きき酒師・高田秋!日本酒を学ぶ企画第2弾。
こんにちは!高田秋です。
高田 秋(たかだ しゅう)
女性ファッション誌『mina』のレギュラーモデルを務め、グラビアでも活躍。いま話題の“モグラ女子”(モデルとグラビアでモグラ)であり、「BSイレブン競馬中継」ではレギュラーMCを務める。酒好きが高じて“きき酒師”の資格を取得。酒蔵を訪ねたり、自宅で梅酒を作ったり、お酒に愛を注いでいる。
モデル・グラビアのお仕事のかたわら、一生懸命勉強して、ついに唎酒師の認定試験に合格しました!まだまだ勉強中の私が素敵な“きき酒師”になるため、日本酒の基礎を改めて学ぶ本企画!2回目となる今回は、今の季節にぴったりな「燗酒」について学びますよ。
燗酒と炉端焼きが楽しめる「燗アガリ」
撮影にご協力いただいたのは、こだわりの燗酒が楽しめる「燗アガリ」さんです。酒蔵で食べる炉端焼きがコンセプト。店内は炭火の良い香りがしていて、落ち着いた雰囲気がシブい!
今、燗酒を飲みたいという気持ちで心がいっぱいです。
日本酒は常に60種類以上、燗酒は40種類以上も揃えているそう。さっそくオススメの燗酒を注文!と思ったけど、どれを頼むのがいいのか迷ってしまいます。
「燗酒」って大好きなわりに、詳しいことを全然知らないかも…。
燗酒のプロ「燗アガリ」店長さんに解説してもらいます!
▲「燗アガリ」店長・井上 翔悟さん
高田:「店長さん!初心者でもわかる燗酒の基本を教えてください!」
店長:「喜んで!燗酒は奥が深いんですよ。少し知るだけで日本酒の楽しみ方がさらに広がります。高田さんなら、もっと日本酒が好きになるはずです。」
これだけ覚えれば大丈夫!燗酒の基礎知識
そもそも燗酒って何?
高田:「まず基本中の基本なんですけど…、燗酒ってなんですか?」
店長:「そもそも燗酒とは、温めた日本酒のことです。お酒を加熱することを「燗(かん)を付ける」「お燗する」といいます。日本では平安時代から愛されている飲み方なんです。」
日本酒の温度と燗酒
店長:「一口に燗酒といっても様々です。日本酒の温度には名前がついているのは知っていましたか?代表的なものは10種類で、そのうち6種類が燗酒です。“燗酒”と“熱燗”って一緒の意味だと思っている人が多いんですけど、実は“熱燗”もこの呼び名のひとつなんです。」
高田:「あ、確かに勉強した覚えがあります!!」
店長:「覚えておいて、お店で注文するときに使うとツウになれますよ。」
■お酒の温度と呼び名
「雪冷え」5℃
「花冷え」10℃
「涼冷え」15℃
「冷や」20℃
「日向燗」30℃
「人肌燗」35℃
「ぬる燗」40℃
「上燗」45℃
「熱燗」50℃
「飛び切り燗」55℃
燗酒にすると何が変わるの?
高田:「日本酒を温めると何が変わるんですか?」
店長:「ざっくり言うと、香りや甘みが引き立ち、酸味のバランスも整ってまろやかになります。ただ、この変化の仕方は日本酒の種類や温度によって大きく違うんです。中にはアルコールや香りが飛んでしまって、そのお酒の良さが消えてしまう場合もあるのでどんなものを選ぶかも大事です。」
燗に適したお酒は?
