日本酒好きじゃなくても、一度は聞いたことがあるであろう単語「山田錦」。良いお酒には、何かと山田錦が使われているイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?
実際に、山田錦は酒米の王様とまで讃えられており、品評会に出品される銘柄の多くに使用されています。言わば日本酒を語る上で絶対に外せないのが、この「山田錦」という米なのです。
ということで今回は山田錦の魅力に迫ります。知ってるようで知らない、山田錦の秘密を教えちゃいますよ!
山田錦とは?
日本酒はお米から造られているわけですが、実は私達が普段口にしている米とはちょっと違ったタイプの米が、日本酒造りには使用されることが多いです。
酒造好適米と呼ばれるそのお米は、食べるのにはあまり適しませんが、酒造りにおいて非常に便利で、美味しい日本酒を造るためには必要不可欠なんですよ!
そんな酒造好適米の一つである山田錦は、大正12年に開発されました。兵庫県明石市の兵庫県立農事試験場で山田穂を母、短稈渡船(たんかんわたりぶね)を父として人工交配。現在では酒米の王様とまで呼ばれ、全国の生産量8割を占めるほどに蔵元に愛されています。
山田錦の特徴
日本酒は米を使用して造られるわけですが、実際に使用するのは米の中心部「心白」の部分がほとんとです。この心白が大きいのが酒造好適米の特徴ですが、山田錦はそんな酒造好適米の中で取り分け優秀とされています。
山田錦は米粒が大きく光沢のある心白米であり、雑味となり得るタンパク質の含量が少なさ、吸水性・消化性の良さが特徴です。これにより「はぜ込み」と呼ばれる、米粒の中心部に麹菌糸が繁殖していく度合いが高く、質の良い麹ができあがっていくのです。
日本酒造りに適した酒造好適米。その中でも良い日本酒を造るのに適している山田錦は、安定した酒質を目指す多くの蔵元にとって、理想な米と呼べるのです!
山田錦を使用した日本酒の特徴
山田錦を使用した日本酒は、一般的にコクがあり甘口になりやすいと言われています。香味のバランスが良く、きめ細かいまろやかさを持った風味が特徴です。
大吟醸酒などの、雑味が少なく、香り高い日本酒造りに特に向いており、高クオリティーの酒を醸すにはうってつけの原料米として、多くの蔵で重宝されています。
実際に、全国の各酒造会社が、その年に製造した自社最高の製品を出品する「全国新酒鑑評会」において、金賞を受賞する日本酒の大半は山田錦を原料とした逸品なんですよ!
山田錦を使用した日本酒を紹介
京姫酒造 山田錦 大吟醸 匠
「京姫酒造 山田錦 大吟醸 匠」は、京都府京都市の京姫酒造が醸す日本酒です。
リーズナブルな価格ながら、山田錦を全量使用したことによる米の旨みを堪能できる大吟醸酒。漂う吟醸香と大吟醸酒らしいキレにより、スイスイ飲めてしまいます。
気兼ねなく飲める値段なのに、確かなクオリティーを誇る京都の地酒。山田錦の風味を知りたい方に、まずはオススメしたい一本です。
梵 ゴールド 純米大吟醸 山田錦
「梵 ゴールド 純米大吟醸 山田錦」は、福井県鯖江市の加藤吉平商店が醸す日本酒です。
名前の通り金色に輝く日本酒。3,000円台で買える純米大吟醸酒ながら、アメリカやカナダ政府主催の式典に採用された実績を誇る、折り紙付きの一本です。
芳醇な香りと、まろやかな米の味わいは、山田錦らしいしっかりした旨味として広がってくれます。それでいて無濾過のフレッシュさも兼ね備えているので、すんなりと飲み進めることができますよ!
獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分
「獺祭 純米大吟醸 磨き二割三分」は、山口県岩国市の旭酒造が醸す日本酒です。
やはり山田錦といえば外せないのがこの銘柄。酒米の王様を23%まで磨いた贅沢な一本です。
圧倒的なフルーティーさ、蜂蜜を思わせる甘味、流れるような後味のキレと、それでいて感じることができる豊かな余韻。全国の方が飲み続けているのが納得できる確かなクオリティーを堪能できます。
山田錦だからできる、皆を虜にする風味を是非味わってみてください!
鍋島 大吟醸 特A山田錦
「鍋島 大吟醸 特A山田錦」は、佐賀県鹿島市の富久千代酒造が醸す日本酒です。
国内外の利き酒のトップが審査を行う、IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)で最優秀賞を受賞。山田錦を使用した、世界一の名酒です。
山田錦の中でも最高峰ランクの「兵庫県特A地区山田錦」を100%使用。その贅沢すぎる味わいは、是非実際に飲んでお確かめください!
まとめ
いかがでしたでしょうか?酒造好適米「山田錦」が、どうして酒米の王様とまで讃えられているのか、その秘密をお分りいただけたかと思います。
もはや定番となっている山田錦。他の様々な酒造好適米を楽しむ時に、山田錦は一つの指標になっていると言っても過言ではないでしょう。
これから日本酒を好きになっていく方も含めて、山田錦の風味を覚えていってくださいね!
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