シャンパン好きなら、知らない人はいないといわれるほどの知名度を誇る最高級シャンパン「アルマンド」。
それもそのはず!米No1HIP-HOPアーティストのJAY-Zがオーナーを務め、ビヨンセ、ジョージ・クルーニー、トム・クルーズ、ウィル・スミス、レオナルド・ディカプリオなど世界の名だたる超大物セレブ達が愛飲する話題のシャンパンなんです。
なんとアルマンド自体は全くプロモーションは行っていないため、その味とラベルで飲む者を虜にしてきたのです。
日本人としては、MLBのワールドシリーズでヤンキースが優勝した際に、松井選手らがシャンパンファイトで使用したこともありますね。また、キャバクラやホストなど夜のお店でも人気があり、非常に高額にも関わらず楽しまれています。
そもそもシャンパンとは?
アルマンド(正式名称はアルマン・ド・ブリニャック)はシャンパンの銘柄ですが、そもそもシャンパンとはどのようなお酒なのか確認しておきましょう。
シャンパンとは、スパークリングワインの1種。スパークリングワインとは発泡性ワインの総称です。
シャンパンとスパークリングワインとの違い
スパークリングワインとは、一般的には3気圧以上のガス圧を持った発泡性ワインの総称で、世界各国で製造されています。
その中でもフランス北部、ベルギーとの国境近くに位置するフランスのシャンパーニュ地方で製造され、法律で規定された条件を満たしたものだけがシャンパンと名乗ることができるのです。
条件の中には細かい規定も多くあり、例えば使用されるぶどうの面積あたりの収穫高の制限や、醸造期間などもあります。
そして全ての条件を満たしたスパークリングワインが厳しい品質検査に合格して初めて「シャンパン」と名乗ることができます。
つまり、シャンパンはスパークリングワインの中でも特に貴重で、その審査の厳しさから最高峰の味わいと評価されるスパークリングワインと言えるのです。
シャンパン以外のスパークリングワイン
紹介の通り、シャンパーニュ地方以外でもシャンパンと同じ製法で作られるスパークリングワインがあります。例えば、イタリアのスプマンテ・フランチャコルタ、スペインのエスプモーソ・カヴァ、ドイツのシャウムヴァインなど。
これらは呼び方と生産地域が違うだけで、同じ製法で作られたスパークリングワイン。シャンパンよりもリーズナブルに楽しむことができます。
シャンパンがおいしい理由
スパークリングワインの中でも高価で最高峰の味わいと称されるシャンパンですが、なぜ数あるスパークリングワインの中でもシャンパンが人気なのでしょうか?
その秘訣は、なんといってもその美味しさにあります。
シャンパンが、他のスパークリングよりもおいしいとされる理由について大きく3つ紹介します。
気候条件
理由の1つは、シャンパーニュ地方特有の気候にあります。
フランスの北部に位置するシャンパーニュ地方は日照時間が短く冷涼な気候ですが、この気候条件がぶどうに繊細さを与え、大西洋気候の影響によってぶどう栽培には理想的な降雨量となっているのです。
また、地下の冷たく湿った石灰質のカーヴ(熟成庫)が長期熟成を可能にしています。しかしながら、大陸性気候の影響で霜が発生する可能性もあるため、ぶどうが壊滅的な被害を受けてしまう恐れもあるのです。
つまり、シャンパーニュ地方の厳しい気候条件の中で育ったからこそ、シャンパンに最適な最高のぶどうができるというわけですね。
シャンパーニュ製法
シャンパンがおいしいもう1つ目の理由は、シャンパーニュ製法と呼ばれる製法です。
トラディショナル方式や瓶内2次発酵とも呼ばれており、糖分と酵母を加えてゆっくりと時間をかけて瓶内で2度目の発酵を引き起こし、炭酸ガスを発生させて瓶内に閉じ込めておく製法。
