古くからの伝統が根付く都市・奈良。大仏などの歴史的な建造物も多くある、日本人に取って特別な場所ですよね。
これは日本酒に関しても例外ではありません。古くから酒造りを行っている酒蔵が多く、気候を生かした昔ながらの1本が楽しめます。
ここでは、奈良の日本酒をピックアップ。おすすめの銘柄をランキング形式で10本ご紹介すると同時に、奈良の日本酒の特徴や酒蔵についても徹底解説していきます。
奈良県の日本酒の特徴
奈良県は、古来より日本酒造りと深い関わりのある地です。例えば、桜井市にある大神神社には、酒の神である大物主大神が祀られ、全国の酒造家の信仰を集めています。
また、奈良市にある正暦寺は、日本清酒発祥の地とされ、室町時代には、近代醸造法の基本となる酒造技術を確立。
仕込みを三回に分けて行う"三段仕込み"や、麹と掛米の両方に白米を使う"諸白(もろはく)"造り、酒母の原型である"菩提酛"造りに、腐敗を防ぐための"火入れ"作業などが、この時期に編み出されたのです。
このような歴史的背景に相応しく、「奈良酒」は高級酒の代名詞として愛されてきました。様々な文化が育ち、確立されていった江戸時代においても珍重されたほどです。
現在、そんな歴史ある奈良県の酒蔵の数は*28。それぞれの地域で、その土地ならではの気候風土、文化を活かした銘酒を製造しています。
主流の味わいは、酸味・糖分が多い濃醇甘口。ですが、今西清兵衛商店の「春鹿」など、辛口を中心に展開しているブランドももちろんありますので、是非、自分の舌で好みの一本を見つけてみてください!
また、より"奈良県ならでは"の日本酒を味わいたい際は、酒米"露葉風(つゆはかぜ)"を使用している銘柄がオススメです。露葉風は、奈良県唯一の酒造好適米であり、深いコクと米の旨味を堪能できる品種として愛されています。
*奈良県酒造組合のHPでの記載数。
奈良県の日本酒ランキングtop10
奈良県日本酒ランキング10位:ALPHA 風の森 TYPE1
出典:風の森 ALPHA TYPE1 2019BY 720ml (価格にクール代+宅配便専用箱代160円含む)
「ALPHA 風の森 TYPE1」は、果実を思わせる香りと甘み、ボリューム感のある味わいが特徴。香味のバランスを保ちながら、従来の「風の森」よりも低いアルコール度数に仕上げられています。
"日本人が日本酒をもっと楽しめる日本酒へ"という想いが込められた一本。普段、あまりお酒を飲まない方へのギフトに最適な、親しみやすい日本酒です。
奈良県日本酒ランキング9位:篠峯 雄町 純米大吟醸
出典:日本酒 篠峯 純米大吟醸 雄町1800ml 【千代酒造】
「篠峯 雄町 純米大吟醸」は、雄町らしい香りと繊細な味わいが特徴。酒米にこだわり、季節感溢れる日本酒を提案している「篠峯」ならではの、雄町のポテンシャルが引き出された純米大吟醸酒です。
しっとりとした綺麗な仕上がりは和食と好相性。特に蕎麦や白身の刺身など、サッパリとした料理と合わせるのがオススメです。
奈良県日本酒ランキング8位:八咫烏 辛口 佳撰
「八咫烏 辛口 佳撰」は、ほど良い酸味と心地良い後口が特徴。酸度が引き出したコクとキレが、絶妙に調和している日本酒です。
辛口好きには飲んでおいてほしい一本。日本酒らしい味わいを、是非、和食と一緒に味わってみてください。スッキリとした仕上がりが、素材の良さを引き立てるので最高ですよ!
奈良県日本酒ランキング7位:純米 ちくよう(竹葉)
「純米 ちくよう」は、ふくよかな香りと滑らかな喉越しが特徴。国産米を100%使用して造られた純米酒です。
飲み方は冷酒、または冷やがオススメ。日本酒らしい米の旨さをシンプルに味わえます。手頃な価格なので日々の晩酌のお供に、気軽に利用してみるのはいかがでしょうか?
奈良県日本酒ランキング6位:吟醸 大和の香り
出典:喜多酒造 吟醸 大和の香り [ 日本酒 奈良県 720ml ]
「吟醸 大和の香り」は、果実を思わせる豊かな香りと、キレの良い軽快な口当たりが特徴。福井県産の五百万石を100%使用した吟醸酒です。
ほど良い甘みが、飲むたびに優しく徐々に体に染み渡るような、暖かみのある一本。食中酒として楽しむのはもちろん、就寝前のリラックスタイムに味わうのにも良い日本酒です。
奈良県日本酒ランキング5位:春鹿 純米 超辛口
「春鹿 純米 超辛口」は、穏やかな香り、まろやかな口当たり、凛としたキレ味の良さが特徴。世界10数ヶ国で愛飲されている「春鹿」の代表銘柄です。
魚介類を使った料理と特に好相性。超辛口の仕上がりは、淡白な食材の味を邪魔することなく引き立ててくれます。飲み方は、冷酒で軽快に楽しむのはもちろん、燗で旨味をふくらませて味わうのもオススメです!
奈良県日本酒ランキング4位:ALPHA 風の森 TYPE2
出典:日本酒 風の森 ALPHA TYPE 2(アルファータイプ2)純米大吟醸酒720mlカートン箱入り【油長酒造】[クール便発送]
「ALPHA 風の森 TYPE2」は、複雑で華やかな香り、どこまでも滑らかな口当たりが特徴。高精白にも耐えうる秋津穂の特性を活かした、精米歩合22%の一本です。
磨き上げられた秋津穂は、7号系酵母と組み合わさることで、そのポテンシャルを余すことなく発揮しています。どなたにも一度は試してもらいたいような、新しさを感じられる日本酒です!
