英語で"ベイ・プライド"と言われたら、何を思い浮かべるでしょうか?
アメフトのチーム名のように聞こえますが、実は“日本酒の愛称”なんです。その日本酒とは静岡の地酒「磯自慢」
今回は、世界の要人たちも愛する日本酒「磯自慢」の魅力についてご紹介します!
「磯自慢」とは?
「磯自慢」は、静岡県焼津市に蔵を構える磯自慢酒造が醸造する日本酒です。
磯自慢酒造のお酒は、桃やメロン、バナナのようなフルーティーで自然な香りと、酸が少なく奥深い味わいが特徴。その味わい深い磯自慢の味は、静岡の地酒としてだけではなく、日本を代表とする日本酒として名を馳せています。
●「磯自慢」の味わいは?
磯自慢は、上品なフルーティな香り・透明感のある甘さ・優しい酸味という"静岡型吟醸酒"を構築したお酒と言えます。
くどさのない爽やかな吟醸香に柔らかな甘みや、程よい酸味が磯自慢の味わいの特徴です。
いずれの名柄も、上品でフレッシュな吟醸香とみずみずしい喉越しがあり、食中酒として美味しく味わえますよ。
料理を優しく包み込み、そっと洗い流す味わいが人気なんだそう。
フレンチ、イタリアン、和食…どのお料理とも相性抜群。
強いて言えば、漁業が有名な街・焼津で生まれたお酒なので、新鮮な魚と味わってみてはいかがでしょう。
磯自慢の蔵元・磯自慢酒造
「磯自慢」を醸す磯自慢酒造は、静岡県焼津市に蔵を構える蔵元です。
磯自慢酒造の創業は天保元年(1830年)と、老舗の酒蔵。
バブル期に日本酒消費量の減少に直面した磯自慢酒造は、高品質な酒を作ることに注力し、経営方針を一変させました。
実際に昭和32年から大吟醸を造り始め、昭和58酒造年度から純米吟醸造りを行っています。
さらに昭和53所蔵年度から三増酒を廃止しています。
三増酒というのは第二次世界大戦後に生産されていたお酒。
深刻な米不足だったため、米から生成されるアルコールの約2倍の醸造アルコールを加えて、結果的に3倍に水増しされて造られた日本酒のことです。
美味しく飲むためのものではなく、まさに酔うための日本酒だったそう。
ちなみに現在は法改正によって三倍増醸酒は製造ができなくなりました。
このように、大吟醸・純米吟醸にいち早く取り組み、さらに質の悪い三増酒を廃止したことで“高品質な日本酒造り”に専念していったのです。
現在でもこの高品質な酒造りを目指すDNAは受け継がれています。
天保元年創業の老舗蔵元でありながら、ステンレス張りの蔵。
ステンレスにすることで、雑菌の繁殖を抑え、清潔を保っているんだそう。
また、特A地区の山田錦、静岡産の酵母など、原料や品質に徹底的にこだわっています。
原料へのこだわりはもちろん、衛生・品質管理も徹底している磯自慢酒造。
この酒造りへの真摯な姿が、磯自慢を世界でも愛飲される日本酒へと成長させます。
日々の晩酌を彩るレギュラー酒が美味しくないといけない、という考えのもと、妥協しない酒造りをしているのです。
意外?静岡で美酒を醸す「磯自慢」の秘訣
日本酒の醸造が盛んな地域と言えば、米どころの灘や新潟、寒冷地域の秋田や北陸などを思い浮かべます。
突出した米どころでもなく、温暖な気候の静岡で「磯自慢」のような美酒を醸す秘訣とは何でしょうか。
●清廉な水
富士山や南アルプスを背に構える静岡県は、高い水質で有名です。磯自慢酒造のある静岡県焼津市の水は、南アルプス連峰が水源です。磯自慢の仕込み水に使われているのは、南アルプルから流れる軟水を使用しています。
蔵自体を冷蔵庫にした徹底された品質管理
磯自慢酒造の壁は、全面ステンレス張りで全室空調を完備しています。この設備によって、まるで冷蔵庫の中のような環境で酒造りができます。温暖な静岡の気候でも、磯自慢のような美酒を醸すことができます。
●“テロワール”の導入
"テロワール"という言葉をご存知でしょうか。
磯自慢酒造は、2010年から兵庫県東条町秋津にある3カ所の田んぼを指定生産地として厳密に指定し、そこで収穫された酒米のみによるお酒の仕込みをしています。
"ロマネ・コンティと聞けば、フランスのブルゴーニュ地方"という具合に、ワインの世界では普及している生産地指定(テロワール)を、日本酒に導入したのが磯自慢です。
磯自慢は生産地指定をすることによって、安定で良好な品質を担保するだけではなく、米の生産農家を守ることにもつながります。
「磯自慢」のすごすぎる快挙
今では"磯さま"と呼ばれている、地元静岡や全国のお酒好きに愛されている日本酒。
こんなにすごい快挙があるのです!
