日本酒の名産地としても知られている、愛媛県。豊かな自然と、日本酒造りに最適な環境のため多くの酒造があり、様々な味わいの日本酒が造られています。
また細長い形状の県から、その地域によっても造る日本酒の特徴が変わってくるのも愛媛県の特徴。
この記事では、筆者オススメの愛媛の日本酒をランキング形式で10本ご紹介。さらに、愛媛ならではの日本酒の特徴や歴史、人気の酒造についてもあわせて触れていきます。
愛媛県の日本酒の特徴
味わい
東から東予・中予・南予の三地域に分かれている愛媛県。独自の風土が根付き、気質も異なる各地域では、日本酒の特徴も少しずつ異なります。
東予は淡麗でスッキリとした味わい、中予は淡麗で旨味のある味わい。そして南予は、どっしりとした味わいが特徴です。
総じて愛媛県の日本酒は、瀬戸内の白身魚を中心とした淡泊な食文化に合うような、旨味があり、なめらかな味わいであると言われています。優しい口当たりの安らぎを感じられる酒質がその魅力です。
環境
愛媛県には、標高1,982mの西日本最高峰"石鎚山"を筆頭に、東西に連なる四国山地が連なっています。
冬の間に多くの雪が降り積もり、山里に向けて寒風を吹かす四国山地。愛媛県は、位置的に"南国"であるにも関わらず、この寒冷な"酒造りに適した気象条件"が揃っています。
また四国山地からは、名水"うちぬき"の水をはじめとする、豊富な伏流水が湧き出ています。清らかな水が愛媛県の日本酒を、まろやかで奥行きのある味わいに仕上げているのです。
四国山地だけでなく、瀬戸内海に面しているということも、愛媛県の環境の特徴に挙げられます。
日本酒は古来より食中酒として親しまれてきました。宇和海から四季を通じて獲れる海の幸も、愛媛県が良質で旨い日本酒を育んできた大きな要因の一つです。
米・酵母
愛媛県は、県産米"松山三井"を醸造用米として育てるとともに、愛媛県の研究機関の協力の下、平成十年(1998年)に独自酵母"EK-1"を開発。また平成二十一年(2009年)には、愛媛県独自の酒造好適米"しずく媛"を開発しています。
より愛媛県ならではの日本酒を楽しみたい時は、これらの酒米・酵母にも注目してみるのが良いでしょう!
歴史
愛媛県の酒造りの起源は、今から約四百年以上前の戦国時代後期。慶長十六年(1611年)には、"伊予の道後酒として名を成した"との記録が残っています。
その後、全国的にも有名な越智郡杜氏や伊方杜氏などの多くの技術者を輩出。そして現在。その伝統と技術を脈々と受け継いだ、三十九の酒蔵が日本酒を醸しています。
蔵のほとんどが年間生産量180kl以下と比較的小規模。ですが、だからこそ実現できる"昔ながらの伝統を守った丹念な酒造り"にて、愛媛県ならではの日本酒を世に送り出しているのです。
愛媛県の日本酒ランキングtop10
愛媛県日本酒ランキング10位:純米酒 真珠のときめき
「純米酒 真珠のときめき」は、スッキリと爽やかな味わいが特徴。宇和海の"真珠のときめき"を感じられるような純米酒です。
純米ならではの美味しさが詰まった一本。その仕上がりは美しく、ラベルも煌びやかなため、特に女性にオススメしたい日本酒です!
愛媛県日本酒ランキング9位:雪雀 上撰辛口
「雪雀 上撰辛口」は、ふくよかな味わいが特徴。酒ツウの方が喜ぶような日本酒らしさが詰まった辛口の一本です。
旨味の中にスッキリとした上品な味わいを持っている同商品。その絶妙なバランスで病みつきになるであろう、辛口好きにオススメしたい日本酒です。
愛媛県日本酒ランキング8位:仁喜多津 大吟醸酒
「仁喜多津 大吟醸酒」は、大吟醸ならではの華やかな味わいが特徴。一世紀以上に亘る歴史の中で育まれてきた蔵人の技を活かした大吟醸酒です。
フルーティな含み香は見事の一言。全国新酒鑑評会において、連続で金賞を受賞した実績を持つ名酒です。
愛媛県日本酒ランキング7位:道後蔵酒 純米吟醸酒
「道後蔵酒 純米吟醸酒」は、豊かな旨味が特徴。愛媛県産"しずく媛"を精米歩合60%まで磨いた純米吟醸酒です。
伊予の酒米の良さを感じられる一本。味わいは淡麗で、やや辛口に仕上げられています。
愛媛県日本酒ランキング6位:道後蔵酒 大吟醸酒三十五
「道後蔵酒 大吟醸酒三十五」は、フルーティな味わいと独特の立ち香が特徴。酒造好適米"山田錦"を35%まで磨き上げた大吟醸酒です。
仕込み水には熟田津の良水を使用。大吟醸ならではの華やかさと、水の良さが活きた淡麗でやや辛口な味わいを楽しめる一本です!