奈良県日本酒ランキング3位:嬉長菩提酛純米酒
出典:上田酒造 嬉長 菩提もと 純米 [ 日本酒 奈良県 720ml ]
「嬉長菩提酛純米酒」は、米の旨味、濃淳な飲み応え、甘口の仕上がりが特徴。五百年ぶりに復活した、清酒造りの起源"菩提酛(ぼだいもと)"で醸された純米酒です。
米には良質な国産米、水には生駒の名水を使用。これらを活かした丁寧な酒造りが生んだ、ただ単に甘いだけではない味わい深さを堪能できます。
オン・ザ・ロックや冷酒、冷やで楽しむのがオススメ。温める際は、温度が高すぎると香味のバランスが崩れてしまうので、ぬる燗ぐらいで味わうのが良いでしょう!
奈良県日本酒ランキング2位:五神 特別純米酒
「五神 特別純米酒」は、日本酒本来の旨味、スッキリとした後口が特徴。しっかりとした味わいと飲みやすさが両立した特別純米酒です。
五條酒造が農家と特別に契約した、化学肥料を用いずに栽培された米"キヌヒカリ"を使用して醸造。こだわりの米を活かした、純米酒らしさを楽しめる一本になります。
冷酒や冷やで飲むのも美味しいですが燗にするのがオススメ。特にぬる燗にすると、ふくらむ米の旨味と味の伸びを堪能できますよ!
奈良県日本酒ランキング1位:みむろ杉 純米吟醸 山田錦
「みむろ杉 純米吟醸 山田錦」は、ジューシーな旨味、ふくらみのある甘みが特徴。しっかりとした味わいがありながらも、綺麗に飲み心地良くまとまった、絶妙なバランスの純米吟醸酒です。
この酒質は、兵庫県産の特Aランク"山田錦"を贅沢に使用することで実現しています。山田錦ならではの日本酒を楽しみたい際には飲みたい一本です。
日本酒らしく食中酒として楽しむのがオススメ。和洋中問わず、お好きな料理と合わせてみてください!
また、味わい深い日本酒なので、日によって酒器を変えて楽しんでみるのも良いです。香りを広がらせたい際にはワイングラスなど、色々と試してみると、「みむろ杉」が持つ様々な表情を知ることができますよ!
奈良県の酒蔵ランキングtop5
奈良県酒蔵ランキング5位:今西清兵衛商店
今西清兵衛商店は、明治十七年(1884年)に創業した奈良市の酒蔵です。
創業以来、南都諸白の伝統を現在に伝えるという姿勢で酒造りを実施。高精白された原料米を使い、軽快でまろやかな口当たり、華やかでキレ味の良い日本酒を造り上げています。
醸す銘柄は「春鹿」。味、コク、香り、全ての点で高品質な、辛口を中心に展開しているブランドです。
奈良県酒蔵ランキング4位:油長酒造
油長酒造は、享保四年(1719年)に創業した御所市の酒蔵です。
二十年以上に亘り、秋津穂を使用して酒造りをしているのが特徴。この米は、代表銘柄「風の森」に必要不可欠な"風の森好適米"と呼べるような存在です。
また、奈良県産の酒造好適米"露葉風"を使用した酒造りにも力を入れています。同酒米を使った「風の森」もありますので、気になる方は是非、味わってみてください!
奈良県酒蔵ランキング3位:上田酒造
上田酒造は、永禄元年(1558年)に創業した生駒市の酒蔵です。
名水と名高い生駒の地下水と、厳選した国産の酒米を使用。"生駒の長ならん"との想いから名付けられた「生長」と、嬉しい事が長く続くようにと名付けられた「嬉長」が代表銘柄。
伝統的な酒造りを継承しながらも、近年では完全無農薬有機米を使用したお酒を造るなど、受け継がれてきた技術を活かしつつ、新しいことにも挑戦し続けています。
奈良県酒蔵ランキング2位:五條酒造
五條酒造は、大正十三年(1924年)に創業した五條市の酒蔵です。
金剛山の麓に位置することを活かし、金剛山系の伏流水、自家井戸の清水を使用。伝統ある但馬流の昔ながらの手造りの良さを活かした、少量生産で高品質な日本酒を製造しています。
醸す銘柄は「五神」。きめ細かい作業により実現した芳醇な仕上がりが特徴です。
奈良県酒蔵ランキング1位:今西酒造
今西酒造は、万治三年(1660年)に創業した桜井市の酒蔵です。
ブランドコンセプトは"三輪を飲む"。山の麓で寒暖の差が激しい気候、神の水と言われる三輪山の伏流水、酒との深い歴史が揃う三輪の地。この唯一無二の環境の中、"三輪ならではの日本酒"を醸しています。
米は、酒米の王様"山田錦"と、奈良県唯一の酒造好適米"露葉風"を主力品種として使用。契約農家と共に米を育てるなど、徹底的にこだわりながら米と向き合っています。
醸す銘柄は地元流通の「三諸杉」と限定流通の「みむろ杉」。奈良県の日本酒を楽しみたい方は、是非、味わってみてください!
まとめ
酒造りに限らず、日本の伝統が根付く場所・奈良。古くから酒造りを行っている酒蔵はもちろん、有名な日本酒を出している酒蔵など他の件と比べても個性が光る場所です。
お気に入りの1本は見つかりましたか?今回ご紹介したランキングはあくまで、筆者目線のおすすめ。これ以外にも美味しい日本酒がたくさんあります。
この記事を参考に、お気に入りの奈良の日本酒をみつけてみてくださいね!