お酒の商品紹介を読んだ時に、馴染みのない言葉の羅列に戸惑ったことはありませんか?
例えばウイスキーだったら、ボディがなんちゃらとか、ピート香がなんちゃらとか、、、
正直よく分からないですよね(笑)僕も最初はさっぱりでした。
本日はそんな用語の中から、ウイスキーの記事でしばしば見る「カスク」という言葉について説明します。
「カスク」とは?
結論:「カスク」=「樽」
結論をいうと「カスク」とは「樽」のことです。樽は言わずもがな、ウイスキー造りに於いて「命」と呼べるほど重大なアイテムですから、よく目にすることがあるのです。
皆さんは「ウイスキーの色」と聞いて何色を想起しますか?恐らく「茶色」とか「琥珀色」だと思います。実はこの色を付けているものこそが「カスク(樽)」なのです。
ウイスキーとは、"原料(穀物)を発酵させ、蒸留させた後に木樽で熟成させたもの"なのですが、実は蒸留直後のウイスキーは無色透明の液体なんですよ!
この状態をニューポットとかニュースピリッツと呼びます。この時、ウイスキーの特徴である香りはまだほとんどありません。
このニューポットを、樽に詰めて貯蔵・熟成することで、始めてウイスキーらしい色と香りを持つようになっていくのです。
つまり「カスク」とは、ニューポットを皆さんが知っているウイスキーに変化させる、重大な役割を持っている「樽」のことです。
個性豊かな「カスク」たち
ウイスキー造りに於いて、重大な役割を持つ「カスク」は、当然いろんな種類があります。目指す味わいや、地域の特色によって、様々な「カスク」が使用されているのです。
例えば、スコッチウイスキーの貯蔵に使用される「カスク」は、主に「ホワイトオーク」と「ヨーロピアンオーク」です。この「カスク」で何年、何十年も熟成されることで、スコッチらしい、穏やかでいて芳醇な風味に仕上がっていくのです。
また、日本ではミズナラ(ジャパニーズオーク)製の「カスク」を用いることもあります。ミズナラの樽で熟成すると、香木(心地よい芳香を持つ木材)に似た風味を持つ、日本独特のウイスキーとして仕上がると、世界から注目を集めているんですよ。
その他にも、シェリー樽やバーボン樽など、他の酒の貯蔵樽を用いる場合もあります。使用済みの「カスク」を使い、熟成させることで、前のお酒の風味と絡み合った、複雑で奥行きのある味わいになります。
ちなみに
「バレル」も「樽」という意味を持ち、ウイスキー用語としてもしばしば登場します。「カスク」との違いは、「カスク」が"特に酒類を熟成させるための大型の樽を指す言葉"であるのに対し、「バレル」はサイズを表す言葉です。
「カスク」の中に「バレル」が含まれていると考えればよろしいかと。
「カスクストレングス」
それでは最後に応用編として、「カスク」が含まれた言葉「カスクストレングス」と「ダブルカスク」について、実際の商品と共に説明します。まずは「カスクストレングス」から!
ラガヴーリン 12年 カスクストレングス
一般的にウイスキーは、アルコール度数50%~60%もある原酒に加水し、アルコール度数を40%程度に調整し瓶詰めされます。
この、加水をしていないウイスキーをそのまま瓶詰めしたものを「カスクストレングス」というのです。
「ラガヴーリン 12年 カスクストレングス」は、「ラガヴーリン 12年」の原酒そのままVer.ということ。
流石に度数はキツイものの、ラガブーリンらしさがそのまま詰め込まれた味わいは、ファン必見です。
「ダブルカスク」
ザ・マッカラン ダブルカスク
「ダブルカスク」とは即ち2つの樽。「ザ・マッカラン ダブルカスク」は、ヨーロピアンオークのシェリー樽と、アメリカンオークのシェリー樽を使用し、2種類のシェリー樽原酒をブレンドした、シェリー樽100%熟成のウイスキーです。
その味わいは、次世代のスタンダードマッカランと呼ばれるほど。「マッカラン」らしい芳醇さはそのままに、バニラのような香味がバランスよく整えられた、洗練された味わいが特徴です。
まとめ
ウイスキー用語「カスク」について説明させていただきました。一つ一つ言葉を理解しながら飲むことで、きっと今まで以上に味わいも理解できると思います。
この記事が、あなたのウイスキーライフに少しでもお役に立てれば幸いです。
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