愛媛県日本酒ランキング5位:仁喜多津 純米吟醸酒
「仁喜多津 純米吟醸酒」は、淡麗でやや辛口の澄みきった味わいが特徴。厳選した伊予の酒米と、熟田津の良水を活かした純米吟醸酒です。
上記のような特徴がありながらも、純米ならではの豊かな旨味も感じることができる一本。使用した愛媛県産"しずく媛"の良さが、しっかりと詰まっています。
愛媛県日本酒ランキング4位:雪雀 純米吟醸
「雪雀 純米吟醸」は、華麗な香りとまろやかで柔らかな風味が特徴。それぞれのニュアンスが調和した、バランスの良い純米吟醸酒です。
中辛口の味わいなので、シーンを選ばずに活躍すること間違いなし。アルコールも14度と少し控えめなので、是非、気軽に利用してみてください!
愛媛県日本酒ランキング3位:梅錦 純米生貯
出典:梅錦山川 清酒 梅錦 純米生貯 300ml [ 日本酒 ]
「梅錦 純米生貯」は、スッキリとしていて柔らかい口当りが特徴。梅錦山川が誇る通年販売の生貯蔵酒です。
精米歩合70%にもかかわらず高クオリティを実現している一本。酒器に注げば、生貯蔵酒ならではの華やかな香りもきちんと広がってくれます。
その香味のバランスはほど良いので、食中酒として利用した際に、決して料理の邪魔をすることはありません。食材の持ち味を存分に活かしてくれるので、是非、お好きな料理と一緒に味わってみてください!
愛媛県日本酒ランキング2位:梅錦 純米原酒 酒一筋
「梅錦 純米原酒 酒一筋」は、原酒ならではの濃厚な香りと、それに負けない押しの強い旨味が特徴。昔から「梅錦」の"黒ラベル"として親しまれている純米吟醸酒です。
口中に広がる強い酸味と香りのバランスが絶妙な一本。梅錦山川が「これが梅錦の技」と、自信を持ってオススメしている日本酒です。
原酒タイプなので、オン・ザ・ロックでも美味しく飲めるのも同商品ならではのポイント。個性が強い味わいなので、うなぎ・すき焼き・中華や肉料理などの、濃厚な旨味のある料理と一緒に楽しむのが良いでしょう!
愛媛県日本酒ランキング1位:うめにしき 上撰 栄冠
「うめにしき 上撰 栄冠」は、柔らかな甘さをベースにしたソフトな飲み口が特徴。瀬戸内の食文化に育てられた「梅錦」の、酒文化を象徴する普通酒です。
けっしてしつこくはなく、それでいて暖かみがある一本。"「梅錦」といえばこの味"と評される、同ブランドならではの味わいを楽しめます。
日本酒らしいほのかな甘さは、甘辛系の料理とピッタリ。白身魚の煮付けなどが相性抜群です!
愛媛県の酒蔵ランキングtop5
愛媛県酒蔵ランキング5位:成龍酒造
成龍酒造は、明治十年(1877年)に創業した西条市の酒蔵です。
"酒は料理の脇役であれ"をモットーに、地元の郷土料理をはじめ、様々な食事を引き立てる酒造りを目指しているのが特徴。松山三井や"しずく媛"を中心とした地元産の米、石鎚山からの伏流水(弱軟水)を使用し、全体的に飲み疲れしない優しさを感じる日本酒を造り上げています。
代表銘柄は「伊予賀儀屋」です。
愛媛県酒蔵ランキング4位:名門サカイ
名門サカイは、文禄元年(1592年)に創業した宇和島市の酒蔵です。
戦国時代末期に創業した"まさに名門"と言える老舗蔵。その歴史は確かに受け継がれながら、昭和四十六年(1971年)に、南予地方吉田以南の酒造会社三社が合併することで、現体制にて設立されました。
代表銘柄は「真珠のときめき」です。
愛媛県酒蔵ランキング3位:水口酒造
水口酒造は、明治二十八年(1895年)に創業した松山市の酒蔵です。
県内産の酒造好適米と熟田津の良水を用い、気温の変動を受けないジャケットタンクを全ての醪で使用。コンピュータで温度管理をして安定した品質を維持するなど、徹底したこだわりのもと、創業以来の伝統と技を大切に、その味わいを守り続けています。
代表銘柄は「仁喜多津」です。
愛媛県酒蔵ランキング2位:雪雀酒造
雪雀酒造は、大正四年(1915年)に創業した松山市の酒蔵です。
全ての麹米に酒造好適米を使用しているのが特徴。厳選した原材料と中硬水の仕込み水、そして杜氏の技が三位一体となった"淡麗さのなかにコシのあるお酒"を醸しています。
代表銘柄は「雪雀」です。
愛媛県酒蔵ランキング1位:梅錦山川
梅錦山川は、明治五年(1872年)に創業した四国中央市の酒蔵です。
法皇山系の豊かな伏流水を使用しているのが特徴。全ての施設を近代化し、杜氏が長年培ってきた経験と、研ぎ澄まされた五感を存分に活かす"人間の感性"を最も大切にした酒造りを行っています。
代表銘柄は「梅錦」です。
幅広い種類が特徴的!愛媛県の日本酒を楽しもう
歴史ある酒造も多い愛媛県。日本酒造りに最適な環境と、豊かな水源を活かし、実に幅広い日本酒を造っていることが分かったかと思います。
今回ご紹介した日本酒は、ほんのひとにぎり。愛媛にはもっとたくさんの日本酒があるので、ご自身の好みにピッタリと合うような最高の1本をみつけてみてくださいね!