ウォッカベースのカクテル「バラライカ」。名前の由来がユニークなことも知られており、バーなどに通う人にとっては定番の1杯となっています。
この記事では、辛めの飲み口と柑橘の香りが爽やかなカクテルバラライカの特徴や歴史、名前の由来やおすすめのウォッカに至るまで詳しく解説していきます。
「バラライカ」とは
バラライカとは、透明感のある白いカクテルです。BARで注文すると、カクテルグラスと呼ばれる逆三角形のグラスに注がれて出てくるので、大人な雰囲気があります。
バラライカってどんなお酒?
バラライカは、四大スピリッツの1つ「ウォッカ」をベースにしたカクテルです。ピリッとした辛みのある味と強いアルコール度数で、お酒好きからは特に人気を博しています。
先述したように、刺激の強いカクテルのため、お酒をふだんから飲まない人や、強いお酒が苦手な人にとっては少しキツイと感じてしまうかも知れませんね。
バラライカの味の特徴
ウォッカ特融のパンチの利いた辛みがありますが、レモンジュースを加えるので柑橘系由来の爽やかさがあります。この爽やかさがお酒と上手くマッチいしているのが、バラライカの特徴です。
辛口といえど、しっかりとした柑橘の風味と爽快感があるため男性だけではなく、女性にも人気のカクテルとしても知られています。
バラライカのアルコール度数は?
ショートカクテルは、少ない分量で材料はほとんどがお酒。そのため比較的にアルコール度数が強いものが多いのも特徴です。
バラライカも多くのショートカクテルと同じく、アルコール度数は高めで約30度ほど。1杯飲んだだけでも、心地よい酔いを感じることができるでしょう。
バラライカの名前の由来
カクテルは人物名や地名が付いていることが多いですが、バラライカは楽器の名前。バラライカは、ロシアの民族楽器で、白い三角形の形をしているのが特徴です。
ギターのように抱えて演奏する弦楽器ですが、成人男性と比較しても大きなものから、女性が抱えて弾ける小さいものまであります。カクテルグラスに入れた液体が白いことからわかるように、その楽器をそのままカクテルにしたような見た目なのがバラライカなのです。
バラライカの歴史について
名前の由来になっている民族楽器がロシアなことだけあり、バラライカのカクテルはロシアの代表的なお酒・ウォッカをベースにしています。もともとは、ブランデーベースで作られているカクテルだったサイド・カーから派生しましたものです。
日本では映画『ドクトル・ジバゴ』で、楽器のバラライカが注目を集めたことがきっかけでカクテルも浸透していきました。映画には楽器しか出てきませんが、カクテルがすでにその時誕生していたので、映画の影響で注文する人が増えたのでしょう。
ただし、世界的にみるとやはりカクテルよりも楽器の方が有名なようです。
ちなみに、ロシアではもともと安い楽器だったバラライカはケンカの道具として使われていたという逸話も残っています。それを見たペテルブルクの商人が、バラライカのオーケストラをつくり、それがイギリスやアメリカ、ドイツなどに広まっていったのだそう。
バラライカのカクテル言葉
バラライカのカクテル言葉は「恋はあせらず」です。
バラライカそのものはさっと飲み干すショートカクテルですが、一緒に飲む意中の人との距離は時間をかけて詰めましょうという意味が込められているのですね。
専門家の一言メモ
カクテル言葉の他に、誕生花のような誕生カクテルもあります。バラライカの誕生カクテルは3月21日です。この日が記念日という場合は、ぜひBARや自宅でバラライカを楽しみたいですね。
バラライカはこう飲む!美味しい飲み方解説
バラライカは、使用する材料が少ないカクテルのため1つの素材を変えるだけでもかなり大きな味の変化がでます。
例えばレモンジュース。加糖された甘みの強いものにすれば、辛口な味が少し甘くまろやかになり、フレッシュレモンの果汁を使えば柑橘の香りをさらに楽しめるドライな飲み口になります。
どちらが好きかは、完全に個人の好み。飲み比べてみて、自身の好みのレシピを探してみましょう!
美味しいバラライカの作り方・レシピ
基本的なバラライカのレシピ・作り方
・ウォッカ 1/2(30ml)
・ホワイトキュラソー 1/4(1ml)
・フレッシュレモンジュース 1/4(15ml)
・氷
使用するお酒の材料をすべてシェイカーに入れた後に、氷を満タンまで入れてシェイク。十分に混ざったら、カクテルグラスにそっと注ぎましょう。
ベースとなるウォッカも、ホワイトキュラソーもアルコール度数が40%ほどある高アルコールのものというのがバラライカのポイント。ウォッカベースのカクテルには、他の材料にアルコールが含まれておらず、カクテルそのもののアルコール度数は低いものもあります。
しかし、バラライカは強いお酒同士を混ぜて作るためシェイクしてもアルコール度数はさほど低くならず、強い飲みごたえを感じることができるのです。
バラライカの材料について
ウォッカは、ろ過と蒸留を繰り返してつくる無味無臭のスピリッツ。四大スピリッツのうちの1つで、どんなお酒とも合うことから多くのカクテルのベースとして使われています。
また、バラライカの材料として15mlほど加える「ホワイトキュラソー」は、オレンジの果皮をブランデーに漬け込み作るお酒です。もともとは、南米のベネズエラ沖にあるキュラソー島産のオレンジを使って作られていたためこの名前がついたのだそう。
専門家の一言メモ
バラライカはベースをブランデーにすると「サイド・カー」。ジンにすると「ホワイト・レディ」、ラムにすると「X.Y.Z」、テキーラにすると「マルガリータ」というカクテルになります。
このように、ベースのアルコール、オレンジキュラソー、レモン果汁の組み合わせはショートカクテルの定番的な組み合わせと言えるでしょう。
バラライカのお酒はどのように選ぶ?
