カルメネールというぶどう品種をご存知ですか?日本ではあまりメジャーな品種ではないので、ワインに詳しい人以外はあまり聞き馴染みがないかもしれませんね。
しかし、実はカルメネール、フランスのボルドーが原産の古くからあるぶどう品種で、メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンと風味が似ていることでも知られているんです。そのため、味はもちろん1級品!!
今回はそんなカルメネールの味わいや特徴を解説しながら、ソムリエの私が選ぶおすすめのカルメネールワイン10本をランキング形式でご紹介します!
カルメネールってどんなぶどう?
メルローと間違えられて栽培されていたぶどう品種!?
実はカルメネール、19世紀頃までチリではメルローと混醸されてワインが造られていました。フランスから苗木が持ち込まれてからおよそ150年もの間、混植されていたのです。
1994年のDNA鑑定でカルメネールと確認されましたが、この間違いがなければ絶滅していた品種ではないかとも言われています。
しかし1996年にチリの農業省農牧庁であるSAGがカルメネールを正式に認証し次第に世界中へと輸出が広がっていきました。
熟成期間によって変わる!カルメネールのアロマと味わい
カルメネールは本来色調が濃く、風味も濃厚なフルボディのワインを生み出しますが、熟成期間によっては違ったニュアンスが生まれてくるのが特徴です。
短期熟成されたカルメネールは、ミディアムボディな飲み口に仕上がり、ベリー系の果実にピーマンやパプリカのようなアロマを感じます。このようなグリーンのニュアンスを感じるカルメネールには、似たようなテイストの「ピーマンの肉詰め」「チンジャオロース」といった料理との相性が抜群です!!
一方、長期熟成されたカルメネールは、コクのあるフルボディな飲み口に。アロマにも変化があり、チョコレートや黒胡椒、キャラメルのニュアンスが感じられます。
穏やかな酸味と、柔らかいタンニンでバランスよくまとまるので、「渋みの強い赤ワインはちょっと…」という方でも親しみやすいかと思います。シンプルに焼いた牛肉のビステッカや、ローストビーフなど、牛肉を使ったお肉全般と相性が良いです。
カルメネールの主要な生産地はほとんどがチリ
カルメネールの原産国はフランスですが、現在ではほとんど造られておらず、そのほとんどがチリで生産されています。チリ国内での栽培面積もカベルネ・ソーヴィニヨン、メルローに次いで3番目に多く、国内では非常にメジャーな品種なのです。
チリの中でも有数の銘醸地で地中海性気候が特徴の「アコンカグアバレー」「セントラルバレー」で作られるカルメネールは、特に高品質なワインを作ることで知られています。
カルメネールおすすめワインランキングTOP10
10位 コノスル カルメネール レゼルバ エスペシャル
まずは日本でも有名な「コノスル」をご紹介!コンビニやスーパーでも手軽に買えるコスパ良好ワインです。
カルメネール主体で、カベルネ・ソーヴィニヨンやシラーをわずかにブレンド。完熟した豊かなタンニンをしっかりと感じる、飲みごたえのあるフルボディです。
ラクレットチーズや、スパイシーなカレーなど、ボリュームのある料理と合わせるのがおすすめです。
9位 テラノブレ・カルメネール・レゼルバ
こちらは、チリのサンクレメンテで造られたカルメネール。ジャムのような甘いアロマが広がり、凝縮した果実味と程よいスパイシーなニュアンスのバランスがとても良いです。
価格もお手頃で、宅飲みで気軽に楽しむにはぴったり。
トマト煮込みやピザ、トマトソースのパスタなど幅広いお料理に合わせられる使い勝手の良い1本です。
8位 カリテラ アルボレダ カルメネール
クローヴやシナモン、そして紅茶のような複雑な香りと、ミックスベリーの豊かな果実味が調和していて、樽熟成由来のほのかなバニラ香が心地よく香る「カリテラ アルボレダ カルメネール」。
水はけの良い土地でのびのびと育った、カルメネールをカジュアルに楽しめる一本。
飲み口はしっかりとしたフルボディなので、赤身のビステッカや牛スネ煮込みなど、ボリュームのあるメイン料理と一緒に楽しんでみては?
