ワインボトルといえば、細長いガラスの瓶を思い浮かべますよね。
しかし普段何気なく見ているワインボトルには、実はワインの種類を表しているものがあるんです!
今回はワインボトルの形状に隠された意味をご紹介!知っていたらちょっぴりツウぶれるかも・・?
実は奥が深いワインボトル
ワインボトルの歴史
現在はガラスのボトルが主流となっていますが、以前は主にアンフォラと呼ばれる素焼きの壺でワインを貯蔵されていました。その後、1632年にイングランド人がガラスのワインボトルを発明し広く普及します。
ガラスのボトルは割れやすいという欠点はあるものの、輸送しやすい、軽い、保存性が高いなど、好条件が揃っているためアンフォラよりも優勢になり、どんどん普及していきました。
またガラスボトルの普及により、ワインの品質が格段に向上したといわれています。
なぜ様々な形状のワインボトルが生まれたか
ワインのボトルは一見するとどれも同じような形に見えますが、実は産地によってボトルの形状が異なっているのです。
なぜこのような違いが生まれたのかというと、かつてはボトルを一目見れば産地がどこだかわかるようにするため。
いわば、ワインボトルは産地を特定する目印みたいなものだったわけですね。
その他にもさまざまな理由から独自の変化を遂げているものがあります。以下でさらに詳しくワインの形状を見ていきましょう。
ボルドー型とブルゴーニュ型
一般に多く流通しているワインのボトルの形状は、ボルドー型かブルゴーニュ型。この代表的な二種類の形状を見ていきましょう。
ボルドー型
いかり肩で細長い形状のボルドー型のボトル。
1720年代に誕生して以来、現在に至るまでその形が変わることはほとんどありませんでした。
世界で最も多く使用されている形状で、特に濃厚なワインや上質なワインなどに使用されます。
ボルドーのワインは、長期熟成を経るとオリがたくさん出ます。そのため、ワインを注ぐときにオリが肩の部分に溜まってグラスに流れ落ちないよう、このような形状が誕生しました。
ブルゴーニュ型
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なで肩で安定感のあるブルゴーニュ型のボトルは、主にオリが少ないワインに使われます。
もともとブルゴーニュ地方のワインにはオリがあまり出ないため、いかり肩で食い止める必要がなく、このようなエレガントな形状になりました。見た目重視というわけですね。
このような形状は、卓上に置いた時に優雅に見えるだけでなく、互い違いに折り重ねて収納、保管しやすいなどの利点もあります。
その他の特殊な形状
他にも、様々な形状のワインボトルがあります。
フリュート
肩がほとんどなく、背が高くてスマートな形状のフリュート。
フランスのアルザス地方やドイツのライン地方、モーゼル地方などでよく見らます。
主に、リースリングやピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネールなどの品種で造られた軽快な白ワインによく使用されています。
プロヴァンス
フランスの南部、プロヴァンス地方で使用される形。
なで肩で胴の部分にくびれがあり、女性的でしなやかなフォルムが特徴的です。
フィアスコ
イタリアのトスカーナ地方の地ワインであるキャンティに使用されてきた形。
フラスコのように丸みを帯びたボトルが藁に包まれている独特のスタイルです。
今では使用する生産者が減りかえって珍しくなった形状ですが、かつては庶民的なワインの代名詞でした。
実際に、映画『ローマの休日』で新聞記者のジョー(グレゴリー・ペック)がアン王女(オードリー・ヘップバーン)にこのワインを振る舞うシーンがあり、身分違いの恋愛を象徴するかのような小道具として使われていました。
ボックス・ボイテル
丸く扁平な形で、ドイツのフランケン地方で伝統的に使用される形状です。
その誕生は18世紀にさかのぼり、当時出回っていた悪徳業者の粗悪なワインと区別するために、動物の皮袋の形に似せて造られたと言われています。
まとめ
ワインを飲む時、ボトルの形状にはあまり着目しないかもしれません。しかし、実はそれぞれの形状に意味があるのです。
実際にワインを飲みながら、そのワインのボトルがなぜそのような形状になったのかを考えてみるのも面白いかもしれないですね!
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