世界5大ウィスキーのひとつ、ジャパニーズウィスキー。山崎や白州、響をはじめとして世界的にも有名なウィスキーが日本には数多くあります。
そんなジャパニーズウイスキーの中でも、近年ファンが注目するのが埼玉県秩父市で造られている「イチローズモルト」。小さな蒸留所で生産量も多くはないですが、世界中のウィスキーファンが注目している人気のウィスキーなんです。
今回はイチローズモルトにフォーカスをあてて、多様な種類や選び方を解説しつつ、ランキング形式でおすすめをご紹介していきます。
秩父ウイスキーとは?
秩父ウイスキーの歴史
埼玉県秩父市にある「ベンチャーウイスキー」が造る「イチローズモルト」は、大学で醸造学を学んだ肥土伊知郎さんが2004年に設立した蒸留所でつくられている主力商品。
もともとは肥土伊知郎さんの父親が経営していた東亜酒造が経営危機により売却され、羽生蒸留所のウイスキー原酒を引き取ったところからスタートしました。
秩父蒸留所は2007年に完成し、翌年の2008年から本格的なウィスキーづくりが始まりました。
世界的に評価の高いイチローズモルト
羽生蒸留所のウイスキー原酒は2005年に最初のイチローズモルトとして発売されたのを皮切りに、世界的に権威のある賞を次々と受賞していきます。
・2006年「キングオブダイヤモンズ」がウイスキーマガジンのプレミアムジャパニーズウイスキー部門ゴールドメダルを獲得。
・2012年 ウイスキーアドボケートで「ジャパニーズ・ウイスキー・オブ・ザ・イヤー」を受賞。
・2017年「ワールドベスト・ブレンデッドウイスキー・リミテッドリリース部門」で世界最高賞を受賞。
・2019年「ワールドベスト・ブレンデッドウイスキー・リミテッドリリース部門」で世界最高賞を受賞。
このように世界的にも有名な賞を獲得し、着々とファンを増やしていきます。今日では入手困難でプレミア価格がついているウィスキーもあり、値段は高騰し続け、売り切れ続出しています。今後も人気と需要はさらにましていくでしょう。
イチローズモルトの味わいの特徴
イチローズモルトは、シングルモルトをはじめとして、他にもグレーンウィスキー、ブレンデッドウィスキーをつくっています。シングルモルトは大麦麦芽をベースにして造られます。
日本古来の木材「ミズナラ」でできた樽で熟成させるので、個性的な独特の風味や色合いが人気です。グレーンウィスキーはとうもろこしや小麦といった大麦以外で造られていて、ライトな飲み口で飲みやすいのが特徴。
また、ブレンデッドウィスキーは他に比べるとリーズナブルで手を出しやすいので、まずはお試しで楽しんでみたいという方にオススメです。
シングルモルトとグレーンウィスキーを絶妙の比率でブレンドしているので、舌触りがなめらかで親しみやすい仕上がりになっています。
入手困難なレア品も!イチローズモルトの選び方
たくさんの種類があるイチローズモルト
イチローズモルトは様々な製造方法で、ハイクオリティのウィスキーをつくっています。既に終売のシリーズも含めると100種類以上のラインナップがあるのだそう。
その中でも、一番の定番はイチローズモルトの「ホワイトラベル」です。秩父で熟成した個性的なモルトをグレーンの原酒とバランス良くブレンドしています。価格も一番リーズナブルで、買い求めやすいので、まずはホワイトラベルからスタートするのもあり!
ロックやストレートだけでなく、香りがとてもいいのでハイボールにしてもオススメですよ。
ウィスキをー選ぶ基準は?
そもそも、イチローズモルトに限らず、世界中に数え切れないほどあるウィスキーの中で、何を基準にして選べばいいのか、迷う方も多いかと思います。まず検討すべきなのは「アルコール度数、価格、好みの飲み方」です。
世界5大ウィスキーはスコッチ、バーボン、ジャパニーズ、カナディアン、アイリッシュと大別されますが、それぞれ産地によって原料や香りの特徴、味わいの軽さなどは傾向が似ているので、まずは自分がどの産地のウィスキーが好きなのかを見定める必要があります。
その中でも、創業してから浅いイチローズモルトをセレクトする方は割と、マニア寄り(?)なのかもしれません。
イチローズモルトは「ミズナラ」という日本の木を使った樽で熟成させたり、ワインの樽で寝かせたりと、個性的な製法が多いので、新しもの好きな方にはたまらない蒸留所です。
オススメの秩父ウィスキーランキングTOP10
10位:イチローズモルト モルト&グレーン リミテッドエディション
まずは、なかなか手に入らないプレミアムなイチローズモルトからご紹介。熟したプラムや綿菓子のようなほのかに甘いニュアンスと、熟成を重ねたグレーン原酒の樽香をしっかりと感じます。
余韻が長く、鼻に抜けるアロマが心地よく漂います。ノンチルフィルター、ナチュラルカラーでボトリングしています。今後もずっと手に入るかわからないので、購入できるタイミングがあればぜひ手に入れたい一本。
9位:イチローズモルト&グレーン ワールドブレンデッドウイスキー リミテッドエディション
こちらはダンネージスタイルといって、下面が土になっていて、樽を4段ほど積んでいく昔ながらの貯蔵方法で熟成しています。手作業が多く非常に手間暇がかかっているウィスキーです。
キーモルトになる原酒と、モルトやグレーンをバランス良くブレンドして造られた一本。アルコール度数は48%と少し高め。
少し酸味をともなう甘さがあるので、ストレート、もしくは同量の水を加水したトゥワイスアップでゆっくりと頂きたいですね。
8位:イチローズモルト モルト&グレーン ワールド・ブレンデッド・ウイスキー ホワイトラベル
こちらは、さきほどご紹介したホワイトラベル。市場価格で出ているので一番購入しやすいです。クセがなく、さっぱりとした飲み口で、人によってはアルコール感を強く感じるかもしれません。
イチローズモルトの入門編としてはじめるのにはおすすめですが、ピート香が強めのウィスキーがお好きだったり、少し変わった樽熟成のウィスキーが好きな方には不向きかもしれません。
水割りやハイボールでいただくと真価が分かります。
7位:イチローズモルト 秩父 オン・ザ・ウェイ
まろやかで透き通った甘さで、バニラやハチミツを感じさせる上品な甘みの1本。柑橘系のフルーティさも重なって、非常に余韻が長いのが特徴。
価格は高騰していてなかなか手に入れられるものではないですが、ウィスキーマニアでコレクターの方にはおすすめ!