7位 コノスル シングル ヴィンヤード カルメネール
7位にご紹介するのは、またしても「コノスル」からの1本!
ブラックベリーやブルーベリーのような完熟果実の香りが特徴的。まろやかな口当たりで、豊かな果実の余韻が楽しめます。カルメネール100%で造られているので、本来の良さを十分に味わいことができるのが嬉しいですね。
マリアージュとしては、意外にもスパイシーなカレーとの相性が良いのでぜひお試しあれ!
6位 タラパカ グラン・レゼルバ カルメネール
チリのマイポバレーで造られる、ミディアムボディの飲みやすい赤ワインです。
ワイルドベリー、チェリーどのアロマと、モカ、バニラの甘い香り。酵母由来のトースト香も感じられます。味わいはイチジク、ドライチェリーなどの完熟の果実味に、ドライハーブや黒胡椒のニュアンス。柔らかなタンニンで、フィニッシュはスパイシー。
スパイスを効かせた、料理とうまくペアリングしてくれます。
5位 マックス・レゼルバ カルメネール
チリの銘醸地、アコンカグアバレーで造られたカルメネール「マックス・レゼルバ」。味わい豊かで余韻が長いのが特徴です。
タンニンはしっかり感じるものの、カルメネール独特のスパイシーなニュアンスは控えめなので、アタックのインパクトが強いワインが苦手な方にはおすすめです。
シンプルに焼いたお肉や、焼肉のタレが合うので外でのBBQに持っていきたい1本です。
4位 オチャガヴィア グラン・レゼルヴァ カルメネール
こちらは“チリワインの父”と称えられるシルベストーレ・オチャガビア氏が、1851年に創設した由緒あるワイナリーからの1本。
彼はフランスで醸造学を学んだ後に、母国に苗木を持ち帰り、本格的なワイン造りを始めたチリワインのパイオニアです。
樽熟成を2年、瓶内熟成を3年以上経てリリースされるこのワインは、豊かなベリーの果実味と樽熟成由来のシナモンやアニスといった独特のアロマが特徴的。
ワインの味わいを活かすためにも、シンプルに焼いたステーキなどと合わせてお楽しみください!
3位 アルタム・カルメネール
世界トップ100ワイナリーに選出されたことのある、実力派ワイナリーからの1本「アルタム・カルメネール」をご紹介。
銘醸地であるマイポバレーの単一畑のぶどうを使用した、飲みごたえのあるフルボディに仕上がったこちらのワインは、ハーブやセロリを効かせたボロネーゼソースを使った料理と相性抜群。
ワールドワイドな実力を持つワイナリーの実力を、ぜひご自身の舌で確かめてみては?
2位 コンチャ イ トロ テルーニョ カルメネール
チリでも大手のワイナリーである「コンチャ イ トロ」がリリースするテルーニョのカルメネール。こちらのワイナリーは実際に訪問したことがあるのですが、大手ということもあり、施設は綺麗に整えられていて、荘厳な雰囲気がありつつも親しみやすい雰囲気のワイナリーでした。
味わい豊かなフルボディで、香りが華やかで余韻が長く続きます。
ハードチーズや豚肉のリエットなどと共に、ゆっくりと楽しみたい1本です。
1位 カ・オロロジオ ルニソーレ
今回1位に選出したのは、イタリアで造るカルメネール!熟したブラックベリーのような果実味と、スモーキーな樽の香りが程よくついた高級感のある1本です。
しなやかなタンニンは長期熟成に向いているポテンシャルの高さで、カベルネフランを20%ブレンドすることによりよりアロマティックでパワフルな飲み口に仕上がっています。
お肉料理全般と相性がよく、幅広い食事に合わせることができます。
まとめ
いかがでしたか?ほとんどはチリで生産されていますが、イタリアで造られているカルメネールにも注目です。
これからの季節、屋外でのバーベキューなど、飲みたくなるシーンが増えてくるかと思います。まだ飲んだことがない方は、ぜひこの機会にカルメネールのワインを試してみてくださいね!