2度目の発酵で発生する炭酸ガスは、粒が小さく刺激の少ない持続性のある泡と、エレガントで芳醇な香りも持っています。
そのほかにもスパークリングワインは、シャルマ方式またはタンク方式と呼ばれる、2次発酵を密閉耐圧タンクで発酵させる製造方法や、二酸化炭素吹き込み方式と呼ばれる、ワインに二酸化炭素を加える製造方法が存在します。
それぞれフレッシュ・フルーティーなスパークリングワイン、やや泡は粗いが比較的リーズナブルなスパークリングワインが製造できますが、シャンパーニュ地方で作られたとしても、製法の違いからシャンパンを名乗ることはできません。
シャンパンに使われるぶどう品種
また、シャンパンの原料となるぶどうの品種にこだわっていることも美味しさの秘訣。原料には、世界で300種類以上あると言われているワイン用ぶどう品種のうち7種類だけが使われています。
一般的に知られているようにピノ・ノワール、ムニエ、シャルドネの3大ぶどう品種が使用されており、その割合はなんと99%と言われています。
実は、そのほかにもピノ・ブラン、ピノ・グリ、アルバンヌ・プティ・メリエも認められており計7種類のぶどうがシャンパンの原料になることができます。
ちなみに主要3品種ではない4品種については収穫量の低さや病気への抵抗力などの理由から、ほとんど栽培されていません。
原料のぶどうにこだわっているからこそ、おいしいシャンパンが出来上がるのですね。
ピノ・ノワール
フランスの2大ワイン産地の1つでもある、ブルゴーニュ地方に代表される高級な品種として知られるピノ・ノワール。世界一高価なワイン「ロマネ・コンティ」にも使用される代表的なぶどうでもあります。
シャンパンでも重用されており、シャンパーニュで栽培されるぶどうの約40%がピノ・ノワールと言われています。シャンパンの使用品種としては最もしっかりしているぶどうなので、特徴であるエレガントさと黒ぶどうならではのコク与えることができるのです。
ムニエ
ピノ・ノワールと同じ黒ぶどうの品種です。シャンパーニュ全体の栽培量の約30%を占めており、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のマルヌ川沿岸地域で多く造られています。
ムニエとは「粉屋」の意味で、葉の裏側が白いことから呼ばれるようになりました。
シャンパンの中では、ピノ・ノワールのエレガントさを引き出し、シャルドネの酸とミネラルを和らげる効果があります。
シャルドネ
シャルドネは、シャンパンの3大品種の中で唯一の白ぶどう品種であり、ブルゴーニュ地方が原産です。コート・ド・ブラン地区がシャンパンに使用されるシャルドネの銘醸地として有名。
味わいや香りに突出した強烈な個性がないことから、ニュートラルなぶどう品種と呼ばれており、産地や製法によって味わいが変化することも特徴です。
特にシャンパーニュ地方の石灰質土壌で育ったシャルドネは、シャンパンに必要な酸味としっかりしたミネラルを演出してくれます。
最高級シャンパンアルマンド
スパークリングワインの中でもシャンパンがおいしく高価であると紹介しましたが、そんなシャンパンの中でも高級シャンパンとしてひと際有名なのが「アルマンド」。正式名称は「アルマン・ド・ブリニャック」です。
日本でもクラブやキャバクラではゴールド(黄)ロゼ(赤)グリーン(青)の3種類が「アルマンド信号機」と呼ばれ、並べるのがステータスとされいていることから、高級シャンパンとして知られています。
そのお値段は、高級シャンパンとして知られるドンペリの約3倍にもなると言われています。
最高級のシャンパン、アルマンドのおいしさの秘訣や種類、歴史などを紹介します。
製法
アルマンドが高級シャンパンである理由は、ひとえに品質がとても高いこと!