●洞爺湖サミットの乾杯酒に採用された!
先進7カ国首脳会議(サミット)で各国首脳が味わう乾杯酒にどのお酒が選ばれるか、毎回話題になりますよね。
磯自慢は2008年の洞爺湖サミットにて乾杯酒に採用され、一躍有名になりました。
記憶に新しい2016年の伊勢志摩サミットでも、磯自慢は再び乾杯酒に選ばれました。
各国外交官によるサミットの事前会議でも磯自慢が振る舞われたことから、磯自慢は世界の要人にも愛される美酒ということがわかります。
イチローも愛飲している!?
洞爺湖サミットで乾杯酒に採用された磯自慢の銘柄「磯自慢 中取り 純米大吟醸35」は、年に1000本しか流通しない限定酒です。
「磯自慢 中取り 純米大吟醸35」には一本ごとシリアルナンバーがつけられており、0051番の「磯自慢 中取り 純米大吟醸35」は毎年イチローに選手に贈られているのだとか。
又の名は"ベイ・プライド"、海外でも大人気!
世界中が注目するサミットで乾杯酒に選ばれた磯自慢は、世界でもその名を馳せます。
海外での愛称は"ベイ・プライド"や"seashore pride"。
磯自慢酒造からは輸出用の日本酒も販売されています。
SNSでも外国の方が磯自慢を飲んでいる様子が多くアップされています。
ここからも海外でも定評があることがわかりますね。
「磯自慢」の入手方法
磯自慢が洞爺湖サミットで乾杯酒として採用されてから一躍人気の日本酒となり、今では磯自慢は入手困難な日本酒として知られるようになりました。
磯自慢酒造のある静岡の酒屋では磯自慢をよく置いているようですが、その他の地域では磯自慢はなかなか見つからないかもしれません。
磯自慢酒造HPにはhttp://www.isojiman-sake.jp/agentとして記載されているので、こちらをぜひ確認してみてください。
「磯自慢」商品一覧
ここからはインターネットで購入できる磯自慢をご紹介していきます!
磯自慢 純米大吟醸 常田
磯自慢の最高級品とも言える「磯自慢 純米大吟醸」。
その味わいは言わずもがな。指定生産地である東条秋津の「古家」「常田」「西戸」の3種類のボトルがあります。
磯自慢 愛山 中取り純米大吟醸 グラッパブルーボトル
「磯自慢 愛山 中取り純米大吟醸 グラッパブルーボトル」は、希少な特A地区産の愛山を使用したグラッパボトルシリーズの最高峰です。
重厚な味わいと香りでありながら、中取りならではの洗練されたキレと、爽やかなフレーバーを堪能できる1本。
磯自慢 大吟醸 「一滴入魂」 東条秋津産山田錦
「磯自慢 大吟醸 『一滴入魂』 東条秋津産山田錦」は、最も多くの方に支持されている、磯自慢ラインナップの中核を担うお酒です。
魚介のお料理とのマリアージュ、あるいは食中酒として、磯自慢のスタイルや考え方がダイレクトに表現されています。
磯自慢 大吟醸 水響華
「磯自慢 大吟醸 水響華」はその名の通り、軽快な飲み口の綺麗なお酒です。味も香りも主張し過ぎず、酸も控えめな造り。
その清冽な水を思わせるのど越しの後に、磯自慢らしい華やかさを抑えた上品な果実香が薫ります。食中酒としても最適です。
磯自慢 吟醸 生原酒 山田錦
「磯自慢 吟醸 生原酒 山田錦」は、上品なフルーティな香りに、透明感のある甘さ、そして、優しい酸味という静岡型吟醸酒の特性をすべて兼ね備えたお酒です。
くどさのない自然な酒質ですので、飲み飽きせずにスイスイと杯が進んでしまいます。
磯自慢 特別本醸造 特選山田錦 生原酒
「磯自慢 特別本醸造 特選山田錦 生原酒」は、特A地区の山田錦を麹米55%、掛米60%まで磨き、仕込みに使用しています。
普段飲みの酒だからこそ、手抜きのない入魂の酒をという、蔵人一同の思いです。
まとめ
いかがでしたか?
磯自慢が世界で愛される所以は、真心を伝える品質本位の地酒というポリシーにあります。
磯自慢は入手が難しい日本酒ではありますが、一度味わってみたい1本です。
皆さまも、様々な食事と合わせて磯自慢をお楽しみください!