突然ですが、「白酒(パイチュウ)」をご存知ですか?
「白酒」は中国で最もポピュラーなお酒で、宴会などの乾杯の際に飲まれている蒸留酒です。
日本のお酒で「白酒」といったら、ひな祭りに飲まれる白く濁った甘味の強いお酒の「白酒(しろざけ)」もありますが、今回は透明で度数が強く、強い香りが特徴の中国の蒸留酒「白酒(パイチュウ)」をご紹介いたします。
世界三大蒸留酒のひとつ「白酒」
白酒は背の高いモロコシの一種、「高粱(カオリャン)」をメインに、トウモロコシや黍(キビ)、麦などの穀物を原料とする蒸溜酒です。
「焼酒(ショウシュ)」あるいは「火酒(カシュ)」とも呼ばれます。
ウイスキー・ブランデーと並んで挙げられる世界三大蒸留酒の一つで、中国では広く親しまれているお酒です。
色は透き通った透明。中国では白酒の「白」は「無色透明」という意味なのだそう。
白酒は長期熟成させるため口当たりはまろやかで、甘く濃い強烈な芳香があり、飲み干してもなお香りが強く残るお酒です。
起源は宋代初期(900~1000年代)とされ、本格的に造られるようになったのは清代中頃(1700~1800年代)からだとされます。
様々な種類の白酒
一概に中国のお酒「白酒」といっても日本の焼酎と同様、さまざまな種類があります。
穀物の生産地である中国北方や南西地方などを中心にして、広大な中国全土の各地で造られています。
同じ白酒でも原材料や産地、麹の種類によって呼ばれ方が異なり、「高粱酒」や「包米酒」「小曲酒」「麩曲酒」などと呼ばれています。
その原料や、麹、産地の違いからそれぞれ名前付けられ、ひとつひとつちがった味わいの白酒が多く存在。
また、白酒も焼酎と同様、高価なものからリーズナブルにいただける値段まで、幅広い方が楽しめる銘柄がたくさん揃っています。
ちなみに白酒は香りが高いものが良いとされ、香りの種類や味わいによって香型という分類がされます。
度数が高いって本当?
なんとなく中国のお酒は度数が強いというイメージがありますよね。
たとえば、中国の映画などで中国人が強いお酒を呑んで戦闘力が増しているシーンを見たことはありませんか?
実はあれは「白酒」を飲んでいるシーンなんです。少しの量でフラフラになるほど、白酒はとても度数が強いお酒なんです。
白酒はかつて、50度を超えるアルコール度数のものが主流でしたが、最近では嗜好の変化や海上輸送上の制限により、30度半ばの度数が主流となっているようです。中には20度ちょっとのものもあるのだそう。
乾杯のお酒「白酒」
気になる白酒の飲み方ですが、基本的にはおちょこ大のグラス(小酒杯)にストレートで一気に飲みます。
中国には「乾杯」の文化があり、宴会は「乾杯(カンぺイ)」と言って白酒を飲むことで始まります。
中国の「乾杯」は「飲み干す」という意味で、飲んだ後で杯を逆さにして飲み干したことを示す習慣があります。
度数が昔より低いとは言っても30度台。十分気を付けて飲んでくださいね。
ストレートの他にも、オン・ザ・ロックにしたり、水割りやカクテルにしたりしても美味しくいただけるので、初心者の方は飲みやすい飲み方で楽しんでみてはいかがでしょうか?
おすすめの白酒ランキング
20位:牛欄山二鍋頭白酒 白瓶56度
長い歴史を持つ二鍋頭酒。価格がリーズナブルで手に入れやすいのが嬉しいですね。アルコール度数は56度と高めなので、飲み過ぎには注意が必要です。
香りもアルコール感を強く感じられるので、白酒の芳醇な香りは少なめです。ロックやストレートで楽しむのは玄人寄りなので、この牛欄山二鍋頭白酒は水割りやソーダ割りでいただくのがオススメ。味わいにはクセがないので、中華料理はもちろんのこと、日々の晩酌としてもカジュアルに活用できるアイテムです。
19位:中国白酒 汾酒 茶壺 42度
山西省汾陽市杏花村で生産される『山西省杏花村汾酒』。無色透明の澄み切った色調で、コクのある味わいが特徴。
この汾酒は香りで分類すると「清香型白酒」になります。清々しい香りと淡麗な味わいで非常に飲みやすい仕上がりになっています。お湯割り、水割りでも香りが立って美味しくいただけますよ!