それもそのはず、アルマンドは製造の全ての段階で究極的にこだわり抜いて製法されているからです。
慎重に手摘みしたぶどうを伝統的な手法でゆっくりとプレスし、ルミアージュ(動瓶)と呼ばれる滓を瓶口に集めて清澄する作業も含めて、全て手作業。たった18人の熟練職人たちによって造られているのです。
ぶどう
まずアルマンドブリニャックがシャンパン製造で使うぶどうは、シャンパーニュ地方の中でも最も優れた畑から収穫されたもののみ。最初に圧搾した「一番搾り」と言われる10樽は、果実味が豊富で透明度が高い果汁のみを使用しています。
伝統的な垂直バスケット型という主導の圧搾機(コカールプレス)によって、ぶどうを房ごとゆっくり圧搾することで高品質な果汁を得ることができるのです。
ブレンド
ぶどうは特級畑、1級畑から収穫した果実だけを選別して使用してます。
収穫年や畑によって品質やキャラクターの異なるぶどうを上手くブレンドすることによって、芳醇で複雑な極上アロマを持ち合わせることに成功しているのです。
熟成
キャティア社が所有する、シャンパーニュ地方で最も深い地下30m以上の石灰岩質でじっくりと熟成。
この熟成により、アルマンドブリニャックの個性的な味わいが生まれるのです。
ドサージュ
ドサージュにもこだわりが見られます。
ドサージュとは、瓶内2次発酵でスパークリングワインを作る際に澱引き(デゴルジュマン)と同時にリキュールを添加することです。
リキュールに含まれる糖分によって甘辛度を調整することができますが、添加するリキュールについては門外不出とするワイナリーが多いのも特徴。ドサージュの工程でワインがほぼ完成するので「門出のリキュール」と呼ばれることも。
アルマンドブリニャックのドサージュは「フレンチオーク樽」で約1年もの間熟成させるとも言われており、たっぷり時間をかけて熟成されることでクリーミーで味わい深いシャンパンが作られるのです。
歴史
キャスティア社は250年以上もアルマンドブリニャックのシャンパンを製造しており、11代も続く老舗の醸造家。
キャティア社はフランスシャンパーニュ地方モンターニュ・ド・ランス地方にあるシニー・レ・ロズの畑でぶどうの栽培、醸造を手がけています。
アルマンドはキャスティア家によって運営されており、当主はジャン・ジャック・キャティア氏と息子のアレクサンドル・キャティア氏の監督の下、醸造が行われます。
シャンパンハウスとしては決して大手ではありませんが、数量は追わずに常に良いものを提供する姿勢が今もなお高い評価をうけています。
ボトルデザイン
アルマンドシャンパンといえば、スペードのプレートがあしらわれたボトルデザインが魅力の1つ。
ちなみに現在のボトルは、デザインはフランスを代表するファッションメゾンの1つ、アンドレ・クレージュのアイデアから生まれました。そのきっかけは1980年代の終わり頃、式典で使うプライベートブランドとしてシャンパンを作って欲しいという依頼だったのでそう。
今もデザインへのこだわりは続いており、一切紙を使用しないメタリックなボトルに、職人によって磨き上げられた4つのピューター(錫製)ラベルが一枚一枚手作業で貼付けられています。コニャック地方に残る熟練した装飾業者の手で、1時間になんと30本しかできない手づくり品なんだそう。
また、シンボルマークであるスペードのエースにも理由が。
アルマン・ド・ブリニャックという名前は、フランス人には発音しやすいのですが、実はフランス人以外は発音しにくく、覚えにくいという課題がありました。そのため、シャンパーニュ地方の歴代の王が使用したスペードのエースのマークをトレードマークにすることで、フランス人以外にも覚えてもらいやすくしたのだそう。
アルマンドがブームになったきっかけ
今では高級シャンパンとして世界的に有名なアルマンドですが、実はアルマンドのシャンパンが有名になったのは比較的最近のことなのです。
有名になるきっかけとなった大きな2つの出来事を紹介します。
100 Best Champagne For 2010で優勝
アルマンドのシャンパンが世界で注目を浴びたきっかけは、「100 Best Champagne For 2010」で、2006年にリリースされた「アルマン・ド・ブリニャック ブリュット ゴールド」が世界ランキング1位を獲得したことです。
「100 Best Champagne」とは、世界唯一のシャンパーニュ専門誌「シャンパーニュ・マガジン」内で行われるワインコンペティションです。この大会は世界で著名な評論家やソムリエたちが集まり、1000種類以上のブライドテイスティングをして評価を下す世界で最も厳しいワインコンペティションと言われています。
ドンペリニヨンやモエ&シャンドンなど多くの有名なシャンパンを抑えて優勝したことで、名声は世界中に広がり不動の人気を誇るようになりました。
大人気ミュージシャンのMVに用いられる
有名ミュージシャンのMVに出たことも有名になったエピソードの1つです。
アメリカを代表するR&B系シンガーソングライターで音楽プロデューサーで、世界的人気を誇るNE-YOの「Champagne Life」に使用されています。
また、大人気ミュージシャンのJAY-Zはアルマンドブリニャックが好きすぎて、なんと会社ごと買収してしまったほどなのです。
高級店や夜のお店での高級酒
日本では、高級クラブを中心に高い人気を得ています。
特にキャバクラやホストなどの夜のお店で高級酒として人気があります。
キャバクラやホストではお酒の原価の2~10倍以上で提供されるので、原価が高いアルマンドは高ければ100万円を超えることも!
