日本酒って奥深くないですか?奥深いんです。全て語ろうとすると、ハ○ーポッター全巻と同等の文章量になるくらい。いや、それ以上かも知れません。
そんな奥深くて、様々なタイプがある日本酒の中から、皆さんはどうやって好きな味わいの日本酒を発掘してますか?
代表的なところで言うと、地域・名称・数値だと思います。例えば
東北のお酒を探してみる
地域によって、造られる日本酒に特徴があります。例えば東北のお酒は、スッキリ辛口系が多いので、スッキリ辛口好きは東北のお酒を探せば、良い日本酒と巡り会えるかもしれません。
純米と表記されたお酒を探してみる
名称によってそれぞれ特徴があります。例えば純米酒は、簡単にいうと"米のみで造られたお酒"という意味なので、純米酒ならではの米の旨みが好きならば、純米酒を中心にお酒を探せば、良い日本酒と巡り会えるかもしれません。
日本酒度+10以上のお酒を探してみる
日本酒は、味わいを表す様々な数値が公開されていることが多いです。例えば日本酒度は、一般的に+になるほど辛く、−になるほど甘いとされているので、辛いお酒が好きならば、日本酒が+のものを探せば、良い日本酒と巡り会えるかもしれません。
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もちろん、なんとなくラベルで選ぶ方も多いでしょう。ラベルで味わいを表現するということは、当たり前のように行われています。華やかな日本酒が飲みたければ、華やかなラベルの日本酒を選ぶのがオススメです。
さて、少し語ろうとしただけでこれだけの文章量になってしまいましたが、本日は、皆さんがより自分好みの日本酒に出会うお手伝いとして
「あらばしり」
「中取り」
「責め」
という三つの種類をご紹介します。これを読めば、あなたが「あらばしり好き」なのか「中取り好き」なのか「責め好き」なのか、きっと分かると思います、、、「責め好き」ってちょっと...なんか...アレですね。
そもそも何を区別しているの?
日本酒には搾る作業があります。表現は絶対に正しくありませんが、水に濡れた雑巾を搾ると、水が垂れますよね。ザックリしたイメージはあんな感じです。
日本酒は、元になる存在(もろみ)を搾ることによって、あの美しい液体を回収しています。ここで、絶対に表現としては正しくありませんが、さっきの雑巾をもう一度イメージしてください。
水浸しの雑巾って、最初のうちは、ほとんど力を入れなくてもボタボタ水が溢れますよね?んでその後搾って大体の水を抜き、最後に力一杯搾って水が垂れないようにしませんか?
つまり、水が垂れるのは三段階。最初にボタボタ溢れる時。搾った時。最後に仕上げで搾った時。もうお気づきですね?
「あらばしり」「中取り」「責め」は、この三段階にそれぞれ該当しているのです。次は、それぞれについて詳しく解説していきますね。
「あらばしり」
「あらばしり」は、前述した通り、最初に搾られた日本酒です。"最初"という単語でお気付きの方もいると思いますが、その抜群のフレッシュさが「あらばしり」の売りです。
「にごり酒」って、聞いたことありませんか?白く濁ったタイプの日本酒です。ではなぜ濁った日本酒が生まれるのか。それこそ「あらばしり」を紐解く鍵になってくるのです。
日本酒の元になる存在「もろみ」は白いです。この白い「もろみ」を、目一杯搾ることで、透明な日本酒が生まれていくのです。
ですが当然、最初に搾った方は、もろみの白さが残り濁っています。これこそが「にごり酒」の正体で、「にごり酒」は区別すると「あらばしり」なのです。
さてさて「にごり酒」の特徴は、抜群のフレッシュさと、見た目からも連想できる濃厚な味わいです。「あらばしり」の特徴もそういったものだと言って問題ないでしょう。
ただ、注意しなければいけないのは「あらばしり」=「にごり酒」ではありません。なぜなら「にごり酒」を区別するのは、あくまで濁っているかどうかということだからです。「あらばしり」という括りの中に「にごり酒」が入っているとご理解ください。
「にごり酒」として仕上げられていない「あらばしり」は、「にごり酒」の特徴であるフレッシュさ・濃厚な味わいに加え、いくつかの要素があります。
それは、あまり強く搾られていない故の、フレッシュな勢いがありながらも、不安定な酒質、雑味なども含めた荒々しい風味です。またアルコール濃度も低め。
トータルで考えると、生まれたてのフレッシュさ、まだ様々な要素が纏め上げられていない故の力強い風味、が「あらばしり」の特徴といって良いでしょう。
「中取り」
「中取り」は、いわゆるもっともイメージしやすい日本酒、と言って良いでしょう。透明なthe日本酒です。「中取り」の他に「中汲み」「中垂れ」と呼ばれることもあります。
「あらばしり」を搾りきった段階なので、酒質は安定しており、雑味なども少ない、バランスの取れた風味になっています。三段階で最も重宝され、品評会に出品される日本酒も、ほとんど「中取り」です。
the日本酒なので、あまり説明することはないです。皆さんがよく飲んでいる日本酒は、搾りで区別するとほとんど「中取り」だった、ということですね。
「責め」
「責め」は、正直ほとんど市場に出回ることはありません。余り...というと、やはり表現として正しくありませんが、「あらばしり」、そして「中取り」も搾りきった後の最後の部分だからです。
搾れるところは、ほとんど搾ってしまっている段階から、更に搾ることによって抽出される「責め」は、非常に強い圧力をかけて搾り出されます。
「あらばしり」とは対照的に、アルコール度数が高くなり、また「中取り」のようなバランスも保てないので、雑味なども多いのが特徴。
故に「責め」の部分は、もちろん日本酒なのだけれども、あまり市場に出回らないのが現状です。ただ、雑味には雑味の旨味がありますし、そういった部分が好きな人もいるので、一概に駄目なお酒という認識にはならないで欲しいですね。
まとめ
・「あらばしり」は、フレッシュさ・力強い風味、が特徴
・「中取り」は、安定して酒質、バランスの取れた風味、が特徴
・「責め」は、強いアルコール度数、雑味なども含めた風味、が特徴
搾りの段階で風味が変わるのは、日本酒の面白いところですね。現代では、機械で一気に搾ることも多いため、そもそも区別されていないことも多いです。
逆にいえば「あらばしり」「中取り」「責め」、それぞれ記載がある日本酒は、丁寧に搾りを分けたお酒と考えていいでしょう。
そういった所も知って飲むと、日本酒はより、きっと美味しく感じることでしょう。この記事があなたの日本酒ライフに、少しでも役立てば幸いです。
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