居酒屋で焼酎を注文する時に、「芋」か「麦」かで議論になることもしばしば。筆者は芋派。割り物に合わせやすい麦焼酎もいいですが、あの芋焼酎の香りがなんとも言えないほど好きなんです。
近年の芋焼酎ファンの間では、原料である芋の品種などの違いを楽しむ人も増えていると聞きます。中でも、「香り」が特徴的な「赤芋」や、希少性の高い「紫芋」が今注目を集めています。どうやら、希少性が高いことから、限定販売でプレミアがつく焼酎まで登場しているらしい。
今回は、東京・青山にある5000種類という驚愕の品揃えで話題の焼酎BAR「GEN」で、今後、芋焼酎のトレンドになるであろう「赤芋」「紫芋」を飲み比べてみることにしました。
5000種類の焼酎を取り扱う焼酎BAR「GEN」
まずは、今回の取材の舞台となる、東京・青山にある焼酎BAR「GEN」の紹介をしましょう。「GEN」は、渋谷の宮益坂を登って青山学院大学の少し手前のビルの地下1階にあります。
焼酎BAR「GEN」は、日本一の焼酎&梅酒の品揃えを誇り、その数なんと焼酎約5000種類、梅酒約1000種類以上。一歩店内に踏み入れると天井、壁一面にラベルが貼ってあり、また様々な焼酎が瓶ごと所狭しと置かれています。まるで焼酎の博物館のようなお店です。すべて飲み比べるのに何十年かかるのやら…。
「赤芋」「紫芋」がブーム?
芋焼酎は、「コガネセンガン」という白い身をした「白芋」を使用するのが一般的。しかし、近年では、「赤芋」や「紫芋」といった品種を原料にした芋焼酎の人気が、ジワジワと高まってきています。宝酒造の調べによると、芋焼酎市場の中でもここ数年で2桁増の成長を続けているのが、この「赤芋」や「紫芋」といった香りの高い芋焼酎なのだとか。
ワインがブドウの品種で味が変わるように、日本酒が酵母で香りが変わるように、芋焼酎も芋の品種で味わいが変わります。そうしたことから、原料である芋の品種の違いや個性を楽しむ焼酎ファンが急増しているということでしょう。
「赤芋焼酎」とは?
「赤芋焼酎」とは、「紅さつま」や「金時芋」に代表される、赤い皮をした「赤芋」を原料にした焼酎。柑橘(かんきつ)系を思わせる、甘い香りが特徴で、女性や焼酎ビギナーにもオススメです。
「紫芋焼酎」とは?
「赤芋焼酎」よりさらに希少性の高い「ムラサキマサリ」や「エイムラサキ」といった「紫芋」を使用しているのが「紫芋焼酎」。「赤芋焼酎」よりさらに、フルーティーで華やかな香りが特徴です。
5種類の「赤芋焼酎」「紫芋焼酎」を飲み比べ!
今回飲み比べるのは、「赤芋焼酎」3種と「紫芋焼酎」2種の全部で5種類。豊富な焼酎の中から、「GEN」の店長さんにオススメの5種類を選んでいただき、「赤芋焼酎」「紫芋焼酎」をモデルの宇水遥佳さんに飲み比べてみてもらいました。
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モデル、タレントとして活動。現在ミスブライダルモデルグランプリファイナリストとして奮闘中。お酒は好きだが初心者で、今回芋焼酎に初めて挑戦したがフルーティーな香りと飲み口の良さに感動!