また、紹介した通りアルマンドのボトルデザインが華やかなことから店舗だけでなくSNSでも映えるので、他のシャンパンとも比べて特に人気があります。
カラーバリエーション豊富なボトルデザイン
フランスのコニャック地方の装飾職人たちが1本づつ手作業で作るインパクト抜群でとてもオシャレなスペードラベルは、7種類のカラーバリエーションがあります。
1本でももちろん華やかですが、アルマンド信号機と呼ばれるように異なる色と並べることでより華やかな見た目を楽しむことができます。
特別な日に飲むアルマンドだからこそ、特別な雰囲気を楽しめる見た目が人気の理由でもあるのです。
アルマンドの種類
一度は飲んでみたいアルマンドですが、日本では現在7種類を入手することができます。最初に飲むのであれば、やはり看板銘柄のアルマン・ド・ブリニャック ブリュット ゴールドがおすすめ。
そのほかにも様々な種類があるので、せっかくの機会でのでお好みのアルマンドをお楽しみください。
アルマン・ド・ブリニャック ブリュット ゴールド
「アルマンドといえばこれ!」ともいえる、定番の1本。世界1に輝いた看板銘柄のアルマン・ド・ブリニャック ブリュット ゴールド。
ボトルカラーのゴールドの放つ輝きが特別な時間をより一層充実させたものにすること間違いなし。初めて飲むなら、ぜひゴールドからお試しください!
アルマンドブリニャック・マスターズエディション
世界最高峰のゴルフトーナメント「マスターズゴルフトーナメント」の優勝商品として生産された、アルマンドブリニャック・マスターズエディション。
グリーンのボトルカラーがゴルフの芝と開催される4月に眩しいほどぴったりです。少量生産されている珍しい銘柄です。
アルマンドブリニャック ロゼ
ピンクのボトルカラーが女性に大人気のアルマンドブリニャックロゼ。ぶどうの使用比率は、50%ピノノワール、40%ピノ・ムニエ、10%シャルドネ。さらにロゼ・シャンパンのためにだけ造られた赤ワインを12%ブレンドして作られています。
赤い果実の芳醇で純粋な味わいと香ばしくも繊細な香りを楽しむことができ、SNSで多く投稿されていることから、女性にプレゼントするのにもおすすめの銘柄です。
アルマン・ド・ブリニャック ドゥミ・セック
ロゼよりも深みのある、淡い赤のボトルカラーが美しいアルマン・ド・ブリニャック ドゥミ・セック。約6年もの期間シャンパーニュ地方の地中深くの保管庫で瓶内熟成された大変貴重な銘柄です。
ピノ・ノワール40%、 シャルドネ40%、ピノ・ムニエ20%の比率で造られているプレミアムな1本。以前は、現地を訪れなければ味わうことができなかったのだそう。
アルマン・ド・ブリニャックブラン・ド・ノワール
シルバー・ボトルのブラン・ド・ブランは、2015年にリリースされてから数年に一度しかリリースされない希少価値のとても高い限定商品です。
その味わいは繊細でやさしく、酸もあり、天ぷらやお寿司などの日本食にも合います。
ピノ・ノワールを100%使っており、お値段は非常に高く400000円から500000円を超える場合も多くあります。
アルマンドブリニャック ブラン・ド・ブラン
ブラックのボトルカラーがスペードラベルを引き立てる、シャルドネ100%で作った白ワインのアルマンドブリニャック ブラン・ド・ブラン。
メゾン初のシャルドネだけを使用した銘柄で、コート・デ・ブランとモンターニュ・ド・ランスのシャルドネを半分ずつの割合でブレンドされています。
いつまでも口に残る芳醇なアロマと、キリッと明確な刺激を楽しむことができます。
アルマン・ド・ブリニャック ブリュット スペシャルエディションジャパン2020
アルマン・ド・ブリニャック ブリュット スペシャルエディションジャパン2020は、その名の通り日本限定の商品。2020年の1月に本数限定発売されました。
ゴールドのボトルカラーで2010年、12年、13年のヴィンテージのブレンドになっています。
品種構成は、シャルドネとピノ・ノワールで、この2品種のブレンディングは、アルマンドシリーズの中でも初めての試みとなっています。
まとめ
シャンパンの中でも最高級なブランド「アルマンド」。お酒好きとしては、ぜひ一度飲んでみたいお酒ですよね。
最高級だけあって価格は決してお手頃とは言い難いですが、特別な記念日などのとっておきとして用意してみてはいかがでしょうか?
その味わいはもちろん、カラフルなメタリックボトルカラーとスペードラベルの華やかさが記念日に華を添えること間違いなし。
シャンパンの基礎である「見ること」「持つこと」「味わうこと」の全てを思う存分楽しんでください。