近年、日本でも爆発的な流行をみせている「クラフトビール」。今までは、”とりあえずビールで!”と注文していた文化でしたが、”〇〇エールをください”と銘柄や種類を指定してビールを楽しむ人がかなり増えてきました。
ビールに限らず、お酒は知識を増やすことでさらに楽しく・美味しく飲めるようになります。というわけで、ここではビールにまつわる専門用語をご紹介!今回のテーマは「IBU」。
人気のIPAビールを飲むときには、頻繁にでてくる単語なので、ぜひとも覚えておきましょう!
IBU=苦味の基準
IBUは「International Bitterness Units」の略語のこと。日本語で言うと「国際苦味単位」といった意味になります。
国際苦味単位というのは、”そのビールがどのくらい苦いのか”を示すもの。つまりIBUの数値を見れば、そのビールがどれくらい苦いのかを、飲む前に何となく把握する事ができるのです。
ビールの「苦味」を生み出すのは原材料の1つであるホップですが、このホップの「使用量」・「煮込み時間」・「α酸(ホップの花に含まれているホップの苦味の源)の含有量」によって苦味の程度が変わってきます。
一般的に「ホップの使用量が多い」・「ホップの煮込み時間が長い」・「α酸の含有量の高いホップを使用」したビールは、IBUの数値も高くなると言われています。
IBUは1つの基準!IBUが全てではない
ここまで読んでいただいたみなさんは「そうか、IBUはビールの苦味の程度を測る単位ならその数値が高ければ高いほど苦いビールなのか…」と思ったはず。しかし、必ずしもそうとは限らないのがビールの面白い部分!
この「IBU」という数値は、あくまで計算上求められる数値です。私たち人間が感じる味覚は、そのような数値では測り切ることのできない、複雑な構造をしています。
例えば、ブラックコーヒーを思い浮かべて見てください。コーヒー(苦味)に砂糖(甘味)を足すと、苦味を感じにくくなることが多々ありますよね?これと同じく、IBUの高いビールであったとしても、ベースとなるビールの糖度や麦芽の量によって味が左右され、数値ほど苦味を感じないこともあるんです。
また、飲む人のその日の体調や季節の変化、ビールの温度によっても苦味の感じ方が変わってきます。そのため、「IBUが高い=苦い」とは一概には断言できないのです。
ただ、飲んだことのないビールの味を想像したり、ある程度の苦味を想定する数値として、IBUはとても参考になります。ビールをメインに取り扱うビアバーなどでは、メニューにIBUが表記されていることも多いので、注文の際は参考にしてみてください。
IBUに注目してみよう
IBUについて詳しくなったところで、私たちがいつも飲んでいるビールのIBU数値がいったいどのくらいなのか見ていきましょう。
今回紹介するのは「一番搾り」「エビス」「スーパードライ」の3つ。IBUの値は、「一番搾り」がIBU21、「エビス」はIBU25、「スーパードライ」はIBU16となっています。
他にもサッポロ黒ラベルは「IBU21」、キリンラガーは「IBU25」、サントリーモルツは「IBU21」と日本でポピュラーなビールはIBUの値が20前後となっています。
IPA初心者必見!おすすめの高IBUビール
■ヤッホーブルーイング 「インドの青鬼」
ヤッホーブルーイングが販売する、人気IPA「インドの青鬼」はIBU「56」と苦めの設定です。
最近では、コンビニやスーパーマーケットでも購入できるようになり、ビールファン以外の方からも認知度が高いヤッホーブルーイングの商品。正直言って、コンビニでこんなにクオリティーの高いビールが購入できるなんて......。良い時代になりました。
IPA入門者や、高IBUビールを飲んでみたいという方におすすめの1本です。
知識を増やせばお酒はもっと楽しくなる!
みなさん、ビールの「IBU」について正しく理解できたでしょうか。
近年人気を集める”苦いビール”IPAを飲む際は、必ずと言って良いほど出てくる単語「IBU」。IPA以外でも、ビールの苦味を表す1つの指針としてメニューに表記しているバーが増えてきているんです。
ビアバーなどで、自分の好みにあったビールを探すときなどの参考にしてみてくださいね!