18位:「古井貢酒」 白瓶
古井貢酒は、曹操が故郷の銘酒を漢の献帝に献上したことで知られ、後に歴代皇帝への貢ぎ物になったことに由来する中国八大名酒のひとつです。
古くから伝わる名水「古井の水」を使用して味わい深い白酒に仕上がっています。アルコール度数は38度としっかりあるので、ロックスタイルだけでなく、お湯割り、水割りでも楽しめます。ジンジャーエール割もオススメ!
17位:天津高粮酒 (コウリャンチュウ)
天津高粮酒は、華北地方の特産のコーリャンを原料に大麦やそら豆を加えて蒸留した白酒です。北京料理がメインの中華料理屋さんでは置いてあるところが多い1本。アルコール度数は62度とかなり高めです。
ストレートで飲むと喉を刺激するので慣れていない方は注意が必要。リーズナブルな価格で気軽に楽しめるので、安価に試してみたい方にはオススメです。
16位:国台酒(コクダイシュ) 53度
高品質にこだわっている国台酒は、幾度に重ねた研究開発によって、肝臓機能への影響が少ない健康なお酒づくりをしています。生産地は中国貴州省の茅台鎮。ここは本場の白酒の名産地として知られています。
原料から発酵、貯蔵、充填まで一貫した管理体制で、丁寧に醸造しています。アルコールは53度と高めですが、飲み口も柔らかで親しみやすく、爽やかな香りが楽しめる銘酒です。
価格はハイクラスなので気軽に楽しめるわけではありませんが、特別な日の一杯としてぜひ。
15位:紅星二鍋頭 白
紅星二鍋頭は北京では最も有名な白酒として知られています。紅高粱をベースに蒸留を2回するので、高純度でアルコール度数は56%と高めです。北京ではリーズナブルで度数がしっかりあるので非常に人気があり、ローカルに愛されるカジュアルな白酒と言えます。
香りが強いことと、高粱の独特の風味が癖になります。ソーダ割りでレモンを絞っていただけば、食中酒としても活躍します!
14位:五粮醇 五糧醇 45度
中国の銘酒「五粮液」と同じ原料、製造方法で造られた「五糧醇」。高粱・大米・水・糯米・小麦を原料にしてまろやかな味わいに仕上げています。
銘酒である「五粮液」と比べると、アルコール度数は45度と控えめにおさえられています。味わいはほんのり甘口になっているので、ロックスタイルや冷やしてストレートにしてゆっくりと飲むのがオススメです。やさしい甘さなので、食前酒としても活躍できる白酒です。
13位:孔府家酒(こうふかしゅ)
孔府家酒(こうふかしゅ)は、孔子の故郷である山東曲阜の銘酒で、度数は39度と控えめに造られています。高粱・水・小麦・大麦・豌豆を原料にしているので、すっきりとした飲み口が特徴です。
価格帯は非常にリーズナブルですが、ボトルのシルエットも壺のような形になっていて魅力的なのも嬉しいですね。中国酒らしいデザインで、存在感があります。
12位:茅台迎賓酒
茅台迎賓酒は地元では乾杯時によく使われ、独特の香りが良いので地元の人に愛される白酒です。口あたりがよいのでストレートでもすっと飲めますし、ロックスタイルでゆっくり飲むのもオススメです。
カクテルのベースに使われることもあります。ジンジャーエールとフレッシュのライムを絞って作れば中国版のモスコミュールが作れますよ。
11位:濾州老窖頭曲酒52度
400年以上の歴史がある四川省では有名な白酒です。やさしい甘みのある味わいで、芳醇な香りがふわっと広がります。濾州老窖頭曲酒は、中国四大白酒の一つにもなっていて、歴史ある古い穴蔵で醸造されることから、その名がついています。
また、白酒の色、味、香りを元に『特曲』『頭曲』『二曲』と分類されています。白酒らしい独特の香りをしっかりと感じることができるので、お湯割りで飲んでも美味しいです。
10位:江小白(じゃんしゃおばい)
江小白(じゃんしゃおばい)はフルーティなアロマが特徴で、カジュアルなエチケットも人気の理由になっています。ブリュッセルでの国際コンクールでSpirits selection 2017の金賞を受賞している実力派の白酒です。親しみやすい味わいで、カクテルのベースとしても優秀!
炭酸で割ったり水割りにしても香りをたしかに感じます。ウォッカのような使い方でカクテルを楽しんでみてください。フルーティなアロマがあるので、コアントローとの相性がよいです。白酒ベースのバラライカ、美味しいですよ!
