今、日本ワインが注目を集めています。日本で栽培されたブドウを使い、日本で醸造されたワインは、海外のそれと比べても飲みやすいといわれており、今後は世界的にも注目されていくことは間違いないでしょう。
今回、ここでは日本ワインの基礎を築き上げた銘醸地、山梨県のワインの魅力をお伝えしていきます。
日本ワイン発祥の地
山梨県がなぜ、ここまでワイン産地として知られているのか。まず、それは江戸時代から遡るほど前からブドウ栽培に適した土地として知られ、明治時代初期に民間としてはじめてワインづくりを行った場所だからです。
さらに、日本ワインでもっとも重要な「甲州ブドウ」「マスカット・ベーリーA」も日本でもっとも栽培されており、日本全体のワイナリーの4分の1は山梨県に揃っているのです。
民間初のワイナリーである「大日本山梨葡萄酒会社」は、あのメルシャンの前身であり、ここから二人の青年がフランスへとワイン留学へと行き、ワインづくりを広めていったのです。
もともと、ブドウ栽培を行っていたことで原料が調達しやすい、さらにはワインづくりの技術を持っていた。この二つが、山梨県をワイン産地として成長させていったのです。
ブドウ栽培に適している
ワインの銘醸地といえば、山梨県というよりは「勝沼」というイメージが強い方も多いでしょう。勝沼一体は、標高が高く、土地が傾斜になっているのでブドウ栽培に適している土地のためブドウ畑を多く有します。
さらに、昼暑く、夜寒いといった昼夜の寒暖差があるため、ブドウが糖や酸をしっかりと蓄えたまま収穫期を向かえることができます。
そのほか、明野村や一宮、穂坂などの冷涼な地域でもブドウは多く栽培されており、品質の高いブドウ栽培が行われているのです。
醸造技術においても、世界のブドウ栽培地で研修を積んだ人物が多かったり、大手が研究結果を発表して地元ワイナリーへ共有するなど、「個人」としてだけではなく、「産地」としてレベルアップを続けているのです。
勝沼醸造
ここからは、ぜひ飲んでいただきたいおすすめの山梨県産ワインを紹介します。まず、世界的にも評価が高いことで知られている「勝沼醸造」です。
アルガブランカのネーミングでお馴染みのワインですが、あのボルドーの有名シャトーグループの傘下としても知られています。
甲州種ブドウ、マスカットベーリーAのポテンシャルを最大限活かした栽培を徹底して追求しており、醸造も全房発酵に挑戦するなど意欲的です。他社の追随を許さない、まさに最高の日本ワインをつくりつづけています。
中央葡萄酒
中央葡萄酒は、グレイスワインで有名な歴史あるワイナリーです。中央葡萄酒は、海外品種に早い頃から目をつけており、現在では海外でも大変評価の高いワールドレベルのワインをつくっています。
甲州ブドウの垣根栽培に挑戦したり、収量を抑えて糖度をアップさせるなど、さまざまな工夫で良質なブドウ栽培を続けています。着目するべき点は、数々の名誉ある賞を受賞し続けていること。
レギュラー商品である、「グレイス グリド甲州」に関しては、デカンター・ワールド・ワイン・アワード プラチナ賞・アジア地域最高賞受賞を受賞するなど、世界的にも認められています。まず、この1本を基準にして、山梨県のワインを楽しまれても良いのではないでしょうか。
各ワイナリーの飲み比べしよう
今回紹介したワイナリーは、本当にごく一部であり、多くの優れたワイナリーが山梨県には多く存在しています。
また、甲州種やマスカットベーリーA、海外品種などはワイナリーによっても目指すスタイルが違うため、飲み比べするととても面白くおすすめです。
今、日本ワインがブームですが、基本として山梨県のワインからスタートし、それを基準に日本全国のワインを楽しまれると、日本ワインの世界に入りやすいのではないでしょうか。