ブランデーを使用した、まろやかな甘さが魅力のカクテル「アレキサンダー」。高貴な名前に違わず、その味わいはとてもリッチです。
女性にもファンが多いというこのカクテル、実は国によって作り方が違うことを知っていましたか?
今回は、人気のカクテル「アレキサンダー」の魅力や作り方、名前の由来、歴史などを徹底解説していきます。
「アレキサンダー」とは
アレキサンダーは、生クリームが入っているまろやかなカクテル。ブランデーベースなので大人な雰囲気を感じますが、女性でも飲みやすい甘さを感じる一杯です。
アレキサンダーってどんなお酒?
アレキサンダーはチョコレートムースのような色と、香ばしい香りが特徴的な茶色いショートカクテル。ミルキーな甘みのある味わいが魅力で、BARで注文するとバーテンダーがシェイクしてつくってくれます。
普段からお酒を飲んでいて、BARにも定期的に通っている人が飲んだことがないから、挑戦してみたいという場合や、強いお酒は辛口なものが多いので、甘口の強いお酒を知りたいという人におすすめです。
アレキサンダーの特徴
アレキサンダーはアルコール度数が高いので、お酒が苦手な人が飲むのは避けた方がいいでしょう。
日本ではブランデーベースのアレクサンダーが一般的ですが、アメリカの定義ではアレクサンダーはジンベースです。国によってベースとなるお酒が違うので、旅行に行った際に違った味を楽しめるのも、アレクサンダーの面白さといえるかもしれませんね。
アレキサンダーの名前の由来
アレキサンダーの名前の由来は、イギリスの国王エドワード7世が妻である王妃アレクサンドラです。
エドワード7世が王妃アレクサンドラにささげたカクテルということから、その名前がついたと言われています。当初は王妃の名前の「アレクサンドラ」と呼ばれていたそうですが、時代が変わるに連れ徐々に「アレキサンダー」という呼び名に変化していったのだそう。
アレキサンダーの歴史について
アレキサンダーの歴史は、イギリスの国王エドワード7世が王妃・アレクサンドラと結婚した1863年に誕生したという説があります。
しかし、この時代はまだカカオリキュールや生クリームをカクテルに使わなかったので、1901年のエドワード国王の戴冠式か、1902年のアレクサンドラ王妃の戴冠式に献上された説が有力です。
現在はフランスでアレクサンドラと呼ばれている以外、アレキサンダーという名前が浸透しています。
甘口ですが、食後に飲むのに向いているため、日本でも昔から愛されてきました。「酒とバラの人生」という映画の中で、お酒を飲めない妻に主人公がすすめるシーンに登場することでも有名ですね!
アルコール度数は?
レシピにもよりますが、アレキサンダーのアルコール度数25%前後です。甘く濃厚なカクテルなので、アルコール度数が低いと誤解している人もいますが、ショートカクテルの中でもアルコール度数は高めの部類に入ります。
アレキサンダーのカクテル言葉
アレキサンダーのカクテル言葉は「完全無欠」「初恋の思い出」です。
国王と王妃のために捧げられたカクテルなので、完全無欠といった強い単語がカクテル言葉になっているのでしょう。
一方で、二人が初恋同士だったと言われているため、それにちなんで「初恋の思い出」というロマンチックな意味もあるのです。
美味しいアレキサンダーの作り方・レシピ
アレキサンダーのレシピ・作り方
材料
・ドンピエール V.S.O.P 30ml
・ボルス クレーム・ド・カカオ ブラウン 15ml
・生クリーム 15ml
・ナツメグ 適量
作り方
アレキサンダーの作り方はナツメグ以外の材料をシェイカーに入れて、シェイクし、カクテルグラスに注ぎます。仕上げにすりおろしたナツメグをかけたら完成です。
アレキサンダーの材料について
アレクサンダーのベースはジンにしても美味しく仕上がります。ジンベースのアレクサンダーは「プリンセス・メアリー」という名前です。ブランデーもジンも苦手という場合は、ウォッカベースの「バーバラ」にしましょう。ベースをウォッカにして、あとはアレクサンダーと同じ材料でつくれます。
またベースをラムに変えると「パナマ」というカクテルになります。アレクサンダーを飲んでみて、「カカオの味は好きだけど、生クリームが苦手だった」という場合は、ジンとウォッカとカカオリキュールを混ぜた「ルシアン」がおすすめです。
「専門家の一言メモ」
アレクサンダーはさまざまなカクテルにアレンジできます。カカオの代わりにミントを使った「アレクサンダース・シアター」、メロンリキュールを使った「ミドリ・アレクサンダー」、カカオ・ホワイトを使った「ホワイト・アレクサンダー」などです。
アレキサンダーはこう飲む!美味しい飲み方解説
アレクサンダーに入れるナツメグは、アレクサンダーがつくられた当時、生クリームが世間に浸透しておらず、嫌がる人が大勢いたために、風味消しで加えられるようになったもの。
個人の好みがありますので、ナツメグが苦手な場合は、いれなくても問題ありません。
またショートカクテルということで、冷たいうちに飲むのがおすすめ。
専門家の一言メモ
アレクサンダーはレディーキラーカクテルという異名も持ちます。それだけアルコール度数が高いので、ショートカクテルですが一気に飲まないようにしてください。
アレキサンダーの材料「ブランデー」について
アレクサンダーのベースとして日本で一般的に使われているブランデーは、芳醇な香りが特徴のお酒です。アレクサンダーの知識を深めるために、ブランデーのことも知っておきましょう。
ブランデーとはどんなお酒?
ブランデーは「焼いたワイン」という語源があります。ブドウを原料としている種類が多いですが、リンゴをはじめとする他の果実が使われているものもある蒸留酒です。ブランデーは産地や原料によって違いがあります。
ブランデーの中で世界的に有名なのが「コニャック」です。フランスの町・コニャックが原産で、コロンバールをはじめとするブドウを原料としています。コニャックとほとんど同じ製造方法で、蒸留を一度しかしないのが「アルマニャック」です。
また、リンゴを使ったブランデーとして有名「カルヴァドス」もありますね。
アレキサンダーのブランデーはどのように選ぶ?
ブランデー初心者には買いやすい値段の国産ブランデーがおすすめです。例えば「サントリーV.O」なら、マスカット原酒なのでさわやかなアレクサンダーができます。
コクのあるアレクサンダーにしたい場合は、「レミーマルタンVSOP」がリーズナブルです。
またカクテルベースによく使われている「ブラー カルヴァドス グランソラージュ」というリンゴ原酒のブランデーもおすすめです。バランスのいい風味でアレクサンダー以外のカクテルにも使いやすいですよ。日本でも広い流通していて、ストレートでも美味しいです。
ブランデーをベースにした他のカクテル
アレキサンダー以外にもブランデーをベースにしたカクテルはあります。ここからはブランデーベースの人気カクテルを紹介していきましょう。
・ブランデー+ホワイト・キュラソー+レモンジュース=サイドカー
・ブランデー+ジンジャーエール+レモンの皮=ホーセズ・ネック
・ブランデー+ペパーミントリキュール=スティンガー
・ブランデー+オレンジキュラソー+オレンジジュース=オリンピック
専門家の一言メモ
アレクサンダーと同じように王妃の名前が付いているカクテルにクレオパトラがあります。クレオパトラはラムとモカと生クリームをシェイクしたカクテルです。
まとめ
ブランデーベースのアレクサンダーは、ベースのお酒を変えるだけでさまざまなカクテルになるのが特徴です。カクテル好きやお酒好きの方が、家でちょっとおしゃれにアルコールを楽しみたい時にぴったりですよ!