本州の最北端・青森県。津軽平野や南部平野、津軽海峡などを有する自然も豊かな土地です。それだけにリンゴを始めたとした農産物が、大変美味しい場所。
今回紹介する「陸奥八仙」は、そんな青森県の豊かな自然を活かして作られた日本酒です。
青森県八戸のお酒「陸奥八仙」
「陸奥八仙」は八戸酒造株式会社で生産されている日本酒。この蔵の歴史は大変古く、初めて酒造りが始まったのは1775年。なんと江戸時代だったそうです。
それ以降、一時期は「八戸酒類株式会社」と合同会社になって経営していましたが、現在は独立し、8代目の駒井庄三郎さんが蔵を継いでいます。
◆陸奥八千の仕込み水と酒米
醸造に使う仕込み水は、八戸・蟹沢地区で名水として扱われているわき水。硬度は中軟水となっており、大変口当たりの良い柔らかな水です。ちなみに水源地では年に一度このわき水をめぐる「蟹沢ウォーク」を実施しており、周辺の豊かな自然と合わせその水質を実感できます。
また酒米や酵母についても青森県内で生産された米などを使用。地元志向で作られた日本酒となっています。
◆陸奥八仙の味
「灘の男酒、伏見の女酒」とも言われるように、一般的に軟水で作られた日本酒は甘口になると言われています。陸奥八仙の味もその例に漏れず、どちらかと言うと甘口な日本酒。しかし決して甘ったるいわけではなく、なめらかさやみずみずしさもあり、普段は辛口の日本酒を好む方にもオススメできる一品となっています。
少し甘口ですので、魚の煮つけの様な少し濃い味の物もよく合うと思います。
八戸酒造株式会社の蔵
そんな陸奥八仙などを醸造している八戸酒造。歴史があるだけに大正時代に建設された蔵がそのまま使われており、いくつかは「文化庁登録有形文化財」にも指定されているほどです。特に特徴的なのが100年近く前に作られたにも関わらず、建物には洋風の作りが取り入れられていること。例えばレンガ造りの蔵にはスコットランド製の鉄骨が用いられています。
また蔵の他に主屋の建造物なども歴史があります。こちらの建物は木造で作られており、時代劇で出てくる町屋のような姿をしています。
そのような歴史のある建造物ですが、見学も受け付けており、酒造りの現場や行程を見ることができます。料金(500円)はかかりますが、酒の試飲も楽しめます。
八戸酒造の行う活動「がんじゃ自然酒倶楽部」
八戸酒造では「がんじゃ自然酒倶楽部」というのを活動主催しています。このクラブに入会すると八戸の農業に体験参加して、その際育てた米を使ったオリジナルの日本酒がもらえるのだとか!
5月に田植えをしてから草取り・収穫などを行っていき、お酒を瓶詰めするのは翌年の2月という気長な活動になりますが、陸奥八仙ファンには堪らないキャンペーンと言えますね。
陸奥八仙のラインナップ
陸奥八仙には精米歩合や火を通したかなどによって、いくつかラインナップがあります。
陸奥八仙 特別純米
陸奥八仙の基本となっているのが、こちら。なめらかな口当たりが印象的な一品です。また、小さい物だと300mlもあるので気軽に購入できます。
陸奥八仙 華想い40 純米大吟醸
今売り出し中の1本。いくつもの賞を受賞しており、国際的な評価も高くなっています。特別純米を飲んで口に合った方は、ぜひこちらも試してみてください。
陸奥八仙 赤ラベル 特別純米
ラベルにかかれた赤い字が印象的な陸奥八仙。火を通したタイプと、火を入れていない生のタイプがあり、甘味と酸味のバランスが良い一品です。
ただし生のタイプは悪くなりやすいので、一度開封したらできるだけ早めに飲んでしまいましょう。
この他にも陸奥八仙をさらに辛口にした「陸奥男山」などブランドが販売中です。
まとめ
歴史ある日本酒、陸奥八仙。八戸酒造では「八戸酒造新酒を楽しむ会」を主催するなど、様々なイベント活動を実施しています。
またお酒以外にも蔵で行う音楽ライブなどを実施しているので、もしお近くにお住まいなら、イベントに参加するのもありですね!