ウィスキー愛好家の人にプレゼントしたらとんでもなく喜ばれることでしょう。
6位:イチローズモルト ミズナラウッドリザーブ
羽生蒸留所のモルトをメインに、多種のモルト原酒をミズナラの樽で熟成させている1本。ミズナラ樽由来の香りが柔らかく漂い、上品な味わいに仕上がっています。
ミネラルをたくさん含んだ秩父の天然水との相性が良く、口当たりは非常になめらか。ピーテッドモルトを多めに使用したことで、独特の香りが際立ちます。
最初は奥深い甘みを感じますが、口中に含むと複雑な味わいとピート香が口の中に広がります。
5位:イチローズモルト・ダブルディスティラリーズ 46度
ダブルディスティラリーズは、WWA2009ベストジャパニーズブレンデッドモルトに選ばれた傑作です。秩父蒸留所の原酒と羽生蒸留所の原酒をたくみにブレンド。ウッディな香りと、生姜や黒胡椒のようなスパイシーなニュアンスを感じ取れます。
こちらも在庫が少ないので、今後より貴重になっていくかと思います。
ウィスキー愛好家同士で贈り物をする時に、この一本を選ぶ人が多いようです。
4位:イチローズモルト&グレーン ワールドブレンディッド ウイスキー 505
こちらは飲食店専用のブレンドウィスキーで、一般的には出回らないレア物です。国内でも数あるバーにしか置いてありません。後ろについている「505」はアルコール度数が50.5%であることを意味しています。
薄めのゴールドの色調で、度数はしっかりあるのでアタックは強め。ちなみに名称についている「505」はヘルプを意味する「SOS」をかけていて、コロナで影響を受けた飲食店へのエールだとも言われています。
3位:イチローズモルト 秩父 IPAカスクフィニッシュ 2017 57.5度
秩父らしさを探求する中で見つけた新たなフレーバーが堪能できる1本。IPAカスクは、一度ビールが寝かされた樽で再度秩父の原酒を熟成させています。
爽やかなシトラス系の香りと、バランスの良いビターさがフレーバーに奥行きを持たせてくれます。熟したピーチやネクタリンのような芳醇な甘さが特徴です。
時間をかけて変化する、多彩なフレーバーの余韻が楽しめます。
2位:イチローズモルト 秩父 ザ・フロアモルテッド
秩父蒸溜所が操業を開始した2008年に造られた原酒を、ダンネージスタイルの伝統的な貯蔵庫で3年樽熟成をさせています。そしてこの原酒を100%使用したシングルモルトウイスキーが『秩父 ザ・フロアーモルテッド』。
アツい想いと時間が生み出す究極の味わいを楽しんでください。味わいのバランスがとれたアルコール分は高めの50.5%でボトリング。
値段は......非常に高いですがウイスキー好きであれば一度は飲んでみたいですね。
1位:イチローズモルト ワインウッドリザーブ
今回1位に選出したのは「イチローズモルト ワインウッドリザーブ」。秩父蒸留所の原酒をメインに数種類をブレンドしてから、赤ワインを熟成させた空き樽に入れて後熟。ビターチョコやオレンジピールのような高貴なフレーバーを感じます。
赤ワインの樽で熟成した独特のニュアンスは、複雑味のあるフルーティさで表現が難しいです。ワインカスクフィニッシュのウィスキーは他にもありますが、ここまでうまくまとまったワイン樽熟成のウィスキーはなかなかありません。
今後も需要は伸びるばかり!秩父ウイスキー「イチローズ・モルト」に注目!
秩父ウィスキーの人気は今後も高まっていく一方。価格が高くなりすぎて、既に手に入れづらい難点があります。
もちろんご自宅で楽しみたいのはやまやまですが、全国にはイチローズモルトに精通したバーがたくさんありますので、マスターにお願いして飲ませていただくのも一つの手だと思います。
小さい蒸留所からでた世界に認められるウィスキーを、みんなでシェアして美味しくいただきましょう!