽を使用。そこにビールを詰めて熟成させます。いわば用済みの木樽の再利用といったところ。
熟成期間は醸造所によって異なります。さらに使用した樽が何の木からできているか、何を熟成していた樽かによって、味が大きく変わってくるんです。
それこそ樽そのものの持つ香りがビールに移り、ホップの爽やかで華やいだ香りとは別のアロマがたつそう。
まるで一期一会のようなビールなんです!
味
ウィスキーをつけていた樽で寝かせると、ウィスキーが持つスモーキーなテイストが定着し、まるでブランデーのような味わいが感じられます。種類によっては、チョコレートやコーヒーのような味わいを感じることもあるようです!
色は琥珀色。飲み口は炭酸がない分、濃厚で芳醇。一見とろみさえも感じます。
また、バレルエイジドビールは炭酸や水分などが抜け、アルコール度はかなり高くなります。
バレルエイジドビール専用のグラスがある
バレルエイジドビールは度数が高いことから、注ぐグラスも特別です。
ドイツのグラスメーカー「シュピゲラウ」は、バレルエイジドビール専用のグラスを開発しました。
特徴的なのはその形状。まるでブランデーグラスのよう。ボール(お酒を注ぎ入れる部分)はほどよい背の高さで、足の部分はそれほど長くありません。
すぼまったチューリップ型の口元にすることで、アルコール度数のたかいバレルエイジドビールを少しずつ、芳香をたっぷりとたのしみながら味わえるように仕上げているのです。
ワインのテイスティングのようにのみたいものですね・・。
バレルエイジドビールの歴史
アメリカでのクラフトビールのブームは1960年代に始まります。その結果、クラフトビール市場は成長を遂げ、2000年代にはトレンドとして作られるようになります。
アメリカ初のバレルエイジドビールは、イリノイ州シカゴ市にある1988年創業の「バーボンカントリーインペリアルスタウト」と言われています。
アメリカでバレルエイジドビールが盛んに作られるようになったのはその環境にあります。アメリカではバーボンやウイスキーなどの醸造所で使われなくなった木樽を、クラフトビールブリュワリーに卸すというしくみが樽業者との間でできているのだとか。
優先的にバーボンやウイスキーを熟成した木樽がどのブリュワリーにもあったということが、バレルエイジドビールが造られたきっかけとなったのですね!
まとめ
パイオニアが苦労して切り開いたビール市場に新たに根付いたバレルエイジドビールは、その希少性、貴重性からこれからもゆっくりと成長し続けるでしょう。
日本でもクラフトビールが広まるにつれて、バレルエイジドビールが普及していくかもしれませんね!
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