だんだん寒くなってきたこの時期。ホットワインもいいけど、焼酎のお湯割りもたまらないですよね。
さて、今回はそんな焼酎の中でもプレミア焼酎と称される「赤霧島」について紹介したいと思います。
赤霧島ってどんなお酒?黒霧島の違いは?
そんな疑問がすっきりと解決できちゃうかも!
霧島シリーズを醸す「霧島酒造」
まずは赤霧島を含む、霧島シリーズを醸す霧島酒造についてご紹介していきます。
霧島酒造は宮崎県都城市にある酒造です。
その名前は宮崎と鹿児島の県境にある霧島山から名付けられました。
1916年に創業なので2016年に創業100周年を迎えている老舗の酒造です。
長く低迷し、一時は社内で「芋焼酎撤退」意見もあったそう。
しかし1998年に発売された黒霧島を皮切りに、じわじわと売り上げを伸ばしていき、今の確固たる地位を獲得しました。
黒霧島は、通常は白麹を仕込みにあえて黒麹を使用したり、食品業界ではタブーとされていた黒いラベルデザインを採用するなど、かなり攻めた商品だったと言われていました。
もちろん伝統を守ることも大切にしながら、それでも世間の流れにとらわれずに革新を生み出す、地元が誇る酒造なのです。
「赤霧島」とは
赤霧島は、霧島酒造が製造する本格芋焼酎。
みやびな気高い香りと、するっと澄んだ甘みが特徴。
「黒霧島」「霧島」などと同様、“霧島シリーズ”のうちの一つで人気が非常に高い銘柄です。
●「赤霧島」の名前の由来
先ほども少しご紹介した通り、霧島シリーズには「黒霧島」や「白霧島」という銘柄もあります。
焼酎の名前に「黒」や「白」がつく場合は、使う麹菌の色を銘柄に使うことが多く、実際に黒霧島では“黒麹仕込み”が、白霧島では“白麹仕込み”が採用されています。
では赤霧島は“赤麹仕込み”なのか……答えは×。
赤霧島の赤の由来は“さつま芋の品種”に由来しています。
赤霧島で使うサツマイモの名前は「ムラサキマサリ」。中身まで紫色をしているという品種のサツマイモです。
聞きなれない名前だと思いますが、芋焼酎に最適といわれるサツマイモ“黄金千貫”のDNAを受け継ぐ紫芋なんですって!
この紫芋を使用すると、仕込んだもろみの色がワインのような深い赤色になります。
ムラサキマサリに含まれる豊富なポリフェノールが、焼酎麹が生成するクエン酸に反応するため、もろみが赤くなるそうです。
ここから「赤霧島」という名前が付けられたというわけです。
●赤霧島の味わい
赤霧島は、口当たりがまろやかでフルーティな味わいなのでとても飲みやすい焼酎という評価がされることが非常に多い銘柄です。
芳醇でワインのような香りで、まさに“みやびにするっと”といった感じでしょうか。
すっきりとした飲みやすさに加え、値段も「魔王」や「森伊蔵」のように高くないので、「美味しい焼酎を飲み始めたい」「自宅にMy焼酎を置きたい」という方には間違いない銘柄だと思いますよ。
また、どんな料理とも相性がよく、食事のお供にも最適です!
「赤霧島」の原料「ムラサキマリ」の隠れたお話
昭和の終わり、 鹿児島県の山川町で偶然発見されたと言われている新たな芋「山川紫」。
「山川紫」は中心部まで濃い紫色の色素が入り込んでいるのが特徴で、九州沖縄農業研究センター、芋類研究の権威である山川理農学博士でさえもこの様な性質を持つ芋は見たことがなかったのだそう。
早速、この品種を、世界中の芋の遺伝子を蓄えるペルーのCIP芋類研究所に照会しましたが、同一の芋は発見されず。漁師が大海原の彼方から持ち込んだのではないかと言われていますが、どこから来たのか未だに判明していないのだとか。
この山川紫を品種改良をしたムラサキマリから「赤霧島」が生まれたということで、幻の品種から生まれた“奇跡のお酒”とも言えそうですね!
●黒霧島との違いはなに?
赤霧島と黒霧島。比べてみると味も値段も全然違いますよね。
この2つの決定的な違いは、原料にあります。
先ほどもご紹介しましたが、赤霧島には「ムラサキマサリ」という紫芋が使用されていましたね。
実はこの「ムラサキマサリ」は貴重で、これを使用した焼酎ってとっても少ないんです!
黒霧島をはじめ、森伊蔵や魔王も使用されているのは「黄金千貫」。
皮も中身も白っぽいサツマイモの品種です。
色の違いだけでなく、焼酎の味を左右するデンプンの含有量も違います。
「ムラサキマサリ」は「黄金千貫」よりもたくさんのデンプンが含まれています。デンプンは分解されて糖に変わるため、「ムラサキマサリ」を使った焼酎は「黄金千貫」を使った焼酎よりも甘い風味になるというわけなのです!
なぜ「赤霧島」は人気なのか
赤霧島は霧島シリーズの中でも「プレミアもの」「人気」とされています。
昔から手に入りにくく、酒屋に置いてあると衝動買いする人が多数のお酒です。
一升瓶でも価格は2200円と、割と低価格なものなのにもかかわらずなぜ「プレミア」扱いされるのでしょうか?
その理由としては、原料の「ムラサキマサリ」の生産量に限りがあることから流通している量が少ないから、と言われています。
実は、この「赤霧島」。収穫量が限られているために、春と秋の年に2回しか販売されないのです。
また、霧島シリーズの中でも甘くて飲みやすいことも、人気の高い理由の1つになっているでしょう。
しかし、最近では生産量も向上したことや、販路が拡大したことからコンビニなどでも気軽に買うことができるようになりました。
インターネットでも購入できるので、気になった方は気軽に注文してみてください。
赤霧島のおいしい飲み方
やはりおすすめの飲み方は“ロック”か“ストレート”。
赤霧島の香りを存分に感じられます。
アルコール度数は25度と高めですが、甘みが強いので他の焼酎に比べると断然飲みやすいはずです!
それでもやっぱりキツイ…という方には水割りがオススメ。
通常よりも濃いめに作ると、赤霧島本来の味わいをしっかりと楽しむことができますよ!
●お湯割りはNG?
これまで赤霧島のお湯割りはあまりおすすめされていませんでした。
お湯で割ってしまうと芋特有の香りがぼけてしまったり、アルコールが飛んでしまうとされていたからです。
しかし、ポイントさえ押さえれば、お湯割りでもおいしく楽しむことができるんです!
ポイントは2つあります。
1つ目は先にお湯を入れてから、ゆっくりと赤霧島を注ぐこと!
こうすることでお湯の温度が下がり、熱すぎないお湯割りになります。飲み口も柔らかくなるそう。
さらに、お湯と焼酎の温度差によって対流がよくなるので、混ざりやすくなりますよ。
2つ目は人肌よりやや高い温度で作ること!
香りがふわっと開き、甘みも感じやすくなります。
ちなみに少し冷めたころに飲むとより一層甘さを楽しむことができるそう!
今年の冬はぜひお湯割りにもチャレンジしてみてください!
まとめ
今回はプレミアム焼酎「赤霧島」をご紹介しました。
通常使用しない、幻の芋を原料とする焼酎。
その味わいは唯一無二といえるでしょう。
以前に比べて入手もしやすくなっているので、ぜひ味わってみてください!
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