バラライカに使うお酒は何を基準に選べばいいのでしょうか?ここからはバラライカにおすすめのお酒を紹介していきましょう。
バラライカにおすすめのウオッカ銘柄
・天然原料だけでできている「アブソルートウォッカ」
・天然水と小麦・ライ麦を使った「ストリチナヤウォッカ」
・ロシア皇帝御用達の「スミノフウォッカ」
・アルコール度数が低めの「エリストフ」
・クリアな味わいの「ギルビーウォッカ」
「専門家の一言メモ」
カクテルベースとして使いやすいのは、雑味がないクリアな味わいのウォッカです。ウォッカはアルコール度数が90%以上のものから30%台のものまであります。
バラライカのアレンジレシピ
バラライカはベースのお酒を変えると別のカクテルになりますが、バラライカのレシピにもうひとつ材料を加えてアレンジする楽しみもあります。
〇ブルーバラライカ
ホワイトキュラソーをブルーキュラソーに変えるだけで、ブルーバラライカになります。ただ味や香り、アルコール度数は変わらないです。
〇グリーンティバラライカ
バラライカの材料をすべてシェイカーに入れたら、緑茶や抹茶を好みの量加えます。緑茶や抹茶は粉末のものを急須の中で溶いてこして入れましょう。
〇バラライカソニック
ホワイトキュラソーの代わりにオレンジキュラソーを入れ、トニックと無糖炭酸を加えます。カクテルグラスに注いだら、カットしたレモンをのせて完成です。
〇ティーバラライカ
ホワイトキュラソーの代わりにティーリキュールを入れるアレンジレシピです。白さが特徴のバラライカが、紅茶特有の深い茶色になります。
〇金柑バラライカ
バラライカの材料に種を取り除き、すりおろした金柑を3個分加えてシェイクします。通常のバラライカよりも柑橘の風味が強く仕上がるので飲みやすいですよ。
専門家の一言メモ
アレンジレシピで楽しむバラライカは、加える材料が増える分ウォッカの辛みが減るのが特徴です。辛口なカクテルが苦手な人は挑戦してみましょう。
バラライカ以外のウォッカを使ったカクテル3選
ウォッカは4大スピリッツとして世界で親しまれているため、さまざまなカクテルのベースになっています。以下では、バラライカ以外のおすすめのウォッカベースカクテルを3つご紹介します。
〇スレッジ・ハンマー
材料
・ウオッカ 50ml
・ライムジュース 10ml
作り方
ウオッカとライムジュースをカクテルシェイカーに入れてよくシェークし、グラスに注いだら完成です。
スレッジ・ハンマーは、「両手で持って振り下ろす大型のハンマー」という意味のガツンとした強いアルコールを味わうことができるカクテルです。アルコール飲料度数が35度とたかく、強い口当たりが特徴です。アルコールをしっかりと味わいたい人に人気のカクテルです。
〇ホワイト・スパイダー
材料
・ウォッカ 30ml
・ホワイトミントリキュール 30ml
作り方
カクテルシェイカーにウォッカとホワイトミントリキュールを注いでシェークし、グラスに注いだら完成です。
ホワイト・スパイダーは。「白い蜘蛛」という名のミントの清涼感が特徴的なカクテルです。くせがなく爽やかな口当たりで、すっきりとした味わいを楽しむことができます。ベースをウォッカではなく、ブランデーにすると「スティンガー」というカクテルになります。
〇チチ
材料
・ウォッカ 30ml
・パイナップルジュース 80ml
・ココナツミルク 45ml
作り方
ウオッカとパイナップルジュース、ココナツミルクをカクテルシェイカーに入れて、よくシェークし、クラッシュド・アイスを詰めたグラスに注ぎます。最後に、パイナップルとレッドチェリーを添えたら完成です。
チチは、ウオッカをベースとしたトロピカルカクテルの定番です。パイナップルジュースとココナッツミルクを使っているので、ミルキーな甘さとまろやかな口当たりが特徴です。ベースをウォッカの代わりに、ラムにすると「ピニャ・コラーダ」というカクテルになります。
まとめ
強いカクテルはBARでしか飲めないと思っている方も多いですが、シェイカーさえあれば誰でも自宅で作れるのがカクテルの面白いところ!
今回紹介したバラライカのレシピも、あくまで基礎的なもの。カクテルは自身の好み次第で自由にアレンジして楽しめるものです。一般的なレシピを参考に、自宅でオリジナルなバラライカは楽しんでみるのはいかがでしょうか?