9位:汾酒 (ふぇんしゅ) 壺
汾酒 (ふぇんしゅ)は、中国では有名な詩人である李白や杜甫も詩に読んだと言われる、1500年以上も歴史がある伝統的な白酒です。厳選された高梁と豊かな天然水を主原料に、大麦やえんどう豆を使って作られています。
茅台酒と並ぶ中国を代表する白酒の銘酒です。度数は53度ですが、コクのある味わいかつすっきりした飲み心地。
8位:特制 二鍋頭酒
特制 二鍋頭酒は地元の北京では大変ポピュラーな白酒です。高粱を原料にして2度蒸留させているので、アルコール度数は56度と高め。価格は安価でカジュアルに楽しめるのが嬉しいポイント。
香りは独特ですが、味わいはスッキリしているので、ウォッカのような飲み心地。ストレートやロックでもいいですが、カクテルのベースにしても◎。
7位:金六福38度475ml
金六福は「六福」を意味する「寿、富、康、徳、和、孝」と、酒質の六つの要素である「香、醇、濃、甜、綿、淨」をフュージョンさせた意味合いをもつ白酒です。
高粱と米、もち米、小麦、トウモロコシが原料で、中国の銘酒「五糧液」の工場で作られています。アルコール度数は38%と低めなので、白酒ビギナーの人には入りやすい一本です。
6位:金門高粱酒
金門高粱酒は、中国の伝統醸造古法を受け継いだ白金龍(パイキンリュウ)と呼ばれる穀物から作られた白酒です。高粱の豊潤で良い香り、そして凛としたボディとエレガントな口当たりが特徴。アルコール度数は58%。
きりっとした淡麗な飲み口ですっきりとした味わい。カクテルベースにしてもよいですが、そのまま冷やしてストレートで飲むのがオススメです。
5位:百年瀘州老窖(窖齢60年)
中国四大名酒の一つとして知られている瀘州老窖。高級感のある箱入りボトルなので、プレゼントにもピッタリの一本。味わい深くコクのある白酒です。アルコール度数は53度ありますが、強いアルコールを感じず、口の中に優しく馴染むように入ってくるまろやかさは、さすが瀘州老窖!という印象を受けます。
常温のストレートが香りが引き立ってポテンシャルを最大限に感じられますので、ぜひ常温で味わってみてください。
4位:貴州茅台酒(きしゅうまおたいしゅ)53°500ml
国酒として栄誉を博している銘酒である「貴州茅台酒(きしゅうまおたいしゅ)」。かつては日中国交回復の式典で両国のトップがこのお酒で乾杯を交わした実績もある由緒ある高級白酒は、貴州省仁懐市で古くから作られている伝統的な製法で、コクのある味わいで香りの余韻が長いのが特徴。
価格は3万超えとなかなか手を出せないランクですが、都内の高級中華で扱われていることもあるので、勇気を出してチャレンジしてみてください。
3位:洋河大曲(ヤンハーダイキョク) 38度 500ml
洋河大曲(ヤンハーダイキョク)は高粱、米、もち米、大麦、小麦、えんどう豆、とうもろこしの7種類の穀物が原料です。伝統的な職人技と蒸留技術を駆使してつくられた原酒は、地下の貯蔵庫で熟成され、多数の原酒をブレンドしすることによって、まろやかで上質な白酒になります。
洋梨のようなフルーティな香りが特徴で、高級感のある味わいとは裏腹に価格もリーズナブルなのが嬉しいポイント。果実味のあるアロマと程よい甘さを楽しめる白酒です。
2位:洋河大曲 新天藍
洋河大曲(ヤンハーダイキョク)の「新天藍」は、度数が少し上がって55度となっています。ボトルデザインがとても美しく、インテリアのデザインとしても◎。
百年以上の歴史を持つ酒蔵で長期間熟成したまろやかな甘味を楽しめます。これはロックやストレートもいいですが、クラッシュドアイスで満たしたミストスタイルがオススメ!
1位:五粮液 (ごりょうえき) 52度 500ml
自然の恵みを受けた四川省ならではの重厚で上品な白酒。コーリャン、もち米、ウルチ米、小麦、トウモロコシの5種類の穀物を使用しています。中国大陸で受け継がれてきた「大曲」という特別な麹で熟成させているのだそう。
高級感のあるボトルデザインとエチケットが印象的で、棚に飾るだけでインパクト大です。価格もハイランクなのでなかなか手を出しづらいですが、特別な日の一杯として用意しておくのもアリ!です。
まとめ
白酒は、いろんな種類がある奥深いお酒でした。
宴のお酒でもあるので、親しい人、親しくなりたい人との楽しいひとときにぜひ味わってみてはいかがでしょうか?