高田:「燗にすると美味しいお酒の特徴ってあるんですか?」
店長:「一般的には、お米と水だけで作られた純米酒や山廃仕込み、生もと系の日本酒はぬる燗で飲むと、米本来の香りと旨味が引き立つと言われています。少し難しい話をすると山廃や生もと系に多く含まれるアミノ酸は、加熱すると旨味に変わって美味しく感じるんですよ。あとは本醸造や普通酒を熱々にして、キリッとしまった辛口を楽しむのが好きな方もいらっしゃいますね。
高田:「ここは前回習ったラベルをみながら判断できそう!反対に燗がむかないお酒もあるんですか?」
店長:「一概には言えませんが、香りが華やかな純米吟醸酒、吟醸酒、大吟醸酒は燗酒に向いていないことが多いですね。」
実践!燗酒の作り方
店長:「基本はここまで!では、実際に燗をつけてみましょうか。」
高田:「待ってました~!」
ちろりにお酒を注ぐ
店長:「お酒を入れているコップみたいなものが“ちろり”。ここにお酒を注ぎます。燗酒のコツは注ぐ時はスピーディに、温める時はゆっくり!このメリハリが大切です。」
燗銅壺にちろりを入れる
店長:「こちらのお湯がはってあるのが燗銅壺(かんどうこ)。うちの店は特注を使っています!ここにちろりを入れて、お酒をゆっくり温めます。急に加熱すると、香りやアルコールが飛んでしまうので要注意。自宅でやるなら、土鍋にお湯をはって徳利やちろりで温めると美味しくできます。」
温度計で温度を測る
店長:「温度計を使って、温度を測るのもポイントです。このお酒は山廃純米吟醸で、ぬる燗(40℃)で飲むのがオススメ。どの温度で飲んだら美味しいかは、お店の人に聞くのが簡単です。実際に色々試してみて、自分の好きな温度を探すのもひとつの楽しみかたですね。」
店長:「徳利も温めて…」
店長:「お酒を注いだら完成です。」
高田:「わ~い!すごく美味しそうな日本酒の香りがしますよ。」
お待ちかねの試飲タイム!
山廃純米吟醸をぬる燗で
燗酒にぴったりあうおつまみと一緒にいただきます!…やっぱり燗酒美味しい。酸味がまろやかになって、お米の旨味が引き立っています。バランスも良くて、けっこう好きかも。
山廃純米吟醸×刺し盛り
新鮮なお刺身も最高~。なんとこの刺し盛り、お通しなんです!!すごい…。
旨味たっぷりのお酒と肴!この組み合わせ、幸せそのものです。
▲刺身盛り合わせ(お通し)
土田 山廃純米吟醸(徳利 980円/税別)/おすすめ温度 ぬる燗
甘~くてとろりの「玉ねぎ丸ごと炙り」
「土田 山廃純米吟醸」は和食もフレンチも合わせられるお酒で、甘くてトロトロの玉ねぎにもマッチしますね。
▲玉ねぎ丸ごと炙り(580円/税別)
純米酒の生もと×きんき
「生酛純米 十旭日(じゅうじあさひ)」を熱燗でちびちび。生もとはパワフルな味わいのお酒が多く、加熱するとコクが深まるのだそう。炉端で香ばしく焼かれた「きんき」も絶品!存在感のあるお酒と重ねるように口に運ぶと、旨味がワッと広がります。
▲きんき(時価)4,280円~
■生酛純米 十旭日(じゅうじあさひ)(徳利 980円/税別)/おすすめ温度 熱燗
純米酒の生もと×どんこしいたけ
お出汁がたっぷりの「月夜野産どんこしいたけ」もいただきます!じんわり優しいお味です。とっても肉厚でジューシーだからお酒の個性にも負けていません。
▲月夜野産どんこしいたけ(280円/税別)
生酛純米 十旭日(じゅうじあさひ)(徳利 980円/税別)/おすすめ温度 熱燗
純米酒のにごり酒をとびきり燗で
辛口の「竹鶴 純米にごり酒」。にごり酒を燗にするって意外な感じがしますが、燗酒にしてこそ美味しいものもあるんだとか。こちらは温度を高めにすることで、キレはそのままに香りや旨味が“ひらく”のだそう。お米の甘みがぐっと感じられて、爽やかな酸味で口の中がスッキリします。
純米酒のにごり酒×いぶりがっこチーズ
「いぶりがっこチーズ」などの珍味系とも好相性!お酒が止まりません~!
▲いぶりがっこチーズ(480円/税別)
竹鶴 純米にごり酒(徳利 980円/税別)/おすすめ温度 とびきり燗
燗酒を知れば、日本酒の世界が広がる!
今回学んだのは燗酒の基本。
1.燗酒とは
2.燗酒の温度
3.燗のつけかた
この3つがわかれば、燗酒をもっと深く楽しめますね。
いつもなんとなく“熱燗”を注文していたけど、これからはちょっと変えてみようかな。
皆さんもプロがいる「燗アガリ」で、燗酒の違いを楽しんでみてくださいね。
※2019年に初掲載された記事です