ウイスキーに詳しくなりたい場合、さまざまなウイスキーを楽しみ、そこからウイスキーの世界を広げていく方法が一般的です。
しかし、ウイスキーとひとことでいってもその種類は多く、美味しいと思えたウイスキーを知ったところで、根本的なことを知らなければ、次回自力でその味わいのウイスキーを探すのは困難です。
今回、ウイスキーの知識として覚えくべき、「モルト」と「グレーン」の違いついてを紹介します。ぜひ、参考にしてください。
モルトウイスキーとは?
モルトウイスキーは、大麦を原料とした、単式蒸留器で1回のみ蒸留が行われるウイスキーのことをいいます。ただし、スコッチウイスキーの場合は大麦麦芽のみを原料として単式蒸留で2、3回蒸留を行うものを指し、アメリカンウイスキーの場合は大麦が51%以上入っているのであればモルトウイスキーと呼んでも良いこととなっています。
モルトウイスキーには、ピュアモルトウイスキーやシングルモルトウイスキーなど、こういった細かな種類が決まっています。
例えば、シングルモルトウイスキーは単一の蒸留所のモルトウイスキー原酒だけつくられたウイスキーで、ピュアモルトウイスキーはモルトウイスキーの原酒を一原酒のみ使ったつくられたウイスキーをさします。
つまり、前者はA社という会社が、自社のモルトのみを使ったウイスキー、後者はB社は自社ではなく、C社の一原酒を使って製造したウイスキーとでも理解しておくと良いでしょう。
グレーンウイスキー
グレーンウイスキーは、大麦ではなく、小麦、トウモロコシ、ライ麦などを原料としてつくられたウイスキーです。
連続式蒸留器で、2、3回と蒸留される部分が特徴的です。モルトウイスキーに比べクセが無く、ブレンド用、またはカクテル用としても使いやすいところが特徴です。ちなみに、グレーンウイスキーはモルトウイスキーより後に誕生したウイスキーで、連続式蒸留機の登場により発展していったウイスキーです。
ブレンデッドウイスキーとは?
モルトウイスキーとグレーンウイスキーは、原料や蒸留方法などが違うため、全く性格の違うウイスキーです。
しかし、この違いを逆手にとって美味しくブレンドしたウイスキーが、ブレンデッドウイスキーと呼ばれる商品です。モルトウイスキーは、いわば焼酎でいう本格焼酎であり、味わいのクセが強く玄人向けといっても良いでしょう。
一方、グレーンウイスキーは製造工程もモルトウイスキーに比べて少なく、さらにはスッキリとしたクセの無い風味ですので初心者向けともいえます。
しかし、グレーンウイスキーはコクがモルトウイスキーに比べると弱く、パンチが弱いという部分もあります。
そこで、このふたつの良さ、足りない部分などを補ってつくられるのが、ブレンデッドウイスキーです。アメリカンウイスキーの場合、ストレートウイスキーをベースに、別のウイスキーやスピリッツを混ぜ入れたものも、ブレンデッドウイスキーの類いとしていますが、基本的にはスコッチウイスキーでいう、シンプルにモルトとグレーンを掛け合わせたものが一般的です。
シーバスリーガルや、ジョニーウォーカー、オールドパーなどの有名銘柄もこのブレンデッドウイスキーであり、こだわりの配合でつくられているのです。
ブレンダーのこだわりを知る
まず、モルトウイスキー、グレーンウイスキー、この二つの個性を単独で飲んで知りましょう。何となく、味わい個性が分かってきたらブレンデッドに挑戦です。
「あ、モルトのここが活かされている」「このまろやかさはグレーンによるものか…」など、ちょっとづつ分かってくるはずです。
ただ、闇雲にウイスキーを飲み荒らしているだけでは、何も分かりません。ぜひ、モルト、グレーンの違いを知って次に活かしましょう。