日本酒は非常に本当に奥が深く、原料の違いだけでなく精米歩合や瓶詰めのタイミングでも味が大きく変わるんです。
また、熟成年数によっても同じお酒とは思えないくらい変化があるんですよ。
ということで今回のテーマは…
日本酒の「熟成古酒」
熟成古酒のタイプや味わいをご紹介します!!
熟成古酒とはどんなお酒?
そもそも熟成古酒とはどんなお酒のことを指すのでしょう?
熟成古酒の普及と製造技術の向上を主な目的として設立された長期熟成酒研究会では「満3年以上蔵元で熟成させた、糖類添加酒を除く清酒」を熟成古酒と定義しています。
しかし、基本的に熟成古酒は、純米酒や本醸造酒のような特定名称酒ではなく、しっかりとした基準などがあるわけではありません。
そのため、メーカーがそれぞれ製造後長期間経過しているものを独自に定義して、「古酒」として販売している場合がほとんどです。
中には瓶詰めして1年間熟成させたものを「古酒」として販売している酒蔵もあるんですよ。
このように明確な定義があるわけではありませんが、熟成古酒には共通するさまざまな魅力があります。
熟成古酒の魅力
熟成古酒の魅力としては、まず1つ目に「美しい色合い」が挙げられます。
お酒を透明なグラスに入れてから光にかざすことで、さまざまな色合いを楽しむことができます。また、熟成方法や熟成期間によって淡い黄金色や深い紅色など様々です。このように熟成度合いによって色の変化が分かるのも、熟成古酒の面白さの一つです。
2つ目は、熟成古酒ならではの、独特な香味・口当たりの柔らかさです。他の酒類にはない、スパイスやドライフルーツの熟成感が特徴的。飲んだ後の余韻が長く、複雑かつ力強い味わいを楽しめます。
嗜好性が高く、個性的なお酒が多いため、いわゆる”お酒好き”の方に好まれる傾向があるようです。
熟成古酒のタイプ
熟成古酒は、普通の日本酒と比べどのような味の違いがあるのでしょうか??
今回は、長期熟成酒研究会が定義している3つのタイプ分類をご紹介します。
⚫︎タイプ1 濃熟タイプ
濃熟タイプは、主に「本醸造酒・純米酒」を使用した熟成酒。熟成させる時の温度帯は「常温」です。
特徴としては、熟成を重ねるにつれて照りや色、香り、味が劇的に変化するということ。
このような特徴から、それぞれの酒蔵や商品によって個性豊かな熟成古酒を楽しむことができます。
中華料理など味の濃いものや、焼肉などの脂分の多い料理、またビターチョコレートのような濃厚な旨みと甘みのある食べものとの相性バッチリですよ!!
⚫︎タイプ2 中間タイプ
主に「本醸造酒」・「純米酒」・「吟醸酒」・「大吟醸酒」を使用した熟成酒です。熟成させる時は、低温熟成と常温熟成を併用します。
そのため、低温熟成から常温熟成へ、またはその逆の貯蔵法を採用することで、濃熟タイプと淡熟タイプの中間の味わいを表現することができます。
ほどよい甘味、酸味、苦味のある食べものとの相性が良いとされているので、牛しゃぶしゃぶや干しぶどう、ミルクチョコレートなどと合わせてみてはいかがでしょうか。
⚫︎タイプ3 淡熟タイプ
主に「吟醸酒」・「大吟醸酒」を使用した熟成酒。また、熟成の温度帯は低温です。
吟醸酒の良さを残しつつ、ほどよい苦味と香りのバランスが良い、幅のある深い味わいが特徴的。
フランス料理など、甘味・脂肪が少なく旨み成分が多い食べものとの相性が良いので、白ワインを合わせるようなお料理をイメージしてペアリングを考えると美味しく楽しめますよ!
このように、「熟成古酒」と言ってもタイプがあり、その特徴や相性の良いお料理も変わります。お好みの味やペアリングを参考に、この3タイプの分類分けを有効に使ってみてはいかがでしょうか。
熟成古酒はどうして優しい味なの?
少し難しい話にはなりますが、熟成古酒は期間を置いた分アルコールと水の分子がより細かい粒度で混ざり合い、アルコールの刺激が緩和されます。その結果、味わいががまろやかになるのです。
「アルコールがそのままの状態ではなく、水分子に包まれた状態になるので、香味がやわらかくなるのではないか」と考えられています。
まとめ
熟成古酒の魅力について、ご紹介してきました。
普段はあまり手にする機会が少ないであろう熟成古酒ですが、その味わいは本物。お酒好きを虜にしてしまうのも納得ですよね!!
まだ飲んだことのない方は、通常の日本酒と熟成古酒を飲み比べて、味わいの違いを確かめてみてくださいね。
きっと日本酒がますます好きになると思いますよ!!