ワイン好きの方であれば、一度は聞いたことがあるであろう言葉「旧世界」と「新世界」。
なんだか歴史の授業で扱われそうな言葉ですが......、ワインの世界においては少々意味合いが変わってきます。
今回は、ワイン好きなら知っておきたい知識として「旧世界」と「新世界」の意味そして特徴について紹介していきます。
「旧世界」と「新世界」とは
ワイン造りの歴史の長さの区分
地球温暖化にともなって気候が変動したりしたり、ワイン用のブドウ畑として新しい土地が開発されることに伴い、ワインの生産地は年々塗り替えられています。
そのため、ワインの産地=ヨーロッパとは一概に言えなくなってきているのです。
そこで、ヨーロッパの国々のように紀元前の時代から伝統的にワイン造りを行ってきた国々を「旧世界」、ワイン産業新興国のことは「新世界」もしくは「ニューワールド」と呼んで区別するようになりました。
「新世界」にはどんな国があるの?
「新世界」に該当する国としては、アメリカやカナダ、チリ、アルゼンチンといった南北アメリカ大陸の国々をはじめ、オーストラリアやニュージーランドといったオセアニアの国々、南アフリカなどが挙げられます。
これらの国々にワイン造りが伝わったのは、主に15世紀から16世紀のことだと言われています。その時代、ヨーロッパからの移民が新たな土地にワインを根付かせようとしたのが、「新世界」におけるワイン造りの起源です。
これらの国々よりもさらに歴史は浅くなりますが、明治時代(19世紀)からワイン造りが始まった日本もまた、世界中のワイン愛好家から注目される「新世界」の国のひとつです。
旧世界のワインの魅力
伝統と優れたテロワール
旧世界と呼ばれるヨーロッパの伝統的なワイン生産国では、紀元前からワイン造りが行われており、長い歴史の中で人類と共にワインも発展を遂げてきました。
これらの国々では、すでにブドウの栽培に適した場所がしっかりと見定められ、それぞれの地域の気候条件や土壌に適したブドウ栽培が行われているのです。そのため、旧世界のワインの大きな魅力のひとつとして、産地ごとに特徴が際立っていることが挙げられます。
旧世界では、このような産地ごとの個性(テロワール)が重視されているため、一般的にラベルには畑名や産地などが書かれていているのです。
法による品質の確かさと格付けによるブランド価値
伝統的にワイン造りが行われていたヨーロッパでは、ブドウを収穫する地区や品種、醸造法などを厳密に定めた、ワインに関する法律が制定されています。このような法律の縛りがあるからこそ、ワインの品質が守られてきた、という側面があるのです。
また、法や規則に基づき、国や地域ごとにワインの格付けが行われているのも、その品質の高さを底上げする要因となっています。このような”正確な格付け”があるからこそ、ワインにブランド価値が生じるのです。
新世界のワインの魅力
旧世界を凌ぐ勢いで成長中
ワイン造りにおいて、旧世界には到底及ばない歴史しかない新世界の国々ですが、歴史が浅いながらも最新の醸造技術などを取り入れ、ヨーロッパのようなワインを造ろうと懸命に努力しています。
まだまだ発展途上と言われる品質の物もある一方で、その中には完成度・クオリティ共に高く、旧世界のワインと肩を並べるくらいまでに成長している物も少なくはないのです!
また、一般的にラベルにはブランドよりも”ブドウ品種”が表記され、味のわかりやすさも魅力のひとつとなっています。
優れたコストパフォーマンス!
「新世界」では、最新機器などを投入し、大量生産が可能なワイナリーも多く存在します。ヨーロッパではブドウの栽培面積やワインの生産量が減少傾向にあるのに対し、「新世界」では生産量を増やしているのです。
そのため、流通量も多くなり、手頃な価格で手に入るワインも多いのです。クオリティに関しても、申し分ないものが多く、”コストパフォーマンスに非常に優れている”と言えるでしょう。デイリーワインとして、気軽に楽しめるのも魅力の1つですね!
まとめ
このように、「旧世界」「新世界」それぞれのワインに違った魅力があるのです。ぜひ皆さんも、そのシーンに応じて飲むワインをチョイスしてみてくださいね!
色々な国や地域のワインを飲み比べ、それぞれの特徴を感じ取ることであなたのワインライフはより充実したものになると思いますよ!