「ノンアルコールワイン」というジャンルを知っていますか?
名前だけ聞くと「ただのぶどうジュースじゃないの?」「あまり美味しくなさそう」と感じる人も少なくはないかもしれません。しかし、最近では車の運転や体の健康を気にせずに食事とペアリングできるノンアルコールワインの需要が伸びてきており、そのクオリティはかなり上がっています。
食事を美味しく楽しむためのノンアルコールワインもあるほどなので、その味わいは言うまでもありませんよね。
今回は、そんな「ノンアルコールワイン」の中から、ソムリエの私がおすすめする10本をランキング形式でご紹介します。
そもそも、ノンアルコールワインとは?
ノンアルコールワインの定義は「アルコール度数が1%未満のもの」となっています。なので、商品によっては「全くアルコールがない」わけではないんです。
未成年が飲んでも大丈夫!と思っている方も多いかもしれませんが、成人した大人が楽しむ飲み物として造られているので、注意したいところです。
2種類の製法がある!?
ノンアルコールワインは大きく分けて2種類の製法があり、
通常のワインからアルコールを除去する方法と、はじめからアルコールを生成せずにつくる方法があります。
通常のワインからアルコールを除去する方法
アルコールを除去するには、「蒸留法・揮発性物質回収法・逆浸透法」と3種類ありますが、もっともポピュラーなのは蒸留法です。
こちらが最もワインの味わいや風味が再現されるやり方と言われています。減圧蒸留法といって、真空状態にして沸点を下げて蒸留することによって、風味を損なわずにアルコールを除去することができるのです。
アルコールを生成せずにつくる方法
一方、アルコールをはじめから作らないように発酵させてノンアルコールワインを作る方法もあります。
こちらはぶどう果汁の糖分を減らして、発酵を途中で止めることによって、アルコールが生成されないように発酵させる手法です。日本国内で製造されるノンアルコールワインはこの手法が多く、ワインのテイストをしっかり感じることができます。
こちらはどちらかというとノンアルコールビールや甘酒の作り方と似ていますね。
ノンアルコールワインの選び方
運転される予定の方や、アルコールにアレルギーがある方は、必ずラベル表記を確認し、「0.00%」と書かれているのを確認しましょう。前述した通り、「アルコール度数が1%未満のもの」全てがノンアルコールワインと名乗れるので、注意が必要です。
また、フルーティで甘みのあるノンアルコールワインは多いですが、辛口のドライなタイプが好きな方は、ノンアルコールのスパークリングをオススメします。アルコールがあるからこそ感じられるフルボディの飲み口は、やはりノンアルコールのスティルワインではまだまだ難しいのが現状です。
料理に合わせたいのであればワインと同じような選び方を
ペアリングを考えるのであれば、料理に合わせてワインをセレクトするように、白・赤・スパーリングと選んで良いかと思います。
しかし、フルボディのしっかりした渋みのある赤とジューシーなお肉料理!のようなペアリングはまだ難しいので、白ワインを中心に、魚介や鶏肉料理といった、「ノンアルコールワインを基準にして料理をセレクトする」のもオススメです。
ソムリエ厳選!おすすめのノンアルコールワインランキング10選
10位 ヴィンテンス ノンアルコール カベルネ・ソーヴィニヨン
まずは、王道品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンで作られたノンアルコールワインをご紹介。
渋みや飲みごたえは穏やかですが舌にしっかりとその果実味を感じることができます。
常温よりも少し冷やして飲むのが正解!このフルーティさなら、前菜にも合わせられそう。
9位 ピエール ゼロ ブラン ド ブラン
南フランスで育ったシャルドネから作られたノンアルコール白ワインと、同じくシャルドネで作られたぶどうジュースをブレンドしたノンアルコールワインです。
辛口に仕上がっていますが、アロマはしっかりと果実味を感じます。アルコール度数は0%なので、運転者や妊婦の方にも安心して飲んでいただけるかと思います。
8位 ファルツァー トラウベンザフト ホーニッヒゼッケル
ドイツで育った、ぶどう本来の濃厚な甘みを感じる味わいです。
辛口が好きな方にはオススメできませんが、キンキンに冷やしてロックで飲んだり、炭酸で割ったりして飲んでも美味しいので、バラエティ豊かに楽しめる1本。
食後のデザートのお供に、チョコレートケーキに合わせるのもいいかもしれません。
7位 ヴィンテンス メルロー
上質なぶどうを使用した、フランス産ワインを独自の技術で脱アルコールを実現。フルーティでコクがあり、ブルーベリーのような風味を感じます。
飲みやすいライトボディの仕上がりなので、常温ではなく少し冷やした状態で飲むのが良いでしょう。冷蔵庫で保管すれば、5日間ほどは風味を保てます。
6位 ヴィンテンス ノンアルコール ソーヴィニヨン・ブラン
ヴィンテンスがリリースする、ソーヴィニヨンブランで造られたノンアルコールワイン。かすかに青いりんごのようなアロマを感じ、味わいはフルーティな辛口に仕上がっています。
グリーンサラダや、白身魚のカルパッチョなどと合わせて乾杯したい1本です。暑い時期に、さっぱりと飲むのにもぴったり!
5位 カールユング シャルドネ
低温真空蒸留法によるアルコール除去ワイン製造法を確立した、カールユングがリリースするシャルドネをご紹介。
まろやかで生き生きとした酸味が心地よいです。アルコール度数は0.25%とわずかにあるので、ドライバーの方などは注意してください。
キリッと際立つ酸味が、様々な料理に華をそえます。
4位 妖精たちの宴
野生種の山ぶどうを絞ったシンプルな製法で造られた「妖精たちの宴」。濃厚な味わいで、従来のぶどうジュースとは一線を画し、甘み、酸味、渋みのバランスが取れていて、様々な食事とうまくマッチします。
こちらで使っている山ぶどうは低カロリーでポリフェノールやカルシウムが多く含まれているので、健康にも良い飲み物になっています。
3位 デュク・ドゥ・モンターニュ ロゼ
アルコール分を0.5%未満にし仕上げた、ノンアルコールのロゼスパークリング。味わいは爽やかで色調も美しく、食卓を彩るのにぴったりの1本です。
泡立ちも細かくしっかりとあるので、前菜から主菜まで幅広く合わせることができそうです。見た目も華やかで、女子会にぴったり。
近年人気のロゼを、ライトに楽しみたい方におすすめ。
2位 デュク・ドゥ・モンターニュ
こちらも引き続き、ベルギーのデュク・ドゥ・モンターニュ、スパークリングワインです。ロゼよりもさらにドライな味わい。キリッと冷やして前菜やサラダと合わせてぐびぐび飲めてしまう、軽快な飲み口のワインです。
屋外のバーベキューで、お酒が飲めない方に渡す1本としていかがでしょうか?
1位 ヴィンテンス シャルドネ
堂々の1位は、ヴィンテンスのシャルドネ!
シトラスの香りがしっかりと感じられ、シャルドネらしいフルーティなふくよかな味わいが再現されています。こちらはさっぱりした鶏肉料理や、カクテルシュリンプのような魚介を使った冷菜とよくマッチします。
美味しい料理をさらに引き立ててくれる、ハイクオリティなノンアルコール白ワインです。これを飲めば、ノンアルコールワインに対する価値観が変わるかも!
まとめ
いかがでしたか?様々な食事に合わせられ、多様なシーンで活躍できるノンアルコールワイン。
今後も需要が伸びていく分野なので、目が離せません。このランキングを参考にして、色々と試してみてくださいね。
皆様のワインライフに、新しい楽しみが加わることを願っています。