日本酒を店鋪に購入しにいこう、と思った時にとあることに気がつくかもしれません。それが、瓶の色がそれぞれ違っている、ということです。
もちろん、デザイン性を重視したボトルもたまにありますが、基本的にはボトルの色は透明、茶色、緑、青といったところです。じっくり見ていると、一定の決まりがあるようにも感じます。一体、これはどういったことなのでしょうか。今回、ここでは日本酒の瓶の色の違いについてを紹介していきます。
一升瓶には茶色が多い
まず、一升瓶に注目してボトルの色を見てみましょう。例外も少なからずあるようですが、基本的に一升瓶の色は茶色がほとんどです。これは、何か理由がありそうですが、光を遮る目的で茶色が選択されているといわれています。
実は、日本酒は光にも弱く、極端に光が入ってくると酒質に変化が訪れるといわれているのです。日本酒は、光の紫外線によって液内の化学物質が別の物質に変化してしまう可能性があるお酒です。
ウイスキーや焼酎など、アルコール度数が高いお酒であればある程度では大丈夫ですが、日本酒は少し厳しいようです。仲間と打ち上げでもしない限り、一升瓶を直ぐに飲み干してしまう方は少ないでしょうし、最後まで飲みきるには時間がかかります。
また、一升瓶を置いている酒屋であっても、入荷したら即日完売してくれるとは限りません。そもそも、長期間保存される前提のお酒ですので、一升瓶に茶色が多いといわれているのです。
緑色も安心!
光からの紫外線が日本酒に必要以上に入ってしまう場合、「日光臭」と呼ばれる、飲み手にとっては大変不快な香りが出てくるといわれています。それを防ぐために使われているのが、前述した茶色の瓶ですが、緑色の瓶も多いことに気がつくはずです。
特に、四合瓶などでは多いタイプですし、THE日本酒!といった感じで、特別感があります。この緑色も実は茶色と同様に紫外線をカットするための目的で利用されています。あまり、気がつかなかったかもしれませんが、ワインにも緑色のボトルは多く用意されています。
日本酒もワインも、第一級アルコールから大二級アルコール、さらには酵母がまだ生きていることもあります。かなりの物質が日本酒には残っていることからも、取扱いを間違ってしまうと、どんどん化学変化を起こしていき酒質が変化してしまうのです。なかなか、知られていないことですが覚えておくと、良いでしょう。
オシャレな透明ボトルは?
さて、茶色や緑色のボトルは紫外線をブロックしてくれる効果がある、ということをお伝えしてきました。しかし、近頃ではとてもオシャレな青いボトルや透明のボトルも市販されています。
恐らくではありますが、透明ボトルや青色のボトルには、生酒や純米大吟醸など、比較的早めに飲むことをおすすめされている日本酒が入っていると思われます。長期保存する可能性がある、そういった日本酒の場合は必要ないですが、生酒はどちらにしろ、すぐに飲み干さなければ美味しさが半減します。こういった場合は、透明や青色のボトルでも大きな問題がないと思われます。
ちゃんとした保存方法は守る
とはいえ、夏の日差しの強い場所や蛍光灯が激しく当たっているような場所で保管されている場合、どんどん劣化がすすむ可能性があります。この、「日光臭」ですが、少し酸味を感じる程度であれば良いのですが、獣臭さが酒の風味に加わる劣化です。
せっかくの生酒がもし、獣臭い味わいになったらどうでしょうか。とてもショックですよね。そのため、青色や透明なボトルの場合は新聞紙にくるむか、光ができるだけ当たらない場所を選ぶ、ということが大切です。ぜひ、保存方法にも気を使って美味しい日本酒を飲み続けましょう。