全量芋焼酎「一刻者」<赤>【赤芋焼酎】
多くの芋焼酎には米麹が使われていますが、芋麹を含め、原料となるさつまいもに南九州産の赤芋だけを使用した赤芋100%の本格焼酎です。
良質な芋麹による赤芋由来の豊かな甘みが感じられる香りとまろやかですっきりとした味わいが特徴的。
今までの芋焼酎のイメージとは違ったのか、透き通ったフルーティーな香りに驚きのご様子の遥佳さん。
赤芋全量「明るい農村」【赤芋焼酎】
赤芋100%使用した、赤芋本来の風味が味わえる焼酎。
原料に使われている「アヤムラサキ」(赤芋)は、焼酎の原料としては生産量が少ないのだとか。ワインのように華やかな風味が感じられます。
遥佳さんも、赤芋本来の独特の香りとやさしい甘さに思わず舌鼓。
の馬【赤芋焼酎】
串間特産の「ことぶき芋」(赤芋)と黒麹を使用して、常圧蒸留した原酒を、6年間タンクで低温貯蔵熟成させた逸品。
独特の芳醇香に加え、コクと旨みとまろやかさが特徴の芋焼酎です。
「濃醇な味わいがクセになりそうですね。」と、遥佳さんも納得の奥深い味わいです。
全量芋焼酎「一刻者」<紫>【紫芋焼酎】
こちらは「一刻者」シリーズから限定出荷で発売されているもの。芋麹を含め、原料となるさつまいもに南九州産の紫芋だけを使用した紫芋100%の本格焼酎です。
希少な紫芋を原料とし、手間ひまかけた贅沢なつくりで実現した、フルーティーで香り高くすっきりと飲みやすい味わい。
「先ほど飲んだ3種類も、ビックリするくらい香りが高かったですが、さらに香りが高くて、程よい甘みが感じられますね!芋の種類でこんなに味わいがかわるんですね。」
と、紫芋を使用した芋焼酎の香りの高さに驚きを隠せないようです。
焼紫【紫芋焼酎】
種子島産の紫芋を炭火焼きし醸した逸品。
紫芋にはポリフェノールが含まれており、甘みが強く、焼くことにより香ばしさと独特の甘味が増しています。
「これまでの芋焼酎とはまた違った個性的な味わいですね。まるで焼き芋を飲んでいるみたい!」
香ばしい香りが、独特の風味を醸し出し、新鮮な感動を与えてくれる逸品です。
焼酎に合うこだわり料理と合わせてみた!
それでは、焼酎BAR「GEN」が焼酎に合うようにこだわって作ったオススメ料理と、「赤芋焼酎」「紫芋焼酎」の組み合わせも試してみることにしましょう!
6品の珍味盛り
全国各地の珍味を、店長のおまかせでちょっとずつ盛り合わせた焼酎に合う珍味の盛り合わせです。
牡蠣スモーク、イカの塩辛、塩茹で豆、鮭の酒盗、わかさぎの佃煮、ふきのとうの醤油漬の6種類が一皿に盛りつけられた逸品。
どの珍味もほどよい塩辛さで、焼酎が進むものばかり。6種類もあるので、食べ合わせの幅も広がりそうです。
珍味は濃いめの味付けなので、芋本来の風味を感じられるロックで飲むのがオススメ。
和歌山おでん
焼酎BAR「GEN」と梅業者との共同創作料理である「和歌山おでん」は、「GEN」の人気メニューです。
普通の出汁が効いた一般的なおでんではなく、梅のエキスが凝縮された梅酢を出汁のベースに使用しているため、健康成分が豊富でさっぱりとした味わいとほのかな梅の香りが特徴の逸品です。
アツアツのおでんから立ち上る湯気から、ほのかに梅の酸味が感じられます。酸味の効いたおでんの出汁と、甘みのある「赤芋」「紫芋」の芋焼酎が、絶妙なバランスで調和します。
寒くなってくるこの時期は、温かいお湯割りと一緒に楽しみたいところ。
ポン酢やきそば
焼酎BAR「GEN」の名物料理。普通の一般的な焼きそばとは違い、ソースを使用しない代わりに、ポン酢で仕上げているのが特徴です。
さっぱりとした味わいと酸味は女性にも大人気。
すっきりとした飲み口の「赤芋」「紫芋」の芋焼酎と、ポン酢の効いたサッパリとした味わいの焼きそばも好相性!
ポン酢の酸味が効いた焼きそばには、スッキリとした飲み口の水割りが良く合います。
最後に
最後に、焼酎マイスターである焼酎BAR「GEN」の店長から、最近の「赤芋焼酎」「紫芋焼酎」ブームについてコメントをもらいました!
5000種類の焼酎を取り扱う焼酎専門店を営む店長も注目する「赤芋焼酎」と「紫芋焼酎」。今後の芋焼酎のトレンドになること間違いなしなので、是非お試しあれ!
店名 | 焼酎BAR「GEN」 |
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住所 | 東京都渋谷区渋谷2-9-10 青山ビル B1F |
電話番号 | 03-5485-8316 |
営業時間 | 17:00~翌5:00 |
定休日 | 年中無休 |
HP | http://tabelog.com/tokyo/A1303/A130301/13024355/ |