美味しい日本酒を持ちよる会。仮に、こういったイベントを友人が企画したとしたら、多くの方はどんな日本酒を持ち込まれるでしょうか。
無難に敢えて原点回帰として有名銘柄の純米大吟醸、なかなか手に入れることができない地方蔵の限定酒、さらには自分の地元の酒を持ち込むなど、誰しもが話題になりそう、またはインスタ映えするような酒を持ち込むのではないでしょうか。
こういった時、ほぼ100%の確立で持ち込まれないのが、パック酒。「は?冗談でしょ?」と言われてしまうでしょうが、今このパック酒がかなり進化しています。今回、そんなパック酒の進化についてを紹介していきます。
純米規格が増加中!
パック酒というと、添加アルコールをたっぷりと入れた、どくとくの臭みがあるのあの酒というイメージがあるかもしれません。さらに、いかにも「おっさん」という雰囲気も漂ったり、「安マズ」という印象も与えているようです。
確かに、とにかくアルコールを摂取させできればそれで良い、という人たちの定番アイテムなような印象を受けますし、正直若者にとっては良いイメージは皆無と言ってよいでしょう。
しかし、近頃のパック酒はそんな悪いイメージを払拭するような、大変クオリティの高いレベルに仕上げられているのです。まず、注目すべきが純米酒規格が増えている、というところです。
純米酒というのは皆さんご存知の通り、米と米麹、そして水だけを使用した特別名称酒です。添アルであっても、とても飲みやすいものは多く、敢えてそれを飲むという楽しみ方もおすすめなのですが、純米酒の楽しみになれている方は、あまりそういったものがお好きではないようですので、このパック酒はおすすめです。
大手ならではの技術が詰め込まれている!
パック酒を純米酒にするのであれば、無理をせず普通に瓶で販売させれば良いのではないか、と思った方は少なくはないでしょう。確かにその通りなのですが、パック酒の魅力はちょっと違います。
長期保存が可能であり、さらには大容量でありながらコンパクトなサイズで保管できる、というところに魅力があるのです。
大手もただ中身を純米酒にしているだけ、ということではなく、「パック酒」らしい、飲み口を楽しめるような内容に仕上げているところが、注目ポイントです。基本的には研究機関を持っている、または連携しているので酵母もそれに見合ったもの、麹も狙う酒質のものなど、いろいろとチャレンジ可能です。
そのため、アルコール度数が異様に高いものは避け、比較的低アルコールに仕上げているところが、今のパック酒のトレンドとなっています。
もちろん、アミノ酸から来る旨味も残っているので熱燗などにしても美味しく飲めます。とにかく、パック酒は気負いなく飲めることが魅力ですので、それにプラス品質が伴うのであれば言うことありません。
あの有名メーカーが常識を覆す!
大手メーカーの代表格、といえば菊正宗です。多くの日本酒を提供しており、日本酒業界に与えた貢献度は多大なるものでしょう。さて、そんな菊正宗から昨年発売されたのが、「しぼりたて ギンパック」という商品。
これは、パック酒の概念を打ち破る今までに無かったアイテム、ということで大きな話題となっており、今も尚売り上げを伸ばしている主力商品として活躍中です。新酵母(キクマサHA14酵母)といった、新たな酵母を使用して、精米歩合は低めでありながらも、大吟醸レベルのフルーティーさを実現したのです。
もちろん、価格も求めやすいのでお得。シルバーのパッケージが高級感を与えますし、「おっさんぽさ」は皆無です。日本で造られている酒だからこそ、日常酒として楽しむにはこういったパック酒が品質を上げていかなければなりません。我々も、良い意味で厳しい判断をしつつ、飲み手として日本酒を盛り上げていきましょう。